*こちらは『シンデレラ』を基にした完全パロディーです。
 ストーリー、キャラ設定、捏造しまくりです。
 苦手な方、嫌悪感を感じられる人は今すぐに回れ右して下さい。

 なんでもどーんと来いや〜〜!!という度胸のある方のみ、お読み下さい。









シンデレラ……もどき? 1




 パァンッ!

 大きな屋敷。
 その屋敷が有している広大な庭。
 その広大な庭の外にある表通りにまで、その『音』が屋敷から聞えてきた。
 道行く人達は、不安そうに顔を見合わせ、次いで心配そうな顔を屋敷に向けた。

 ロックハート。

 この町でもっとも大きな屋敷。
 しかし、その屋敷に住んでいるのは、屋敷の正統な跡継ぎである一人娘の他、赤の他人が三人いた。
 そして、その三人の赤の他人こそが、今、この屋敷の主であった。



「ティファ!またアンタって子は可愛くないだからー!!」
 金切り声を上げて、金髪碧眼の女が目の前の女性の頬を打つ。
 漆黒の髪がハラリ…と揺れて女性の表情を隠した。
「まったく、ほんっとうに可愛げが無い!!少しくらい、泣くなり、泣くなり、泣くなりしてみたら〜!?」
「まぁまぁ、スカーレット姉さん。ティファが可愛くないのは仕方ないじゃない?今更でしょう?」
 燃え盛る炎のような髪をもつ美女が、妖艶な笑みを口元に湛えながら声をかけてきた。
「あら、ロッソ、今日も良い天気ね〜!キャハハハハ!」
「ええ、本当に良い天気ね、ふふふ」

 クルリ…と、ティファという妹に向き直ると、笑みを湛えたまま紅唇を開く。

「さ、今日の仕事を始めなさい。まずは私達の朝食よ。あと、お父様をお起こしてきて」
「……はい、お姉様」

 込上げてくる沢山の怒りをググッと押さえつけ、ティファは頭を下げて表情を隠した。



 そもそも。
 何故、正統な跡継ぎであるティファが、こんな理不尽な目にあっているのかと言うと…。


 元々、ティファは一人っ子だった。
 大きな屋敷の一人娘だった母親を持つティファは、父親の顔を知らない。
 父親は彼女が生まれる前に取引先の他の大陸へ渡る船が難破して死亡していたからだ。
 ティファは母親と数名の召使の手で大切に育てられた。
 母親にいくつも持ち上がっていた縁談は、その度に撥ね退けられていたのだが…。

 つい一年ほど前、長年再婚をしなかった母親がとうとう再婚した。
 相手は、取り引き先の貿易商の主、ハイデッカー。

 いつも大口開けてなにが可笑しいのか『ガハガハ』笑う大男と、母親が何故結婚したのか、未だにティファには分からない。
 しかも、ハイデッカーには娘が二人いた。
 それが、先ほどティファの頬を打ったスカーレットと、嘲笑したロッソ。
 二人共相当な美人だが、父親に良く似て腐った性格をしている……というのは、町の人達の証言。

 再婚して僅か一ヵ月後。
 母親はこの世を去った。
 ハイデッカーの実家に挨拶に行き、その帰りに事故に巻き込まれたのだという。
 馬車と船が主な交通手段のこの世界では、馬車が人を轢きそうになって逆に事故を招くことなど日常茶飯事。
 ティファは悲しみのどん底に突き落とされた。

 そうして。

 ティファが母親の喪に服して、悲しみの時間を乗り越えようとしている間。
 なんと、ハイデッカーとその娘達は裏で着々と屋敷の相続権やその他諸々の権利を自分たちのものにするという悪辣な行動を起こした。
 しかも、何故かそれが法的にも認められてしまった。
 ハイデッカーの知り合いである弁護士が何かしらの知恵を与えていることは、もう想像に難くない。
 ティファが気付いた時には、もう全てが手遅れだった。

