似た者夫婦と呼ばれる人は世の中にどれほどいるのだろう…? 天然素材100%「なぁ、なんでいつも同じパターンになるんだ?」 「さぁ…やっぱり気づいてないからじゃないの、自分のこと」 カウンターに戻ってきたデンゼルが呆れた声を出し、マリンはそれに対して冷たいとすら取れる冷めた口調で返した。 もう見慣れた…というか、『飽きた』というか…なんと言うか…。 デンゼルとマリンにとってシラ〜〜ッとしたものしか感じない光景が店内で繰り広げられている。 「お客様、あまりお飲みにならないほうが…」 「うっへっへっへ〜、良いんだって〜、ここは〜、お酒を〜、飲むところでしょ〜〜???」 「そうですが、お客様の場合は『飲んでいる』のではなく『飲まれている』…ですよ?」 「おお〜!ティファちゃんはすごいなぁ〜♪料理の腕だけじゃなく、ダジャレの腕まであるとは〜!いよっ!誰か、ティファちゃんに座布団10枚!!」 「バッカじゃねぇの…?」 ハイテンション状態の客をジト目で見ながらデンゼルはボソッと呟いた。 完全にバカにしている…というよりもあきれ返っている。 マリンに関しては、もう完全に視覚、聴覚から締め出しにかかっていた。 無関心を貫き通し、自分の受けた注文であるビールをジョッキに注ぐことに全身系を集中させている。 手馴れたその動きに、カウンターのスツールで飲んでいた別の客が感心して眺めていた。 デンゼルとマリンがテキパキと仕事をこなせる理由。 それは、ティファの指導の賜物であると同じくらいに、ティファが客に捕まって身動きが取れないのをフォローせざるを得ない環境に身をおいているから…なのかもしれない。 最初の頃こそティファが客に絡まれるたびにハラハラしていた2人の子供たちも、、セブンスヘブンがエッジに誕生してから色々と山あり谷ありな仕事模様を経て、今ではすっかり慣れてしまい、『ハラハラ』は『諦め』や『呆れ』に取って代わっている。 ほんの少し前なら、ティファが酔っ払いに変に絡まれている時、デンゼルとマリンはこの場にいないクラウドが早く帰って来てくれないか…と待ち焦がれるような、イジイジするような気持ちになったものだ。 しかし…。 「あ〜…それにしても、クラウドが今日は帰ってこなくて助かったよな…」 「そうだね。本当にクラウドもティファも、成長しないから…」 今ではこんな風に子供たちに言われるようになってしまっている。 子供たち2人の中では、今夜のようにティファが酔っ払いに絡まれているところをクラウドが目撃したら…。 酔っ払いを叩き出す → ティファに怒られる → 落ち込む という図式が出来上がっているらしい。 そして、この図式は悲しいくらいにドンぴしゃりで的中してしまうのだ。 にしても、大人顔負けの台詞を口にする子供たちの成長を、喜ぶべきなのか、それとも、子供たちにこんな台詞を口にさせる親代わりを怒るべきなのか判断に苦しむところではないだろうか…? 「クラウドさんも、デン坊とマリンちゃんにそんな風に言われちゃ、立つ瀬がないよなぁ…」 「あ〜…まぁ、仕方ないんじゃないのか?クラウドさん、戦闘に関しては右に出る奴はいないけど、それ以外はパッとしない…って感じがするし…」 「おいおいおい、それ、クラウドさんに聞かれたら殺されちまうぞ?」 「ははは〜、本人目の前にして言うわけないっつうの」 「だよなぁ〜。一緒にいたってだけで俺たちまでとばっちりくるっつうの!」 「「「 あ〜っはっはっはっはっは 」」」 カウンター席の常連客たちは大口を開けて笑いなら、何故かどことなく寂しいものを感じていたのだった…。 ゆえに、大口開けて豪快に笑っていたそれが段々と尻すぼみになり、なんとなく気まずさを残してシュルルルル〜〜〜……と消えていった。 残されたのは、他の客たちの笑い声。 