目の前で火がはぜる。
 轟々と音を立てながら、紅蓮の炎が無情に家屋を嘗め尽くそうとしていた。
 家屋の持ち主の叫び声が絶え間なく上がる。

「子供がいるんです!!」
「離して、離して!あの子を助けてー、誰か、誰か!!」
「あぁ!ワシらの家が、ワシの…ワシの半生が…!」

 既に何十人もの人間がその家屋を取り巻いていた。
 何か出来る事は無いか…と。
 だが、轟々と燃え上がる炎を前に、誰も近づくことすら出来ない。
 消防車が既に3台出動して、鎮火作業にあたっている。
 だが…。

 大きな音を立てて家が崩れる。
 主柱がとうとう炎に負けたのだ。
 木製の屋根と土壁が崩れ、立派に建っていた名残の一片すらも残さずに家主達の目の前で屈する…。

 消防士達の危険を知らせる怒号と、人々の悲鳴。
 家主達の叫びが黒い煙と共に空に上った…。





目を逸らすことなく…。







 クラウドがその小さな村を訪れたのは、例の如く配達の仕事のためだった。
 世界をまたにかけるストライフ・デリバリーサービスは、その人気を不動のものとしている。
 目下、休日らしい休日は中々取れない状況だった。

「 …… 」

 無事に領収書にサインをもらい、軽く頭を下げて受取人に背を向けたクラウドは、黒い服を着た集団が陰鬱な表情で小さな建物に向かっているのに気づいた。

「あぁ…あれはねぇ…」

 クラウドの視線に気付いた配達の依頼先だった中年の女性は、辛そうに口を開いた。

「一昨日のことだよ…、あそこの丘に焼けた家があるだろう?まだ三歳の子供が焼け死んじまってねぇ…」

 クラウドは軽く息を止めた。
 そっと女性が指差す方を見て、まだ集団に視線を戻す。
 泣きながら肩を抱かれている女性達。
 ハンカチで顔を覆っている老女達。
 そして…。

「あそこはさ、教会の代わりなのさ。この村には教会がまだないからね…」
「…そう……ですか…」

 元々口下手で無口な性質であるクラウドは、なんとかその一言だけを口にした。
 中年女性がエプロンの端を持ち上げて目頭に押し当てる。

「私も本当はお葬式に出たいんだけどねぇ。あの一家のたっての希望で、親族だけ…ってことになったのさ」
 だから、あそこに集まった人達は皆、火事の被害者の親族達なんだよ…。

 クラウドは止めていた息をそっと吐き出すと、女性に向き直って改めて一礼した。
 先程よりも頭を深く下げる…。


 フェンリルは、教会の代わりとされている小屋に少し近いところへ停めていた。
 巨木が堂々と枝を空に伸ばしていたので、なんとなくそこに停めてみたのだ。
 そのことをクラウドは後悔した。
 自然とクラウドへ村人達が視線を向ける。
 金髪・碧眼でかなりな美男子とくれば、人目を惹かずにはいられない。
 その上、今日は間の悪いことに『葬式』を行うのだ。
 村中の関心が、自分達の参列出来ない『葬式』に向かっているのに、その近くに現れた『よそ者』が目立たないはずがない。
 クラウドは内心で溜め息を吐きながら、巨大な愛車のキーを取り出した。
 エンジンをかけようとして……手を止める。
 流石にこのような場所で、このような時に愛車の爆音を立てるには忍びない…というか、常識人なら誰でも出来ないだろう…。

 クラウドはキーをポケットにしまいなおすと、改めて愛車のハンドルを握った。
 村の外まで押して出るつもりだった。
 巨大なバイクを青年が押す姿は、これまた人の注目を集めずにはいられない。
 自然、クラウドは村人達の奇異な視線を一身に集める事となった。

『…村を出るまでだ……』

 自分に言い聞かせながら愛車を押す。
 気持ちは逸るが、バタバタと押して進むわけには行かない。
 何となく…、それは『葬式』を行う『喪主』の方々に失礼だと感じられた。
 出来る限りの早足でその場を後にしようとして…。