 勿論、正統な血筋を引くティファをロックハート家から追い出すことは不可能だ。
 しかし、土地等の所有財産、貿易に関する権利はハイデッカーとその娘がティファと同等、あるいはそれ以上の権利を有することとなってしまった。

 長年務めてくれていた召使達を追い出し、ティファを孤独にさせることに成功したハイデッカー親子は、いなくなった召使達の代わりにティファをこき使いだした。

 朝から晩まで、ティファは働いた。
 家事は勿論、ハイデッカーの肩揉み、義姉達のドレス作り、それはそれは、もう酷い有様で、町の人達はティファに同情を寄せ、彼女が町に買出しに出てきたときにはここぞとばかりに優しい声をかけ、彼女の荒れた手にクリームを塗り、擦り切れた服を着ているティファの物と自分達のものを交換してやったりした。

 町の人達の好意に包まれ、ティファは何度もくじけそうになる心を支えられていた。

 本当は…。

 この町から逃げ出したかった。
 誰も自分を知らない土地に行き、そこから新しい人生をスタートさせたかった。
 幸い、自分にはこの一年間で叩き込まれた家事の能力がある。
 それに…。
 実は、格闘術の腕前は超一流なのだ。
 心配性の母親が、生前『ティファは可愛いから護身術を身につけてないと!』と、習わせてくれた『ザンガン流奥義』は師匠であるザンガンを越えるとまで言われている。
 だから、なにもイヤな義父や義姉達にいびられるのを我慢して生活する必要などサラサラ無い。
 だが…。
 ティファにはこの町を離れられない理由があった。
 それこそが、毎日こき使われるという、理不尽な仕打ちを耐え忍ぶものに結びつく。

 それは…。



「あ、ティファ〜!」
「ティファ、こんにちは〜!!」

 古めかしい門扉を押し開けて入ったその館。
 茶色いフワフワした髪を風に乗せ、駆け寄ってくる少年と、クリクリした目を輝かせ、お下げを揺らせて笑う少女に、ティファの頬が緩む。

「こんにちは、デンゼル、マリン。遅くなってごめんね?」
「ううん、気にしなくていいよ!」
「そうだよ、ティファは毎日大変だ…って、八百屋のオバサンが言ってたもん。ティファこそ大丈夫?」

 ギュッと二人を抱きしめると、子供達はくすぐったそうに笑いながら、それでも心配そうな声を出した。

 ティファはそっと身体を離すと、ニッコリ微笑んだ。
「うん、大丈夫。二人の顔を見たら元気出た」

 言い終わるか終わらないか…。
 館のドアが開いて、次々子供達が駆け寄って来た。
 どの子供達も満面の笑みを浮かべている。
 子供達に囲まれ、ティファは今日初めて、心の底からホッと息を吐き出した。



「ティファちゃん、大丈夫かい?」
「ええ、ごめんなさい、中々当番に当たれなくて…」
「何言ってんだい!そんなこと、お安い御用だよ」

 コトリ。
 目の前にミルクティーのカップが置かれ、ユラユラと湯気が立ち上る。
 カップに手を伸ばしたティファの指先が酷く荒れているのに、40代くらいの女性は顔を曇らせた。

 ここは、町の人達全員が当番で子供達の面倒を見ている孤児院。
 維持費は主にこの町に住む住人から集められているが、その中でもロックハート家からの寄付金が群を抜いていた。
 ロックハート家の寄付金が無ければ、この孤児院はなりたっていかないだろう…。

 孤児院に務めるシスターや寮母、寮父がいないのは、この町にそれだけの余裕が無いからだ。
 皆、必死に生活している。
 勿論、我武者羅に働かなくては食べていけない…という困窮した状態ではないのだが、それでもゆとりがあるのはロックハート家くらいのものだ。
 だから、町の皆で協力し、孤児院を切り盛りしている。
 町の住人が仲の良い証拠だ。

 ティファがロックハート家を捨て、他の土地に行くことが出来ないのは、まさにこの孤児院のため。
 ハイデッカーは、孤児院への寄付金をこれまで通りにしたいなら、召使の代わりに働け、と言ったのだ。