「「「 …… 」」」 どことなく空虚なものを感じながら、ズズズズズ〜〜……と、ぬるくなった酒を飲む。 そうして、ほんの少し、気まずさを伴った沈黙がカウンター席を中心に流れたりして…。 その間も、ちゃんと子供たちは仕事をして、ティファはようやっと酔っ払い客から逃れていた。 「本当にごめんなさいね、注文の品、今すぐ作りますから」 店全体に聞こえるように声を上げながらキビキビとフライパンを手にしたティファへ、店のあちこちから客たちの歓迎の声が上がった。 カウンター席の客たちは、黙ったままティファの素晴らしい手さばきを見つめつつ、なんとなく再び話し出した。 ちなみに、このカウンター席の客たちはそれぞれ面識はあってないようなものである。 「この前さ…、俺、旦那見たんだよな…」 「…旦那……って、『旦那』か?」 「おうよ、旦那」 「へぇ…、どこで?」 「記念碑の広場で…」 「「 ふ〜〜ん… 」」 この場合、『旦那』とはクラウドのことである。 ティファが目の前にいる手前、店の客たちはいつの間にかクラウドのことを『旦那』と隠語で呼ぶようになっていた。 なにしろ、この店の店主はクラウドの『ク』の字でも聞こえた日には、全身を耳にして聞き耳を立てているのだから。 無論、それがバレないように彼女は振舞っているが、それこそ『ウソがつけない』正直者の彼女の精一杯の『演技』。 バレバレなのだ…。 知らぬは本人ばかりなり…。 というわけで、この客たちも例に洩れずクラウドのことを隠語で呼ぶことが自然と身についていた。 いや、別に聞かれて困るようなことを話すつもりはないのだが、やはり、ティファに直接話をするわけじゃないのにクラウドの名前を口にするのはちょっと……なんとなく……きまずい!! それに、ぶっちゃけ、何がティファの『地雷』にぶち当たるのか分からないというのが一番の原因だ。 自分たちは別に悪気があるわけではないのに、当事者にとっては『意地悪』『悪口』になっていることというのは意外とあったりする。 そのことをしっかり肝に据えている分、彼らの人生経験はクラウドとティファを上回っているわけで…。 とにかく! この客たちは、顔くらいはセブンスヘブンの常連客という『同類』故に知っている程度なのだが、それ以上のつながりはない、という『ほぼ赤の他人』の関係にある。 その『ほぼ赤の他人』が1つの話題を共有出来てしまうという点で、ある意味クラウドとティファはすごい存在ということになるのだが、そのことに本人たちは気づいていない…。 「んで、その広場でさ〜……」 「待った、それ以上言うな…」 言い渋りながら続きを話そうとする男を、カウンター席の1人が遮った。 遮ったほうとは別の客は耳を塞いでいる。 それ以上、この耳に入れてくれるな!という意志が痛いほど伝わってくる…。 遮られた男は、いやそうな顔をするわけでもなく、有る意味『あ〜、やっぱりダメ?話しちゃダメ?』という感じで苦笑した。 「ま、聞きたくないってなら無理にとは言わねぇよ」 そう言われ、カウンターの客は顔を見合わせた。 人間、不思議と『聞かなくてもいいよ』と言われると、聞きたくなかった話のはずなのに聞きたくなってしまうものだ。 男たちは悩んだ。 が、その悩んだ時間はほんの数秒。 「そんな言い方、汚ねぇぞ」 「気になるじゃないか!」 恨めしそうに詰りながらも続きをせがんだ。 言いかけてやめた男は、別に悪気があったわけではなかったので、ちょっぴり申し訳なさそうな顔をしながらジョッキを呷った。 「そのよぉ…、珍しく真昼間から記念碑の広場なんかに色男がいたら目立つだろ?しかも、当の本人はそのことにま〜〜ったく気づいていないときてる」 「「 うんうん 」」 「街の人たちが声をかけたそうに、遠巻きに見ながら歩いてるわけだ」 「あ〜…なんだか分かるなぁ」 「見てなくてもありありとその光景が目に浮かぶぜ…」 「だろ?