そっと視線を流せば、少し離れたところで一生懸命働いている子供達。
 更に視線を流せば、酒に酔ったのか……、それとも『彼女』に酔っているのか、薄っすらと顔を赤らめて上機嫌にグラスやジョッキを傾けている男達。

 ……仕事で疲れて帰って来た上に、あまり気分の良い光景でない店内のその様子…。
 俺の気持ちは一気に急降下した。




もっともっと…。





「クラウド、ほらそんな所に立ってないで早く座れよ!」
「そうだよクラウド!早く早く!」

 ニコニコと笑いながら駆け寄ってくる子供達に、ハッと我に返って取り繕うように笑って見せる。
 なにか言いたげに二人が少し表情を翳らせ、前々から俺のことが気に入らない客達が意味ありげにニヤッと笑ったのが視界の端に映る。
 なんともはや……その客達にも俺自身にも腹が立つやら情けないやらで、溜め息が出そうになった。

 ……上手く笑えていないのは重々承知だ。
 俺は昔からこう、笑ったり、喜んだり…、そういう『陽』の表情を表すのが苦手なんだ。
 仕方ないだろ?

 ついつい弱音が口から出てしまいそうになる。
 それを察している……わけではないだろうが、デンゼルとマリンがガシッ!と俺の両手を掴むと、
「「 は〜や〜く〜!! 」」
 力と声を合わせてグイグイ引っ張った。
 俺の指定席であるカウンターのスツールへ。

 そんな俺達を微笑みながら見つめている客もいれば、先ほど意味ありげに笑った客などは嘲った顔をして見つめてくる。


 ……超究武神破斬……くらわしてもいいか…?


 チラリと凶暴な感情が胸を過ぎる。
 でもそれは本当に一瞬だけ。


「クラウド、髪の毛ちゃんと乾かさないとダメじゃない」

 鈴を転がしたような…彼女の声にスッと怒りがあっという間に氷解する。
 カウンターの中で、穏やかな微笑を浮かべているティファの茶色い瞳は、今、この瞬間は俺だけしか見ていない。
 両手を握っている子供達ですら…見ていない。
 それだけでこう…、満ち足りた気分になれるんだから、我ながら本当に単純だよな…。

「自然に乾くから良い」
「もう、そんな小さい子供みたいなこと言って」

 唇を若干尖らせて見せる彼女が眩しい。

「へへっ。クラウド、怒られてるし〜」
「クラウド、ティファの言う通りだよ。クラウドがちゃんとしないと、デンゼルったら全部真似っこしちゃうんだから、ちゃんと乾かすようにしてくれないと」
「マリン、余計な事言うなよ!」
「余計なことじゃないもん。デンゼルって意外と風邪引きやすいんだから、ちゃんと髪の毛乾かさないとまた風邪引いちゃうんだから!そうなったら、ティファがまた心配しちゃうんだから、ちゃんとしないとダメなの!!」
「う…………」
「分かった、デンゼル!?」
「……なんで俺が怒られるんだよ…」
「デンゼル!」
「………はい」

 二人の掛け合いに思わず拍手をしそうになる。
 なんとも仲の良い、息ピッタリな二人だろう…。
 これで血が繋がってないんだから本当に不思議だ。

 などと感心していると、
「クラウド!分かった〜?」
 矛先が再び俺に回ってきた。

「分かった、今度から気をつける」
「もう、今度じゃなくて今気をつけてよ〜!」

 む〜っ!と、頬を膨らませるマリンに、苦笑を浮かべると「腹が減ったんだ」と軽く腹部を叩いてみせる。
 途端、可愛い眉毛が困ったように八の字になる。
 そして、
「もう、じゃあ明日からは気をつけてね」
 渋々を装いながらも、いそいそとカウンターに回り込むマリンの小さな背中を見送る。
 クスクスとティファの笑い声が耳に心地良く聞こえてきて顔を向けると、彼女は幸せ一杯だと言わんばかりの顔をしてグラスを差し出してきた。
 俺の好きな濃い目の酒。
 グラスを受け取った時、ほんの少しだけ指先が彼女の手に触れた。
 それだけで、ドクリ…、と心臓が強く脈打つ。
 ティファの頬にほんのりと朱が差したように見えたのは…意識し過ぎだろうか…。