「あの…すいません」



 急に服の裾を引っ張られながら背後から呼び止められた。
 ギョッとして振り向くと、黒いワンピースを着たまだ小さい女の子がジッとクラウドを見上げていた。
 年の頃はデンゼルよりも5歳くらい上だろうか…?
 戸惑うクラウドの視界に、少女の背後から両親と思しき男女が血相を変えて駆けて来るのが見えた。


 *


「本当に申し訳ありません」
「本当に……ありがとう…ございます……」

 父親はグッと涙を堪え、母親は泣きじゃくりながらそれぞれ献花したクラウドに礼を述べた。

「いえ…とんでもない…」

 クラウドは内心、拙い一言しか出てこない自分に臍を噛みながら精一杯の気持ちを込めて深く頭を下げた。
 両親の隣では、クラウドを引き止めた少女が立っている。
 両親と違い、真っ直ぐクラウドを見つめて凛と立つ少女を、クラウドは視界の端に映しながら感心しきりだった…。

「クラウドさん、本当にありがとうございました」
「いや…良いんだ…これくらい…」

 しっかりと立ち、クラウドへ深く頭を下げた少女にクラウドも一礼でもって返す。
 老夫婦が棺の前で涙をこぼしながら、それでもクラウドに精一杯頭を下げていた。

「弟は……WROの広報誌に載っているクラウドさんを見るのが大好きでした。小さいなりに、憧れてました」

 クラウドは、少女が両親に代わって感謝の言葉を述べた姿と、まだ幼い小さな命が星に還ってしまったこと、そしてその小さな命が、幼いながらも自分を『憧れ』と慕ってくれていたこと…。
 両親の心の傷の大きさに打ちのめされながら、

「………ありがとう」

 なんとも陳腐な一言しか出てこない自分に心底嫌気が差す。
 少女はギュッと引き結んだ唇を数回震わせたが、最後まで涙は見せなかった。
 真っ直ぐにクラウドを見つめ、漆黒の瞳を揺らめかせながらも最後までその目を逸らさなかった。


 結局、そのままの流れで村はずれの火葬場まで同行することとなった。
 少年の棺には、親族が持ち寄った写真や子供用の服、そしておもちゃが寒々しく収められた。
 少年の亡骸は、WROが発行した広報誌を胸に抱くようにしている…との説明を受けた。
 当然だが、焼死体のために誰も棺の中を見てはいない。
 両親は焼け焦げた家屋から変わり果てた少年の亡骸を一瞬見たきり…とのことだった。
 少女は「自分は結局見ていない…」と、震えないように気を張り詰めた声でそう語った。

 村を小さな棺が横切る時、村の人達が目頭を押さえ、時折鼻を啜りながら見送った…。
 まだ出来たばかりの…新しい村での最初の悲劇だという……。

 クラウドは葬儀に付き合いながら、気丈な少女とその両親、祖父母の心痛の重さ、大きさを慮って胸が痛かった…。
 もしも…。
 もしも、目の前でセブンスヘブンが逆巻く炎に包まれていて、中にデンゼルやマリンが取り残されていたら?
 消防士が制止したとしても、振り切って飛び込むことは間違いない。
 その結果、諸共に星に還ってしまって、ティファ一人を残すことになったら…どうなるだろう…?
 あるいはその逆は?
 一人残されて正気を保てるだろうか…?

