「どうしてもダメですか…?」 目に一杯の涙を溜めて自分を見つめる女性を、クラウドは心底困り果てて見つめていた…。 彼女でないとダメな理由(わけ)「私、別にティファさんと別れて欲しい、って言ってるじゃないんです」 「……それはもう聞いた…」 「お願いを聞いてくれた後でも、絶対にティファさんや子供達…、ううん、誰にも絶対に言いません」 「……いや…だから…」 「『都合の良い女』で良いんです。私にはクラウドさんしかいないんです!」 「……あの…だから…」 「子供がもし出来たとしても、それを理由に結婚を迫ったりしません、誓いますから!」 「こ、子供って……」 「だから、どうか…私をクラウドさんの恋人にして下さい!!」 「………無理」 クラウドは、瞳を潤ませ必死に縋る女性を前に、何故こんなことになったのだろう?…と思わずにはいられなかった。 そもそも、ことの始まりは僅か三週間ほど前の事。 復興目まぐるしいエッジには毎日毎晩、人が集まっている。 それこそ、一旗上げようと燃えている者、新しい人生を切り開く為にやって来た者、元々ミッドガルに住んでいたので、なつかしの故郷に近いという理由で越してきた者など様々だ。 当然、多種多様な人間が集まってくるのでトラブルも多い。 中にはトラブルと軽く言えるような内容で済まない事件や事故も多い。 だからこそ、リーブはWRO隊員達の質と量のレベルアップを図って、多忙な日々を送っている。 そんな中。 クラウドはいつものように配達の仕事をしていた。 その時の内容は『引越し』。 引越しのような大量の荷物はクラウド一人ではとてもじゃないが運べない。 何しろフェンリルで走り回っているのだ。 トラックならまだしも、家具類はクラウドが持ち上げられたとしても積めないので不可能。 しかし、彼女の場合は『彼女自身の引越し』。 ようするに……『夜逃げ』もどき…。 ストライフ・デリバリーサービスへの依頼は『人形』の配達だった。 送り主と配達先が女性であったこと、更には荷物とされる『人形』の重量や大きさから判断し、クラウドは特に問題を感じず了承した。 しかし、いざ依頼主の所へ出向いてみると、『人形』が『人間』に変更していたのだ。 流石にクラウドは呆れ返って取り合わなかった。 のだが!! 彼女は諦めなかった…というよりも、本当に切羽詰っていた。 義理の父親が借金をしていた。 しかも、いつの間にか自分が連帯保証人として書類に自署があるではないか! 目の前に突如現れたチンピラ達に、彼女は頭が真っ白になった。 当然だが、義理の父親はとっくに『とんずら』している…。 彼女は必死に己の記憶を探った。 自分の署名でないことが立証されれば、連帯保証人という忌まわしい鎖はなんの意味もなくなる。 しかし、どこをどう見ても……自分の字。 彼女は焦った。 ガラの悪い男達は、一週間の猶予を与える…と恩着せがましく言い残し、その時は去って行った。 取り残された彼女は、混乱する頭を必死に動かした。 そうして…かれこれ半年ほど前の記憶を探り出したのだ。 いつも愛想がよい義理の父親。 近所でも評判の『良い義父親』。 母親の連れ子である自分を可愛がってくれた優しい男。 母親が亡くなってからも、生前と変わらず優しくしてくれた……義父。 その義父が差し出した紙切れ。 『あ、ここに名前書いてくれる?』と、差し出した一枚の薄っぺらな……紙。 それには特になにも文言はなかった。 ……ように思う…。 そこら辺の記憶が曖昧だが、『義父』を信用していた彼女は、特に何も危険を感じずサインした。 そして…義父は姿を消した。 単身赴任が決まっていた義父は、遠くウータイに引っ越した。 彼女はミッドガルエリアに残った。 そこには彼女の恋人がいたし、近く結婚する予定だったからだ。 新しい生活にお邪魔虫は退散するよ…。 それが義父の最後の言葉。 借金取りが帰った直後、義父の勤め先に連絡を取ろうとしたが、『架空の会社』であることが判明。 