「チッ…」

 夢見心地なその気分も、背後から僅かに聞こえた舌打ちにあっという間に不快なものに摩り替わる。
 ティファには聞えなかったらしいことだけがせめてもの救いだ。

「はい、クラウド。これ、デンゼルと私が作ったんだよ」
「ほら、最近家でご飯食べる暇無いだろ?しっかり栄養摂って、倒れないようにしないとな!」

 ニコニコと戻って来た子供達に、胸のうちのドロドロとした不快なものを気取られないよう、無表情を装って、
「へぇ…凄いじゃないか」
 並べられた料理を褒めてみる。
 褒めた時に自然と手が動いて、小さな頭二つをポンポンと叩くと、デンゼルとマリンがパーッと笑顔になった。

 ホッとする。

 デンゼルとマリンの笑顔に、胸のざわつきがスッと消える。
 ついさっき、ティファの笑顔を見て怒りが消えたのと同じ感覚。

 いつの間にか入っていたらしい肩の力がスーッと抜けていく…そんな気分がする。
 実際、本当に肩だけでなく、全身に力が入っていたんだろう。
 ゆったりとした気分が全身を心地良く包み込んでくれる。

「ありがとう、二人共」

 今度はちゃんと笑えたらしい。
 子供達が先ほど見せたのとは全く違う表情で、俺の笑みに答えてくれた。

「じゃあ、俺達仕事に戻るけど…」
「クラウドは絶対に仕事、手伝っちゃダメよ!」
「クラウドはもう充分すぎるほど働いて帰ってきたんだからな!」
「クラウドがセブンスヘブンで働いて良いのは、クラウドのお仕事がお休みで、疲れが溜まってない時だけだからね!」

 これでもか!!と、念押しをしながら、子供達はパタパタと客達のところへ走っていってしまった。
 本当に…良く出来た子供達だ。


 俺には…本当に勿体無いな…。


「俺には本当に勿体無いな」

 ビックリして顔を上げると、悪戯っぽく笑っているティファの茶色い瞳が真っ直ぐ見つめていた。
「クラウド、考えてること、顔に出すぎよ?」
 クスクスッと笑う彼女に、顔が熱くなる。
 絶対に今の俺は、間抜けな顔をしているに違いない。

 なんで……俺が思った事が分かったんだ……!?

「クラウドはすぐに自分を卑下するから」
 そう言って、少し悲しそうに目を細めたティファに、胸がズキリ、と痛んだ。
 でもきっと、俺以上にティファは痛い思いをしているに違いない。
 彼女は…自分の事よりも他人の、家族のことで心を痛めてくれる、そんな優しい、慈愛に満ちた人だから。

「クラウドは想われて当然なんだよ?だから、卑下したり必要以上に『俺には勿体無い』だなんて思わないで」

 押さえられた声は、きっと周りの客達への気遣い。
 いささか重いその内容が聞かれて、不快な思いをしないようにという配慮。
 そして、客達だけでなく、俺への……心配り。
 ティファが俺の事を案じて色々気を使った言動を取ると、彼女の隙を突いて俺の事が気に入らない奴らが嫌味を言ってくる。
 それを…彼女は気付いているんだ。


 …言っておくが、俺からそんな事、ティファに告げたことは無いからな…。


「…ん…。すまない」
「ほら、また謝る」

 精一杯の感謝の気持ちを言葉にしようとしたけど、結局出てきたのは陳腐で飾り気のないもの。
 そして、その一言でティファの表情がまたもや曇る。


「ヘッ!」


 また…。
 背後から誰かが嘲った。
 きっと、意識を集中させたら誰が俺に対して悪意を持っているのか、嘲りを込めて見つめているのか分かるだろう。
 だが、それが誰かを突き止めても…仕方ない気がする。
 俺は、その客、いや、客達に馬鹿にされるような…、嫉妬されるような存在なのだから。

 彼らの中でも、俺の中でも、数ヶ月前に家族を捨てたという記憶が生々しく残っているのだから。
 この記憶は、たとえティファや子供達が忘れたとしても、俺は絶対に忘れないし、過去の出来事には出来ない。
 過去にしては…いけないと思う。
 俺が犯してしまった罪は、それくらい重いものだ。
 そして、その過去の過ちは、ティファに想いを寄せている多くの男達の心に余計な火をつけた。


 俺がいなくなったんだから、彼女の支えになれるかもしれない!