 否。

 そんなこと、不可能だと分かりきっている。
 幼い我が子を亡くした両親にとって、せめてもの慰めは、このしっかりした少女が傍にいてくれることだろう。
 彼女自身、両親と祖父母が健在であることがこの先、大きな支えになることは間違いない。

 吸い込まれそうな青空に、煙が昇っていくのをクラウドはぼんやりと眺めていた。


「クラウドさん…本当に…こんなところまで……お付き合い……」
 して下さってありがとうございました。


 きっと、そう言いたかったに違いない。
 涙で最後まで言うことが出来なかった父親に、クラウドはゆっくりと首を振り、一言も発しなかった。
 真摯な態度だけで、充分伝わったようだ。
 両親と祖父母、更には遠方から集まった親族は感謝の言葉と深い一礼でクラウドに返した。


 そうして。
 クラウドは重苦しい気持ちのまま村に戻り、愛車に手を伸ばして……止めた。

「…なに…?」

 ゆっくりと振り返る。
 そこには、意を決した表情で少女が立っていた。
 瞳は爛々と輝き、真一文字に引き結ばれた唇は、何か重大なことを告げようという意志の現われに見えた。

 やがて少女はゆっくりと深呼吸をして…。



「クラウドさん、どうか私のわがままを聞いて下さい」



 ギュッと固く握られた小さな拳。
 クラウドは少女へ向き直って、

「…俺に出来る事なら」

 頷いた。


 *


 巨大なバイクが村から遠ざかる。
 そのエンジン音は、急速に小さくなっていった。

「本当に…良い人だったわね…」

 ハンカチで目元を強く押さえながら母親が言った。

「あぁ…本当に、彼は真の英雄だ…」

 父親もまた、妻の肩を抱きながら声をくぐもらせた。

 まだ可愛い盛りの息子を目の前で亡くした事実は、両親にとっても、祖父母、親族にとっても重く、大き過ぎた。
 今は喪ったことに対する衝撃の方が大きい。
 時が経つにつれ、心の傷は別の意味で深く、辛く、皆の心を痛めつけることだろう。

「さ……帰ろう…」

 親族が両親を真新しい墓の前から村へとそっと促した。
 力なく、両親は何度も頷きつつ、親族達に守られるようにして村へと戻り始める。
 何度も途中で振り返っては、亡き息子を思って足を止めかけた。
 ほんの少しの間、いなくなっていた少女は、誰に気取られることもなく参列者の中に戻っていた。
 少女は両親と手を繋ぎながら、同じ様に何度も振り返り、唇を引き結んで決して泣くまい…と気丈に振舞った。

 村では、息子ばかりでなく『居』をなくしてしまった一家のために、建ったばかりの家屋が用意されていた。
 本来ならば、明後日、新しい『村人』が越してくる予定だったのだが、村の代表者達の計らいで一家のために提供されることになっていた。
 勿論、『村人になる予定』だった家族には、きちんと説明をしている。
 むしろ、一家の境遇を知ったその家族から、強い希望があった。

 ― 『自分達はまだ引っ越さなくても大丈夫だから、新しい家が建った頃に日延べしても構わない』 ―

 温かな人達に見守られながら、一家は新しく宛がわれたその家屋に親族達と入っていった。


 その夜。


 宵闇に紛れて動く人影があった。
 星明りは薄い雲に覆われており、明りは朧気(おぼろげ)に光っている月だけ…。
 既に村の灯は落ちている。
 出来たばかりの村に住む人達は、早寝早起きの生活をしていた。
 まだ村に満足行くだけの電気量がないことと、ランプなどの油を使用した灯りも不足しがちだったのが、大きな理由だった。

 その真っ暗な夜を、ゴソゴソと手探りで動くその人影は、慎重に…慎重に一歩一歩を踏み出している。
 いや、一歩一歩ごとになにかをしているのだ。
 その為に、慎重にならざるを得ない足の運びになっている。

 どこか遠くでモンスターの遠吠えが聞え、その人影はビクッ!と身を竦めた。
 薄い雲がたなびく隙間から、月光が弱々しくその人影を照らす。
 その弱い月明かりさえも、その人影は恐れているかのように、腕を上げて自分の顔を隠し、また作業に没頭した。
 シーン…と静まり返った村の中、たった一人でゴソゴソと作業するのは、なんとも心細いものがあるようで、草や木々の葉が風に揺れる音にも敏感に人影は反応した。

 トプトプトプ…。

 液体が容器から注がれる音。
 人影は、ようやくその家屋を一周し終えると、モゾモゾと分厚いダウンジャケットのポケットから小さな物体を取り出した。
 月明かりに、その人影が唇の両端を吊り上げて笑ったのが見える。