んでよ、やっぱり旦那は無頓着なんだ。広場のベンチに腰掛けて何か手元を見てるんだよ」 ポツポツ話した男は、ビールを一口すすって口を湿した。 心なしか、これから言うことに気合を入れているようにも見える…。 「そんでな、旦那を昼間に見るのが珍しいから、ついつい俺っちも遠巻きに見てる人たちの輪に入っちまってさ〜…、そのうち、遠巻きに見てる奴の中でもえれ〜別嬪さんが友達と一緒に旦那に近づいたんだ」 「俺は思ったぜ。あの姉ちゃんたちを勇者だってな」 どこか遠い目をして語る男の言葉に、聞いていた2人の中年も遠い目をした。 「あ〜…確かに勇気有る行動だからなぁ…」 「でも、無謀な勇者だな…」 ははははは〜…。 乾いた笑いを洩らしてビールをすする。 3人は同時にため息をついた。 「あ〜、なんか聞かなくてもオチが分かったわ」 「そうか?実は、お前さんたちが想像してるオチって奴は、その姉ちゃんたちが旦那に声をかけるか否か!って時にタイミング良くティファちゃんが登場!!ってやつじゃないのか?」 どことなく悪戯っぽく笑いながらそう言った語り部の男に、聞き役の男2人は軽く意外そうな顔をした。 「違うのか?」 「おうよ。それが違うんだなぁ…。それよりももっと驚くことが起こった…」 「んだよ、焦らすなっつうの」 「あら、楽しそうね」 「「「 !? 」」」 語り部の男が真相を語ろうと口を開いたまさにそのタイミングで、この店の女店主が声をかけた。 3人の尻がスツールから3センチ離れたのをデンゼルとマリンは確かに見た。 ティファは近すぎて逆に見えなかったが、3人の中年が一様に『ギックーーン!!』と引き攣ったのをバッチリ目撃した。 「い、いや、まぁ…その…なんだ…」 「あ〜っと、まぁ、その……ね」 「あぁ、そうなんだ。その…だなぁ〜、あ、あははは、あははははは」 可哀相なくらいに慌てふためく男3人に、ティファは怪訝そうな顔をしたが、何か思い当たることがあったらしい。 ハッとすると、何故か顔を赤らめてそわそわと視線を彷徨わせた。 「え〜〜っと、ごめんなさい。皆さん、いつも別々のテーブルでそれぞれお食事をされているのに話しが盛り上がってるからいつの間に仲良くなったのかしら〜…って思ったの。だからついつい声をかけちゃったんだけど…」 ご、ごめんなさいね? 口元を片手で軽く押さえながら「ホホホ…」と笑ったティファに、3人は逆に首を傾げた。 ティファの態度が分からない。 なんでそんな、そわそわしてる? しかも、何故顔が赤い? ま〜ったく思い当たる節がない3人に、ティファはそそ〜っと傍に寄ると言い難そうに小声で囁いた。 「あの……お酒が入るし、皆さん男性だから『そういう話し』になっても当然だとは思うんですけど、デンゼルとマリンはまだ小さいから、出来ればうちで食事をされるときはその…、『そういう話し』はなしでお願い出来ませんか?」 本当にごめんなさい。 3人は顔を見合わせた。 首を傾げる。 ティファは何を言っているんだろう? さぁ、考えよう! ぽくぽくぽくぽくぽくぽくぽく………チーン! 「「「 ブッ!! 」」」 飛び出た答えに3人は一様に真っ赤になって噴き出した。 いやいやいやいや!! 違うから!! 俺たち、そんな『義務教育が終了していないお子様が触れてはいけないような話し』で盛り上がってたんじゃないから!! 俺(たち)には、ティファちゃんには勝てないかもだけど、愛する奥さんも子供もいるからーー!!!! そう叫びたかったのに、あまりのことに言葉にならない。 あわあわと真っ赤になっている3人に、ティファはほんのり頬を赤らめたまま、 「本当にごめんなさい。お願いしますね?」 そうダメ出しの微笑みを残して仕事へと戻っていった。 3人は真っ赤になったまま、あんぐりと口を開けて放心状態で暫し固まった。 やがて、誰からともなく脱力したままジョッキを空けると、全身でため息をついた。 