それまでの生活費は、なんと借金からのものだった。 賭け事が大好きで、前妻と別れた…というのも、その時にようやく知った。 さぁ、大変だ! このままでは、とんでもない金額を支払わなくてはならなくなる! 彼女は相談した。 誰に…?って、勿論婚約者に! …婚約は白紙にされた……。 あっさりと捨てられてしまった彼女。 義父に借金を押し付けられ、婚約者に捨てられた…と言えば、世の人は同情するだろう。 恐らく、90%以上の人が、彼女の事を可哀想な女性だ!と言うに違いない。 だが…。 彼女はそこら辺の女性とは一味違った。 彼女は奮起した。 なにに奮起したのか…? 借金の返済か? いやいや、違う。 あろうことか、彼女は借金取りのチンピラ連中を丸め込もうとした。 持ち前の美貌を駆使し、彼女は借金取りを魅了し、誘惑し、逆に貢がせた…。 いやはや、なんとも信じがたい肝っ玉……いやいや、とんでもない女性である。 彼女は思った。 自分には悪女になれる才能がある! この才能を今まで活かさなかったのが信じられない! このままこの才能を活かし、自分に借金を押し付けてとんずらかました父親を裏の世界の力を使って見つけ出し、ホウフクしてやる!! そう…固く心に誓った…。 ………彼女の幼少期を知る人物がいたら、さぞかし驚くだろう…。 きっと、顎が外れるくらい、開いた口が塞がらないに違いない。 だがまぁ…。 悪の栄えたためしなし…というか、なんと言うか…。 彼女の計画はあっさりと水泡に帰した。 彼女にぞっこん惚れ込んでしまったチンピラが、自分以外の仲間にも彼女が誘惑をかけていることを知り、逆上したのだ。 浮気現場(チンピラ視点)に鉢合わせたチンピラは、仲間に銃を向けた。 幸い、掠りもしなかったので誰も怪我をしなかったが、彼女の目論見はあっという間にチンピラ連中に知れ渡ることとなった。 彼女は遁走した…。 それはもう、見事なまでの逃げっぷり。 裏の世界に名を馳せる男達の目を掻い潜り、彼女は身を隠すことに成功した。 だが、一つの所に長い間いるわけにはいかない。 一人で町から町、村から村に逃げるのも限界がある。 幸い、金品はしっかりと所持していたので、すぐに食うに困ることにはならないが、それでも気の休まる時がないのが辛い。 彼女は考えた。 誰か強い人が一緒に行動してくれたら大丈夫じゃないだろうか? 次に引っ越すのは賑やかな街が良い。 『木の葉を隠すなら森の中』というではないか。 というわけで…。 見事、ストライフ・デリバリーサービスに白羽の矢が当たったわけである…。 『迷惑な…』 彼女から一部始終を聞かされたクラウドは思った…。 何が哀しくて『夜逃げもどき』の手伝いを? そもそも、自分は『荷物』の配達屋だ。 決して『生き物の配達』は請け負っていない。 それよりもなによりも…。 なにが嬉しくて『愛人』にしてくれ!と迫られなくてはならないのか…!? 「……帰る」 クルリ…、と背を向けたクラウドに、彼女は躊躇いも無くタックルをかました。 ガシッ!! 小気味の良い音を鳴らせた彼女に、クラウドは一瞬息が止まりそうだった…。 華奢な体躯からは想像も出来ない程の力で、ウエスト部分にしがみつく女性。 全く何も知らない人間が見たら、なんと羨ましい男か!と言われるだろう。 だがまぁ、当然のことながらクラウドにとっては『迷惑』と『不機嫌』更には『女でも容赦しない』の文字しか浮かばない。 眉間に思い切り深いシワを刻み込み、クラウドは女性の細腕を振りほどいた。 「迷惑だ、他をあたれ」 低い低い声で言い放つ。 普通なら、底冷えするその声音に身も心も縮み上がらせるだろう。 だが……まぁ、彼女は普通じゃないわけで…。 「イヤです!クラウドさんが私の事を『愛人』にしてくれるまで絶対に離れません!!」 そう言って、懲りずにまたもやしがみ付こうとする。 いい加減苛立ちがピークに達しつつあったクラウドは、腰のホルスターから愛剣を抜き放ち、彼女の鼻先に突き出した。 