「何をしている」
「 ヒッ!! 」

 心臓が縮み上がるほどの、強いショック。
 一瞬、息が止まり脈までもが止まる。
 そして、次の瞬間、その人物の全身から汗が滝のように吹き出して来た。
 恐る恐る、振り返る。

 月明かりを受けて立っているのは…。


「……クラウド・ストライフ…!?」
「あんた……だったのか、今回の放火犯は」

 決して大きくないクラウドの声音は、心の底から震えが来るほどの怒りが込められていた。
 背筋をゾクッと悪寒が走り、膝が笑う。
 ゆっくりと自分に近付くクラウドに、配達先の受取人だった中年の女が後ずさった。
 いや、後ずさろうとして……それが出来なかった。
 背中は家屋の壁に阻まれている。
 今、まさに放火しようとしていたその家屋が、女の退路を阻んでいた。

 ゆっくりと近付くクラウドからは、目に見えない巨大な力を感じさせられるほどの気迫があり、いかに戦いに関してはとんと素人の女でも、自分が目をつけられてはいけない人間に見つかってしまったことを悟らずにはいられなかった。

「ちょ、ちょっと待っとくれ…ああ、あたしの話も、聞いちゃくれないかい…?」

 上ずった耳障りな声。
 クラウドの眉間のしわが深くなる。

「聞く気は無い」
「いや、そんなことは言わないでさ、あたしにもあたしの事情があるのさ…!」
「興味ないね」

 必死に会話での突破口を見つけようと足掻く女に、クラウドは跳ね付ける。
 昼間。
 両親の、祖父母の、親族達の大き過ぎる悲しみ、深過ぎる痛みがクラウドの脳裏を駆け巡った。

 真っ青な顔をして、自分の命を守ろうとする殺人者に腸が煮えくり返りそうな猛烈な怒りを感じる。


「あんたの事情なんか知ったことじゃない。あんたのせいで、まだ小さい……本当に小さい子供が死んだんだ!」


 静まり返っていた夜の村に、クラウドの怒声が響き渡った。
 ザワザワ…と空気が動く。
 クラウドの怒声で、村人が起きたのだろう。
 女は真っ青になった。
 クラウドだけでもとんでもない相手なのに、この上、村人に見つかってしまっては、自分の悪事がバレてしまう。
 そうなったら…折角見つけた『隠れ蓑』を失ってしまう。

 ギョロギョロと、激しく動く女の眼球がある一点に固定され、ギョッと見開かれた。

 そこには、幼い弟を亡くした少女が立っていた。
 その後ろには、彼女の親族達…。

「お前が…!」
「まさか……そんな!」

 父親は息子を殺した犯人に向かって怒りを表し、母親は、信じられない…と驚愕の表情を浮かべている。
 その背後の親族達は、手に手に、箒やフライパン、麺棒などを持ち、この人殺しをどう成敗してくれようか、と怒りに目を燃やしていた。
 夜中の喧騒に睡眠を邪魔された村人達は、窓からもう既に村を出たはずの英雄が誰かと対峙しているのにビックリして慌てて起き出し、ぞくぞくと集まってきている。
 クラウドはチラリ…と少女を見た。
 少女は、感謝の目でクラウドを見た。
 深く一礼する。
 クラウドは頷いた。

「さぁ、大人しく警察に行ってもらおうか、それとも…」

 クラウドの最終警告は、唐突に終った。
 女が狂ったようなけたたましい笑い声を上げたのだ。
 皆がギョッとして見守る。
 ひとしきり笑った後。
 女は目を虚ろにさせ顔を引き攣らせたまま笑い、『それ』を握り締めている手を高々と上げた。

「もうお終い、なにもかももう…全部おじゃんよ!くそ、くそっ!忌々しいクソガキめ!!」

 女の手の中で火が点く。
 それを女は足元に落とした。

 女が家屋の周りに巻いていた『ガソリン』の上に…。
 女の行動を見ていた村人達が驚愕で目を見開き…。



 ズダンッ!キンッ!!