「「「 …なんでこんなことに… 」」」 奇しくも呟いたタイミングは全く同じ。 これをきっかけに、この3人は『心の友』と呼べるほどの仲になる。 「にしてもなぁ…、ほんっとうに『似た者夫婦』だよなぁ…」 ようやく言葉を発するだけの力を取り戻した語り部がグッタリとぼやいた。 それを耳にして、聞き役の男2人もノロノロと顔を上げた。 「それ、さっきの話の続きか?」 「あぁ…まぁな。んで…、まだ聞きたいか?」 「ここまで聞いたらやっぱり最後までなぁ…。気になるし…」 気になるし…、と言いながら、その口調は『どうでもいいよ、もう…』と言っているようにも聞こえる。 語り部の男は丁度通りかかったデンゼルにビールのお替りを頼むと頬杖をついた。 デンゼルに話しかけた瞬間からティファの視線が何やら痛いのは気のせいだろうか?と思いながら…。 「え〜と、どこまで話したっけか?ああ、そうそう。別嬪さんが旦那に話しかけようと近寄ったところまでだったな」 デンゼルからジョッキを受け取った男の手が微かに震えていたのを聞き役の2人はしっかり見ていたが、見なかったフリをすることに徹した。 ティファの『うちの可愛い子に変なこと聞かせてるんじゃないでしょうね?』という疑惑の視線を痛いほど感じてなお、平常心を保てる一般人がいるならお目にかかりたいものだ。 「まさに別嬪さんが話しかける!って時に、旦那が急に立ち上がったんだ。俺は思ったね。『興味ないね』って言う前に別嬪さんから離れるつもりなんだ!ってさ。ところがどっこい、旦那、いきなり片手を上げたんだ。しかも微笑みつきで」 「「 げっ!マジか!? 」」 「おう!俺も目を疑った。別嬪さん2人のあのときの顔は見ものだったぞ?まさに『至福』って顔でうっとりしてよぉ。自分たちに手を上げてくれたんだって思っても仕方ないくらいのタイミングだったからなぁ…」 「てことは、別に旦那はその姉ちゃんたちに手を上げたわけじゃなかったのか…」 「ま、当然だな」 聞き役2人が妙に納得して頷く。 丁度そのとき、またしても通りかかったマリンを呼び止めて、新しいビールを追加注文した。 …またもやティファの視線が痛い…。 新しいビールを受け取った2人の肩がビクビクッ、と震えていたのを語り部の男は見て見ぬフリをした。 それが、男の友情というものだ…と彼が信じていたのかどうかは分からないが、少なくとも聞き役2人の心境を一番良く理解できるのは彼だろう。 「んでよ、その姉ちゃん2人がうっとりしながら声をかける!って時に、姉ちゃん2人を突き飛ばして旦那に駆け寄った輩(やから)がいたんだ」 「「 ………輩…??? 」」 「おう、野郎だ。そんでなあ、その男がよぉ、もう言わなくても察してると思うんだが、これがまた山男みたいな奴でさぁ。いかつい顔にはビッシリ髭が生えてるわ、腕は普通の男の2本分はあろうかってくらい太いわでよぉ、あまりお近づきになりたくないタイプの男でな…」 語り部の説明に、聞き役の男の1人が、 「あ〜…でもそれってさぁ、バレットっていうもう1人の英雄じゃないのか?」 と当ててみた。 しかし、語り部は重々しい仕草で首を振った。 「バレットなら俺も知識として知ってるが、ありゃ別人だな。大体、バレットが旦那を『恋する瞳』で見つめたりするか?」 「「 ………………え? 」」 「うむ」 「「 ………………えぇええ!? 」」 「しかも、旦那はそのことに全く気づいていなかった」 「「 う、うげ〜〜…… 」」 「まぁ、気づいたとしたら十中八九、あの山男の運命は旦那の剣のサビになること間違いなしだけどよ」 な、聞かなきゃ良かったろ? ずずず〜〜。 ビールをありえない飲み方ですすると、語り部は軽くむせこんだ。 聞き役2人はあまりの気色悪さにブルブルッと震えたが、1人が首を傾げた。 