 そう思ったとしても、無理はないだろう。
 そして、その淡い期待が叶わなかったことに落胆したはずだ。
 叶わなかった理由が、自分勝手に出て行った俺があっさりと帰って来たことなのだから。
 もしも俺が土下座でもなんでもして、ティファと子供達に許しを請うて戻って来たのなら、幾分か彼らの気持ちも慰められたのかもしれない。
 だが、そうではなかった。
 ティファも子供達も当然のように……、両腕を広げて迎えてくれた。
 帰る事を躊躇う俺を……包み込んでくれた。
 俺からは何もしていない。
 勿論、家出をしたことは謝った。
 だけど、それは家族と仲間達の前でだけ。
 他の誰も見ていない。
 だから、なんの努力もしないでてめぇ勝手に捨てた家族の元にあっさり舞い戻った俺が許せないんだろうな。
 そして、俺が戻ってきてからティファが明るくなった…とマリンが教えてくれたから、俺に対して言い知れないほど激しく嫉妬しているんだろう。

 それでもさ。
 誰がなんと言おうと…。


「クラウド」
「ん?」
「お疲れ様」
「……ああ」


 極上の笑みを浮かべて疲れた心までも丸ごと受け入れてくれる彼女を、もうどうやったって手放せない。
 彼女が……誰よりも愛しいから。
 愛してるから。
 心を奪われてしまって、どうしようもないから…。


 なんてこと……恥ずかしくて絶対に言えないけど…。
 それでもさ、これが本心なんだ。
 明けても暮れても、ティファの事で頭が一杯なんだ。

 今は何をしてるだろう?
 今はきっと、店の仕込だろうな…。
 セブンスヘブンでたちの悪い客が来てないだろうか?困っていないだろうか?
 誰か……男が言い寄ってないだろうな……?

 もう、子供達を寝かせたかな?
 もうすぐ店じまいだろうな。
 ……せめて彼女が起きてる時間に……帰りたい。


 ほらな。
 俺の頭はティファで一杯で、子供達で一杯で…。
 もうどうしようもないんだ。
 本当は、すごく恥ずかしいんだけど…。

 このティファを狙っている客達の目の前でキスをしたい。
 俺のだって…、見せびらかせたいんだ。
 でも、ティファは絶対に恥ずかしがるし、極々一部の客は彼女の恥ずかしがる姿を見るのが好きらしいので、絶対にそんなことはしないけど。
 それでも、ティファのことを自分のものにしたい、と強く思っている奴らには牽制の意味でも、見せびらかす為にも…、今、この場で彼女にキスをしたい。

 まぁ。
 それ以前に、俺が恥ずかしくて絶対に出来ないんだけど…。


「クラウド…大丈夫?」
「え………、てっ!?」

 ぼんやりとアホなことを考えていると、カウンターから身を乗り出して、ティファが心配そうに至近距離から見つめていた。
 吸い込まれそうな…真摯な瞳。
 クラリ…と、思考がティファに奪われそうになる。

「だ、いじょう、ぶ…」

 大部分の理性は吹っ飛んだが、それでも残った僅かの理性を振る活動させて、なんとかその言葉だけを搾り出す。

「本当に…?」
「ああ…すまない、ちょっと考え事を…」

 しどろもどろ、視線を逸らして答える。
 …ダメだ。
 後ろめたい気持ちで一杯だ。
 とんでもないことを考えていたから、まともにティファの顔が見られない。
 いやもう…本当に俺はアホだ…。