「いい加減にしろ、斬るぞ!?」 魔晄の瞳が冴え冴えと光る。 惜しみない殺気と闘気を孕ませた怒気を前に…。 彼女は笑った…。 負け惜しみではない。 本当に嬉しそうに笑ったのだ。 その笑顔に、クラウドは内心で怯んだ。 そして、『俺…無愛想で良かった…』と、怯んだことが表面に出なかったことを喜んだりもした…。 「……なにが可笑しい…?」 頬を引き攣らせるクラウドに、彼女は小首を傾げて一言。 「だって、カッコイイんですもん!」 クラウドは脱力した。 いやもうあれだ。 この女にはありとあらゆる常識が通用しない。 勿論、『人形の配達』依頼から『人間の夜逃げもどき』に変更された時点で常識外なのだが、なんというか……そう、『危機感』がない。 自分が本当にヤバイ立場にある、と言う自覚がない。 借金取りに追われているにも関わらず、この緩みきった雰囲気は何だ? ……もしかしたら自分は目の前のこの女に騙されているのではないか? あれだ、『ドッキリ』とかなんとかのTV番組が昔あったが、その類ではないのか? 大方、ユフィ辺りが喜んで企画しそうな内容だ。 などなど、バカな現実逃避をするクラウドに、彼女はススス…と擦り寄った。 思い切り迷惑そうに身体を捩って距離を置く。 しかし、彼女は全く気にする事無くクラウドに擦り寄ることをやめずに、斜め下から上目遣いで見つめてきた。 『男を落とすテク』を最大限に使っている……のだろう……。 「クラウドさんがティファさん一筋だってことは…知ってます」 「なら、諦めてくれ」 「でも、だからこそ、女はクラウドさんに惹かれるの…」 「迷惑だ」 「本当に素敵…vv」 「アンタはウザい」 「口の悪いところも…本当に素敵vv」 「アンタ……人の話しを聞け…。本当にWROか警察に突き出すぞ!?」 「ふふ、クラウドさんが私を愛人にしてくれるなら喜んで」 「 ………… 」 ダメだ。 いい加減疲れてきた。 もう何も考えないで、彼女を縛り付けてフェンリルでWROのリーブにでも『配達』してやろうか…。 クラウドの脳内でそのプランがまさに決行されようとした時。 「クラウドさん、ティファさん以外の女性を知らないんでしょう?」 彼女が妖艶な笑みを浮かべた。 クラウドのげんなりした顔に、スーッと冷めたものが走る。 それに気づいているのかいないのか…。 彼女は艶かしく(なまめかしく)しなだれかかるように両腕をクラウドの胸から背に巻きつけた。 「ティファさん以外は受け入れないのは…どうして?」 「ティファ以外に魅力を感じない」 「あら、それはどうして?」 「だから!」 「だから、私はその理由を聞いてるの」 至近距離で、魔晄の瞳とグレーの瞳が重なる。 彼女の口元に湛えられた笑み。 クラウドは言葉に詰まった。 「どうしてティファさんに惹かれたの?」 「どうして…って……」 「自分でも分かってないのね?」 「いや、違う!」 「じゃあ、どうしてティファさん以外の女は興味がないの?」 「それは…」 「それは?」 これまでの掴みどころのない雰囲気が一変、真剣なものになる。 彼女から醸し出されるその空気に、クラウドは軽く目を見張った。 はっきり言って、この目の前の女は初対面だ。 だから、ここまで突っ込んだ話をするべき相手ではないし、なにより問いただされるなど筋違いも甚だしい。 だが…。 だがしかし。 ここではっきり言わなくてはならない、という雰囲気にもうクラウドは飲み込まれていた。 目の前の女に対して…ではない。 遠くの地で今、きっと子供達と笑っているであろう愛しい人の為に、はっきりと言葉にしなくてはならない。 「ティファがティファだからだ」 女は眉を顰めた。 クラウドの言った意味が分からない、と表情が言っている。 そして、クラウドの言葉の真意を探ろうとしている。 「クラウドさん、それこそ私がさっきまで言った言葉の裏づけにしかならないわ」 今度はクラウドが眉を顰める。 