「でもさぁ、旦那がわざわざその山男と待ち合わせしてたってことだろ?どんな関係か知らないけど、その山男も当然、ティファちゃんの存在くらいは知ってるってことじゃないのか?なのに、旦那をそういう目でってよぉ、ちょっとおかしくねぇ?」 「いや、お前そんなこと言うけど、恋焦がれる気持ちはそうそう捨てたり出来ないだろ?」 もう1人の聞き役が妙に力を込めて言う。 疑問を口にした聞き役は片手を振った。 「いや、そうじゃなくてさ。周りの人間が見て『恋してる』って分かるくらいの態度をとったってことが不思議なんだよ。普通で考えても『同性の恋』って隠すだろう?それなのに、第三者が見て一発で分かるくらいの態度ってどうよ…って思ったわけ」 その説明に聞き役と語り部は「「なるほど」」と呟いて、またビールをすすった。 「…そのことに関しては大いに疑問が残るけど、まぁそれは置いておこう…。きっと、世の中知らないほうが良いってことがあるからよ。それよりも俺は、旦那があそこまであからさまに『好意』を寄せられてるのにちっとも気づかないのが不思議だよ」 「そうだな。俺も今の今まであんた達の話を聞くまで気づかなかった自分が不思議だよ」 不意に投げかけられた言葉。 男たち3人は今度こそ石化した。 石化しながら、ギギギギ……と、油の切れたぜんまいじかけのように首を動かした。 そこには、自分たちの耳が聞いた声が空耳だった!と思いたくて仕方ない人物が渋面で立っていた。 「「「 w(☆o◎)w !? 」」」 凍りついた3人に、クラウドは苦笑混じりにため息をついた。 後ろではデンゼル、マリン、ティファが不思議そうにクラウドと自分たちを見比べている。 いつの間にクラウドが帰宅したのか全く気づかないほど、自分たちが話しにのめりこんでいたことを3人はようやく知ったのだった。 * 「…俺、確実に寿命が明日までに縮まったと思った…」 「「 俺も… 」」 満天の空の下、男3人が疲れきって重い足取りで歩いている。 別に彼らに怪我はない。 精神的ダメージというやつだ。 「それにしても、旦那、マジで気づいてなかったなぁ」 しみじみと語ったのは聞き役で疑問を一番沢山抱いた男。 語り部ともう1人の聞き役は深く深く頷いた。 『昨日の男は知り合いに紹介してもらったジュエリーデザイナーなんだ。その……な、ちょっと欲しいものがあって。だが、紹介してもらった時に見せてもらった品は本当に素晴らしかったのに、昨日見せてもらったものはちょっと…、いや、かなりどうかと思うものだったから、もしかして金が足りなかったのかと悩んでたんだ。だけど、あんたたちのお陰でそうじゃなかったって分かった。ありがとう、助かった』 「あんな山男みたいなのがジュエリーデザイナー……って…」 語り部がげっそりしながらそうぼやいたのを聞いて、2人はなんとなく顔を見合わせた。 ジュエリーデザイナーは、別に顔かたちで仕事をしているわけではないとは言え、よほど『ミスマッチ』だったのだろう。 しかし、そんな『不思議な事実』よりもうんと印象に強いことがある。 それは。 「旦那……、なんで『ジュエリーデザイナー』だなんて言っちまうんだよぉ…」 「隠そうよ、せめて隠そうよそのことだけは!」 「イヤでも分かっちまうだろ!?『ジュエリーデザイナー』にお願いした仕事がなにか…だなんてよぉ!」 「「「 どこまで天然なんだよ!! 」」」 セブンスヘブン。 それは、ジェノバ戦役の英雄が2人もいるというすごい店。 同時に、ちょっと常識では考えられないような『天然さん』がいる店でもある。 天然素材に会いたいなら、是非1度、訪れてみてはいかがでしょう? あとがき 実際、クラウドとティファがここまで天然さんなはずないですね。 えぇ、分かっています。 なんとなく、なんとなくですよ、はい(汗)。 くだらな過ぎてごめんなさ〜い!(脱兎) |