「クラウド…」

 トーンの下がった…気落ちした彼女の声に、思わず視線だけを戻すと…。
「ティファ…その本当に何でもないから」
 なんとも沈み込んだ彼女の顔。
 絶対になにかよからぬ想像をして落ち込んでるに決まってる。
 そう…分かってるのに…。

「本当になんでもない。ちょっと疲れてボーっとしただけだから…」
「……そう…?」

 悲しげに覗き込む彼女には全然説得力がない。
 ……本当に……俺にもザックスみたいな弁舌力があれば…。


「ティファちゃ〜ん、いつまで旦那専属なわけ〜?」

 冗談交じりの嫌味な声が突如、客達の間から上げられる。
 ハッと顔を上げ、ティファは途端に真っ赤になると、
「ご、ごめんなさい。ご注文ですか!?」
 あたふたとその客へと駆け出した。
 照れ屋な彼女は、可哀想に首筋まで真っ赤になっている。
 そんな反応に、俺もちょっと釣られて赤くなったが、それにしても…。


 ……なんだ…アイツ。


 駆けつけたティファに、必要以上に距離を縮め、メニューをわざわざ自分の方に向けて指を差し、彼女が屈みこまなければ分からないようにしている…その男の視線。
 明らかに…。
 彼女の…胸元に……。


 …今すぐ叩きだしてやりたい…!


 バクバクと心臓がヤバイ速度で脈を打つ。
 ジットリと手の平が汗でぬめり、抑え難い怒りが込上げてきた。

「はい、じゃあオススメ定食お持ちしますね」

 あとほんのすう瞬間、ティファが身体を離さなかったら確実に割り込んで殴りかかってたな…。
 それだけギリギリに追い詰められていた。
 何も知らない彼女は営業スマイルを浮かべながら客に軽く頭を下げ、空いた皿を手早くまとめて狭い店内を縫うように戻って来た。

 カウンターに戻ってすぐに注文の品を作り始める。
 手早く野菜を刻み、肉を切り分け、鍋にダシを入れる。
 その間、他の客から声をかけられてはそれに律儀に答えている。
 どうやら、先ほどのムカツク客がきっかけになって、ティファへ声をかけるタイミングを待っていた奴らが我先に…、とアプローチを始めたらしい。

 ここは……、この店は、客のためのものだからな。
 なんとも複雑な心境を抱えつつ、黙ってそれらを耳にしながら子供達が作ってくれた夕食と、ティファがいれてくれた酒に舌鼓を打った。

 本当に…美味い!
 食べている間に、段々不快感が無くなっていく。
 本当に俺って単純だよな。

 程よく火の通った肉や、絶妙な塩加減の野菜炒め、それにダシの良く効いたスープ。
 これを子供達が作ったというのが…驚きだ。
 おれなんか、どう頑張ったって作れないぞ……?
 本当にいつの間にこんなに大きくなったんだろう。

 感慨深げに働く子供達を見る。
 大人ばかりの客達相手に、堂々と働いている子供達は…心の底から尊敬する。
 俺がまだデンゼルやマリンくらいの頃は、ただやさぐれていたからなぁ…。
 どうしてこうもこの二人はしっかりしてるんだろう。

 ……育て方…?
 いやいや、そんな事言ったら、俺を女手一つで育ててくれた母さんが頼りない母親だったということになるじゃないか。
 やっぱり、持って生まれた素質だよな。
 …そういうことにしてくれ、頼むから。



「じゃあ、ティファちゃん、また来るぜ〜」
「今度はもっと俺達の相手、してくれよなぁ」

 どっぷりと自分の世界に入り込んでいた俺は、男達の嫌味満載のその言葉に我に返った。
 振り向かなくても分かる。
 彼女が困まった顔をしながら笑って頭を下げている姿。
 そして、ムカツクその男達が俺の方を嘲笑で見ていること。

 ことさら振り向かなかったのは、意地でもあるし、目が合ったら合ったでまたもや嫌味の応酬をくらうことになるのが明白だったこと。
 それによって、ティファと子供達が辛い思いをすることが分かりきっていること。
 そして何より…。