 召使達の給金=寄付金、という事になる。

 もっとも、召使達の給金と寄付金では寄付金の方がうんと額が大きいのだが、少しでも出費を削減し、自分達の享楽の為に用いたいハイデッカー親子は、このようなケチくさいことを突きつけたのだ。

 まったくもって、腐りきった親子である。

 事情を知っている町の人達は、皆、憤った。
 しかし、法的に正統な手順を踏んで現在の状況を造り上げたハイデッカー親子に、町の人達の憤りなど、あってないようなもの。
 素知らぬ顔をして、毎日ティファをこき使っている。


「ティファちゃん…大丈夫かい…?」

 もう一度、心配そうに声をかけてくれたオバサンに、ティファはうっかり涙腺が緩みそうになる。
 グッと堪えて、
「うん!みんながいてくれるから!」
 花が咲くような笑顔を見せた…。

「ティファ、これ見て〜!」
「まぁ、可愛いわね。上手に描けたじゃない!」
「へへ〜」
「ティファ〜!これ、これも見て!!」
「まぁ!すごい、カッコイイ模型!どうしたの!?」
「へっへ〜♪大工のおっちゃんが型をくれたんだ〜!」
「ティファ〜、私のも見て!」
「ティファ〜!」
「ティファ、こっちも〜!」

 子供達はティファが大好きだ。
 孤児院に来ると、いつもティファは子供達に囲まれる。
 ティファもこうして孤児院で過ごす僅かな時間が、本当に愛しかった。
 また…帰宅して義父や義姉達のいびりにも耐えられる。

 そう…思える貴重な時間だ。
 そんな楽しい時間はすぐに終る。
 空が薄っすらと暮色に染まりつつあるのを見て、ティファは腰を上げた。
 早く帰らないとまた張り手と嘲笑、怒声が飛んでくる。
 帰る準備をするティファに、
「ティファ、あんなおっさんとケバイ姉ちゃんに負けるな!」
「いざとなったら正当防衛に見せかけて、ちょちょいとやっつけちゃえ!」
「ティファ、絶対に負けないでね!」
 子供達がエールを送る。
 ティファはプッと噴き出すと、


「うん、負けないから!」


 グッと拳を握って力強く頷いた。

 そうして子供達と当番のオバサンの心からの拍手と声援を背に受けながら、ティファは家路に着いた。
 途中、幾人もの町の人達が声をかけてくれる。
 その一人一人と軽く挨拶をしたり、手を上げたりしていると、あっという間に自宅到着。
 弾んでいた心は、そのまま『負けないんだから!』という闘志に代わる。

 ティファは、立派な門扉を押し開け、自宅に戻った。






 さて。
 場所は変わって…。

「王子、王様がお呼びです」
「ゲッ!マジかよ……」
「大マジです」
「…いないって言っといて…?」
「出来るわけないでしょう」
「グッ!この、クラウドの薄情者!!」
「はいはい、薄情者でも何でもいいので、早く来て下さい。でないと俺が怒られる…」
「くぅ〜…この鬼〜!!悪魔〜!!!」
「はいはい」

 ここはこの国を治める王様が住むお城。
 豪華絢爛な様は、もうまさに『絵にも書けない美しさ』だ。
 そのお城の一室で、上記のようななんとも心温まる……もとい、王子と部下の辛らつなやり取りが交わされていた。

 王子、と呼ばれた青年は、漆黒の髪を持ち、紺碧の瞳を持った精悍な顔立ちをしている。
 気さくな人柄がすぐに窺える雰囲気を醸し出しているためか、彼と彼を呼びに来た青年のやり取りを見ていたメイドがクスクス…と笑いを漏らしていた。
 普通、王子の言動に笑いを漏らすとは言語道断の世界。
 王や王子の一言で簡単に首が飛ぶ。
 しかし…。