彼女の言う意味が分からない。 「さっき言ったでしょう?ティファさん以外、誰とも付き合ったり、関係を持ったりした事ないでしょう?だから、比べようが無いの、ティファさんと世の中の女の違いを…ね」 「その必要はない」 「そんなのおかしいわ。だって、ティファさん以外にもクラウドさんと『色々』合う女がいるかもしれないじゃない?」 例えば…私とか…。 そう言いながら、彼女はクラウドに擦り寄った。 それを思い切りクラウドは突き放す。 「やめろ、不愉快だ!」 真剣に怒った顔。 普通ならそこで怯むであろうに、やはりこの女性は違った。 床に突き飛ばされた彼女は、フッと鼻先で笑いながら、ゆっくりと起き上がった。 その仕草の一つ一つも実に艶かしい…。 クラウドは……全くそれには感じないのだろう、ますます眼光鋭く睨みつけるだけ…。 「じゃあ教えて。ティファさんのどこがそんなに良いのか。でないと、私も諦められないもの」 妖艶な笑みを浮かべ、どこまでもクラウドを誘う仕草をする彼女に、クラウドは汚いものでも見るかのような目で苛立たしげに口を開いた。 「ティファは俺が子供の頃からずっと好きだったんだ。大人になるまで一時期離れていたけど、再会して、彼女の本当の姿を見て、仲間が…親友が殺された時の姿や…共に旅する姿、俺を…『本当の俺』を見つけてくれた時の嬉しそうな…顔。それに、なにより、全てをかなぐり捨てて、何も説明しないで、勝手に家を出て行った俺を温かく迎えてくれて…。俺にはティファ以上の女はいない」 無口なクラウドからは信じられないほどの言葉数。 その言葉を前に、彼女は………哂った。 「そんなの、決定的な理由にはならないわ」 カッとなって口を開こうとするクラウドに先んじて口を開く。 「だって、そんなのただ単に『幼馴染』で『ジェノバ戦役を乗り越えて』『都合よく傍にいてくれた』だけでしょう?それじゃあ、他の人が『幼馴染』で『ジェノバ戦役を乗り越えて』『家出をしても許してくれる』人でも良かった…ってことになるわね」 クラウドは絶句した。 彼女の言葉に反論したいのに……出来ない。 確かに自分がたった今、彼女に惹かれたところを上げた。 しかし、それだけだと他の人でも…彼女が言うように『恋人』としてなる可能性があるではないか。 でも、そうじゃない! クラウドは、ティファだから…ティファだからこそ愛しているのだ。 それも、なにとも比べる必要も無ければ、他のカップルの愛情とも比べられない。 それは…。 「俺は、ティファだから愛している。気が付いたら…もうティファしか見えてなかった。その彼女が俺を見てくれている。だから、他の女がどうとか、そういうことは考えられないし、必要ない」 そう、つまりそういうこと。 クラウドにはティファでないとダメ。 例え、ティファと幼馴染でなくても…。 ティファと一緒に旅をしなくても…。 家出をする前に一緒に暮らしていなくても…。 いつか……めぐり合えていたら、その時仮に『恋人』と呼べる人が他にいたとしても、クラウドはティファに惹かれるだろう。 惹かれて…苦しい恋をすることになる。 そうなってしまうという確信がある。 「そう……」 「だから、俺はアンタだけではなく、他の誰とも『愛人関係』を求めたりしない」 彼女が少し俯いた。 と、次の瞬間!! 「クラウド、良く言ったーーーー!!!!」 ギョッとしてドアの方を振り返ると、そこには…。 「ほんっとうに俺、クラウドの事、心底尊敬する!!」 「クラウド〜!もう、私、感動しちゃった〜!!」 「…………クラウド……」 「あ、あ〜、ティファ〜、泣かないで?あ、でもこれって嬉し涙だよね?ならいっか」 「良くない!!何なんだコレは!?」 真っ赤になってクラウドが怒鳴る。 それまで名演技をしていた彼女がクスクスと笑っている。 その彼女の元へ、足取り軽くユフィが駆け寄った。 「へっへ〜。実は私の後輩」 「後輩!?」 