 神速一閃。
 クラウドの素晴らしい跳躍と判断力、瞬発力を村人達は全員見た。
 ジッポライターを宙で一刀両断にし、その時の風圧で火を消したクラウドは、そのまま女を壁に荒々しく押し付けると、首元にバスターソードを押し当てた。


「殺すぞ」


 ギラギラと怒りに燃える魔晄の瞳に、女は逃亡も、無理心中も諦めた。


 *


「そう……クラウド、辛かったね」

 ティファはキツイ酒をチビリチビリとやりながら、今回の配達で遭遇した事件について語るクラウドを、思わずギュッと抱きしめた。
 クラウドは黙ってグラスから手を離し、そっとティファの背に両手を回す。
 ティファの首元に鼻筋を押し付け、深い溜め息を吐いた。

「あの女の子は、犯人が『麻薬』の密売をしているところを偶然見てしまったんだ」

 クラウドはティファの肩口に頬を押し付けるようにして目を閉じた。


―『クラウドさん…本当にありがとうございました』―
―『いや…良いんだ、これくらい…』―
―『……でも…』―
―『………?』―
―『もっと…早くクラウドさんが…来てくれてたら…』―
―『…!……ごめん』―
―『…そんな、私の方こそごめんなさい。全部、私が悪いのに…』―
―『そんなことない。キミは悪くない。悪いのはあの女だ』―
―『……あの人、私が家にいると思い込んで火をつけたんです。本当なら…弟は死ぬ必要なかったのに…!』―
―『いや…そんなことない。そもそも、一番最初にきちんと警察に届けていたじゃないか。キミの弟はあの女がその罪を負うべきだ。だが、今回の殺人事件の責任は、キミの話を信じなかった警察にある』−

―『だから……もう泣いても…いいよ…』―

 葬儀の間、決して泣かなかった少女は、この時初めて…。
 クラウドの胸に顔を押し付けて……泣いた……。


「とても…気丈な子だったよ。あの後もさ、笑って頭を下げてくれたんだ」
「そう……」

 居た堪れなくて、ティファは更にクラウドを抱きしめた。
 クラウドは愛しい人に癒されるのを感じながら、頭は少女のことで一杯だった。

 親族だけの葬儀にするよう両親を説得した時、どれだけ『犯人』を両親に打ち明けたかったことだろう…。
 だが、犯人の『外面(そとづら)』をすっかり本物と信じ込んでいた両親には、絶対にそのような理由では受け入れられない…と彼女は悟っていた。
 だから、『弟は親戚の人達だけの静かなお葬式を望むはず』との主張を曲げなかった。

 どうしても、犯人の女が葬式に『善良な村人の一人』として参列することは許せなかった…。

 そう語った少女の泣き笑いの顔を思い出す…。
 クラウドはそっと胸の中で呟いた。

『大丈夫…ライフストリームには頼もしいアイツ等がいるから、弟は大丈夫、寂しくはない』
『だからどうか…』
『これからは、弟の分までご両親とおじいさん、おばあさんと一緒に…幸せになれ』


 平和な世などありはしない。
 人間が生きている間は…。

 きっと、これからもこういう辛いこと、悲しい事件はあるだろう。
 だが…。

 決して目を逸らすことなく、凛として立っていたい…とクラウドは思った。
 最後の最後まで、凛とした眼差しで、目を逸らすことなく弟の死の真相に向かい合ったあの少女のように…。



 どうか、すべての魂に安らぎが……せめて今夜だけでも…。



 あとがき

 生きていくうちに感じる多くの『悲しみ』『苦しみ』『悩み』。
 それから一回逃げると、どんどん逃げるしかダメになることってないですか?(マナフィッシュはあります。あの時も辛かったな)

 クラウド達もきっと、作中の少女のように逃げないで…目を逸らせることなく凛と立っていてくれると信じて…。