 きりがない


 どんな奴が今、俺に対して敵意の眼差しを突き刺しているのか知ったところで、どうしようもない。

 まさか、叩きのめすわけには行かないしな。

 それに、俺を目の仇にしている奴らなんか、この店に来る客達の大半がそうだろうし、彼女がセブンスヘブンの仕入先として懇意にしている店の店員でもそうだろう。
 探せば探すほど、驚くほどそういう『ライバル』は発掘できるはずだ。
 全く気にならないか…と言われれば勿論答えはノーだが、それでも今、店を後にした器の小さい野郎共を相手にする気にはなれない。
 それに、そんな奴らを意識してウジウジどうこう考えるよりも…。


「クラウド…」
「あの…大丈夫?」

 そっと傍らに寄ってきた子供達が、不安そうに見上げてくる。
 可愛い眉を八の字に曲げて、心配そうに…。

 この顔をしてくれるだけで、本当に俺は幸せ者だと思う。
 ここまで心を砕いてくれる子供達がいて、
「クラウド…ごめんなさいね…」
 通り過ぎ様、茶色い瞳を揺らめかせながら小声で謝罪した彼女がいてくれて。


「バカだな、三人とも。俺は大丈夫だ」


 ウソでも取り繕うでもない、本心からの言葉。
 三人の表情がフワッと和らぐ。

 ほらな。
 こうして自分の事のように俺を想ってくれてるからこそ、俺の素っ気無い言葉、素っ気無い態度でも、喜んでくれたり悲しんでくれたりするんだ。
 こんなに出来た彼女と子供達が想ってくれている。
 これ以上の幸せ…他にはちょっと思いつかないな。

 だから。

「すまない、いつも気を使わせて…。でも、ありがとう」

 口下手な俺でも素直に謝罪と感謝の言葉を口に出来る。
 三人が目を丸くして…、次いで花が咲くように笑ってくれた。






「ねぇ、クラウド…」

 子供達が夢の世界に旅立ってからちょっとした時。
 ティファがおずおずと声をかけた。
 目だけで「なんだ?」と訊ねると、ちょっと躊躇ってから伏目がちに口を開く。

「お店で…ちょっとイヤな思いしたでしょ?その時、なんだかボーっとしてたけど…なにかあったの?」

 自分の配慮が足りなかったから俺がイヤな思いをした、そう思ってるんだろうな。
 俺はあの時考えていたバカな妄想を、絶対にティファには話せないと思っていたんだけど…。


「いや。客達の前でティファにキスしたら、ティファに色目つかってる客が減るかなぁ…って…」
「え!?」
「キスして…俺のだって…見せ付けたりしたら……スッとするかなぁ…とか…」
「えぇぇええ!?!?」


 ボンッ!!


 あんまりにも彼女が不安で悲しそうな顔をするから、結局白状することになった。
 顔から火が出るという諺の通り、彼女は真っ赤な顔をして口をパクパクさせて…。
 それがまたとても可愛くて、愛しくて…。


 ククッ、と思わず笑うと真っ赤な顔のまま「も、もう!クラウドのバカ!変態!」と顔を覆ってその場にしゃがみ込んでしまった。
 そんな彼女をそっと抱きしめて、艶やかな髪に頬を埋める。


 あぁ…ダメだ。
 どんどん溺れる。
 これからもきっと、もっともっと彼女に溺れて、呼吸が出来なくなるような気がする。


 なぁ、ティファ?
 ティファもさ、俺にもっともっと頼ってくれないか?
 もっともっと、俺だけに見せてくれる表情をくれないか?

 ティファにだけはとことん貪欲になる俺は、今夜も彼女に夢中になる。


 きっと、これからももっともっと…。



 あとがき

 なんだか久しぶりにクラティ!を書いた気がします…(今までのはなに!?)
 はい、ちょっとヤキモチクラウドです。
 キャラ語りで書くのは難しいです。
 だって、キャラの性格捏造しそうで…(って、今更ですね)。
 クラウドにはティファ、ティファにはクラウドにどんどん底なしに溺れて欲しいと思う私は、もうどっぷりクラティにはまってます(笑)