「そ。ウータイの忍の後輩。このたびWROへの入隊が決まってね。主にスパイ作戦が多いと思うんだけど、その練習として今回クラウドに協力してもらったの」 「俺は聞いてない!!」 「うん、言ってないもん。ティファと子供達には言ったけどね」 ニシシ、と実に嬉しそうに笑うユフィに、クラウドは失神しそうになった。 なんということはない。 結局、彼女がクラウドに迫ったのは演技だったのだ。 「……皆して…俺をからかって楽しいか!? !!……///」 しっかり騙されてしまったクラウドの目が、ティファとかち合う。 ティファは嬉し涙で頬を濡らしていた。 途端、クラウドは耳まで真っ赤になり……石化した。 「ふふ、本当にお話しに聞いていた通り、照れ屋さんなんですね」 「そう!ほんっとうにクラウドもティファも、もう少しドーンと構えても言いと思うだけどなぁ…。だから見てて歯痒いんだよねぇ…」 クラウドは…思った…。 大穴があったら、もう後先考えずに飛び降りる!と。 誰か……穴掘ってくれ……。 「あ〜、それにしても、本当に良いもの見せてもらったよね」 「そうだよな。クラウドがあんな風に思ってくれてるとは!俺、すっごく安心した〜」 「うん!ね?ティファも良かったね?」 「当たり前だろ?ま、感想はまた明日聞こうぜ」 「うん、そうだね」 子供達は、今頃真っ赤になって困っている親代わりを思いつつ、眠りの国に旅立った…。 「えっとね…あの…スパイの彼女なんだけど…。今度潜入捜査するところが結構ヤバイところみたいで、絶対にバレない様に『悪女ぶり』を披露しないといけないんだって。だから……その……」 「……そう…か…」 「 …… 」 「 …… 」 それきり、会話が続かない。 しかし、その沈黙を破ったのは、意外にもクラウドだった。 「俺…すっかり騙されて…。でも普通気付くよな。あんなむちゃくちゃな境遇に立たされてて、チンピラから狙われてるから夜逃げしないといけない…だなんて…」 「あ、そこは本当なの」 「ふ〜ん……って…は!?」 ティファは苦笑した。 なんと、ユフィの後輩の話は事実なのだ。 元々『悪女』として裏の世界にのし上がろうとしたのだが、浮気現場をバッチリ見られ、死傷事件にまでなりかけた。 だが、そこをユフィが助けたのだ。 まぁ同族のよしみで…とのことだが、彼女はユフィよりちゃんと幼少期、忍の修行を積んでいた。 その技術と肝っ玉の太さ、更には『裏世界』に少し詳しくなったということで功を奏し、WROに入隊したのだという。 まぁ、若干不安が残る新米隊員だが、そこはバッチリユフィが金の持ち出しや行方くらましは防ぐ予定だ。 「世の中……色んな人がいるもんだ…」 しみじみとそう言ったクラウドに、ティファは吹き出した。 「笑うなよ…」 拗ねた顔をするクラウドに、ティファの笑いが段々大きくなる。 「笑うな!」 顔を真っ赤にしながらクラウドはティファの両頬を包むと…。 そっと…。 彼女に心を込めて口付けを贈った。 目を丸くしていたティファも、嬉しそうに目を閉じる。 ― 「俺は、ティファだから愛している。気が付いたら…もうティファしか見えてなかった。その彼女が俺を見てくれている。だから、他の女がどうとか、そういうことは考えられないし、必要ない」 ― 本当に嬉しいプレゼントをユフィからもらってしまった。 また、今度お店に来た時はユフィの好きなものを沢山作らなくっちゃvv 幸福感一杯に包まれたティファは、そんな事を思いながら、そのままクラウドの胸に閉じ込められて…幸せを噛み締めた。 本日の一番の功労者。 ユフィ・キサラギ ユフィの後輩のちょっと困った『悪女癖の抜けない』女…。 本日一番の被害者。 クラウド・ストライフ 本日一番幸福だった者。 ティファ・ロックハート あとがき なぜか、急に湧き上がった話しです。 おおう…どうして???(自分でも分からん…) 少しでも楽しんでいただければ嬉しいです♪ |