皆の喜ぶ顔と、楽しそうな声。旅の時よりちょっとだけ、遠い。
 ライフストリームから見える景色、とっても嬉しかった。
 漸く、クラウドも吹っ切ってくれたね。漸く、全部受け入れられた、ね。
 ほんとはね、好きだった――ううん、好きになってきてた。
 ザックスの時と同じ、ちょっといいなって、思ってた。今、皆の前にいる本当のクラウドのこと、薄々分かってた。
 最初は、似てるっていうだけだったのに、一緒に居る内に少しずつ、ほんとに少しずつ、いいなって思うようになってたの。

 今となってはもう、昔の話、なんだけどね。

 子犬のザックス。
 私の、初恋の人。ライフストリームに還って、漸く逢えた人。
 死んじゃってたんだって吃驚した私に掛けられた、一番最初の言葉は――俺に惚れ直してみない?
 思わず笑っちゃうぐらい、変わってなくて。
 おまけに、告白されちゃって。吃驚して「考えさせて、ね?」って言ったら、がっくり肩、落としちゃって。
 死んじゃって直ぐは、クラウドのこと、頭から離れなくて、辛かった。
 けど、ゆっくりゆっくり、ザックスと過ごしてく内、少しずつ昔、思い出してきて、ね。

「なぁ、エアリス?折角クリスマスなんだから俺にも構ってくれよ…」
「どうしよっかなー。クラウドたち見てる方が、面白そうなんだけどなー?」
「そ、そう言わずにさぁ」

 懇願するみたいに、見詰めてくる目。私、この目に凄く弱い。
 何でも「しょうがないな」って、思っちゃうの。
 同い年なのに、お姉ちゃんかお母さん、みたいな気分。
 可笑しいね。
 だから、意地悪はもう、やめてあげる。
 だって今日は、聖夜だもん。ザックス、からかいたかっただけで、私も一緒に過ごしたかったもん。
 クラウドたち、見てる方が楽しいなんて嘘。
 ほんとはザックスといる方が、ずっと楽しい。
 皆を見てるとちょっとだけ、胸が痛くなっちゃうから。

「しょうがありませんねー、ザックスは」

 からかった調子で言ったら、ザックスは面白くなさそうな顔で、でも嬉しそうに私の方を見た。
 可愛いな、って、思っちゃう。
 此処にはあの旅の仲間もいないし、美味しい手料理もない。
 ムードを盛り上げるようなワインだってないし、雪も降らない。
 気の利いた言葉も言えないし言われない。
 只、何時もと同じ、何とも言えない緑の世界、広がってるだけ。
 無限の意識と、大いなる星の命。其れだけ。

「雪降らねぇかな。ホワイトクリスマスってミッドガルじゃなかったもんな」
「此処じゃ無理、でしょ?アイシクルロッジ、覗く?」

 そう言えば、ザックスは首を横に振る。

「今日は二人っきりでこうやって過ごしてぇ」なんて言って、無邪気に後ろから抱きしめてくる。

 ちょっと恥ずかしかったけど、ザックスはきっと、この手を振り解こうとすれば、簡単に離してくれるんだろうけど、そんなこと、する気もない。
 だから、其の腕をぎゅっと掴んでみた。
 顔が熱いの、良く分かる。そうしてる内に、ザックスの声が耳元に聞こえて、私は更に赤くなってしまった。


「メリークリスマス、エアリス。俺、やっぱお前のこと手放せない」

In the LifeStream
(Merry Chiristmas!)


こんなのをフリー配布して良いのだろうかと思いつつフリー。いらっしゃる方も少ないときしかこんな思い切った行動は出来ない。
一応配布期間は2010/12/24〜2010/12/31。ニューイヤー小説はリクエストがあれば、通常リクと同じようにカウントさせて頂きますのでメルフォor拍手にて。
レイアウトは外部CSS使用ですので、変えてしまってもソースコピペでもOKです。このように未熟な文章でよければ、どうぞ貰っていって下さいませ。



 感想

 というわけで、ガッツリもらっちゃいました!!(鼻息荒!!)
 なんなんすか、この可愛さ100倍のザクエアはー!!+。:.゜ヽ(*´∀`)ノ゜.:。+
 もう、ガンガンにテンション上がりましたが!?
 クラティも素敵ですけど、やっぱりザクエアも素敵過ぎるカプだー!!
 はぁはぁですよ、はぁはぁ!!(← この変態め!!)
 こんな心ホッコリしてしまうザクエアをもっともっと堪能したかった…o(;△;)o

 神羅めー!!!(怒)

 本当に、この組織のためにどれだけの尊いカップル達が悲しみの涙を流したか!(← こら、カップルだけじゃないから!)

 はい、もうすいません、魔織さん!!
 素敵過ぎるお話しだったので、宣言どおりゲットしちゃいました!
 本当にありがとうございます〜♪

 これからも素敵なお話しを楽しみにしていますね☆
 魔織さんの素敵サイト様はこちらからどうぞ♪

 心からの感謝をこめながら…vv