「見ろよ、クラウド!お前のせいであの子に笑われたじゃねぇか!」
「王子の往生際が悪いからでしょう……」
「うぉい!溜め息吐くな!それが一国の跡継ぎに対する態度か!?」
「…じゃあ、これからは『一国の跡継ぎに対する態度』で接することにします」
「……………ごめん、やっぱ、今のなし」
「はいはい。ほら、さっさと行こう。俺もイヤなんだから」
「…うぅぅ……」

 漫才のようなこのやり取りを見られて、全く腹を立てることなど無い。
 メイドはとうとう堪えきれずに声を上げて笑った。

「はぁ…ヤダなぁ…。父上はおっかないんだ…」
「……あの人をおっかなく思わないのは、あの人のお母上くらいじゃないか…?」
「おう…まさにその通りだ」
「ザックスのお母上は…どうだったんだろうな…」
「…さぁなぁ。肖像画の母上に聞いてみても応えてはくれないしな」

 二人で並んで広い廊下を歩く。
 足取りが重いのは二人共同じだ。
 ふと足を止めて王子が見上げたのは、王子の母親の肖像画。
 穏やかな笑みを浮かべた美女。
 こげ茶色の髪を優雅に肩から胸元に垂らし、微笑んでいる彼女の肖像画の下には『ルクレツィア』と、母親の名前が掲げられていた。

「まったく、なんであんな変態と結婚したんだろう…」
「…自分の父親をそこまで言うか…?」
「お前だって思うだろ?」
「……俺にふるな…」
「良いじゃん、俺とお前の仲だし〜」

 じゃれるように金髪の青年へガシッと腕を回し、グリグリと青年の頭の天辺に顎を押し付ける。

「い、痛い痛い!やめろってザックス!!」
「ふっふっふ〜!友達の不幸を見て見ぬ振りをする薄情者には当然の仕打ちだ〜!」
「な、何が『当然の仕打ち』だ!痛い、やめろ!髪が抜ける!!」
「大丈夫!クラウドは髪が多いから多少抜けても禿げやしないさ〜♪」
「やめろって!!」


「二人共…」


 ビクッ!

 突然、声を掛けられた二人は、背後に全く気配を感じていなかったのに既にそこに『いる』人物に全身の毛穴がパカーッと開く思いがした。
 壊れたブリキのおもちゃのようにぎこちなく振り向く。
 そこには、漆黒の髪を無造作に一本に束ね、紅玉の瞳を持つ偉丈夫。
 深紅のマントを身につけた男性に、二人は姿勢を正した。

「ヴィ、ヴィンセント…」
「隊長…」

 この城の近衛隊長、ヴィンセント・バレンタイン。
 いつも無表情で滅多にその鉄面皮の下を見せない彼には、二人共頭が上がらない。
 特にクラウドにとって、彼は上司に当たる。
 当然、身も心も引き締まる…のを越えて萎縮してしまう。

「王が先ほどから玉座の間でお待ちである。早く向かわれよ」

 紅玉の瞳をひた…と王子に向け、最小限の言葉で伝える。
「は、はい…」
 非常に素直に、大人しく、肩をガックリと下げて王子は頷いた。
 それを見届け、次は隣に立っている青年に目を向ける。

 ピク…。

 緊張で青年の頬が引き攣ったのを見て、ヴィンセントは軽く溜め息を吐いた。

「何を言いたいのか分かってるようだな」
「はい、申し訳ありません!」
「なら、良い。早くお連れしろ」
「はっ!」

 用件だけを簡潔に言うと、ヴィンセントはマントを翻して威風堂々とその場を去った。
 曲がり角にその姿が消えるまで、二人は直立不動の姿勢でその場に立っていたが、消えると同時に、

「「 はぁ〜…… 」」

 二人してドッと重い溜め息を吐き出した。
 そして、どちらからともなく歩き出す。

「おっかないなぁ…」
「ザックスは王子なんだから、俺みたいに萎縮する必要ないのに…」
「あ〜…、分かってんだけど、やっぱりなぁ。あの溢れるオーラには負けるだろ?」
「………まぁ…な」
「俺の母上とヴィンセントが恋仲だったって本当かもなぁ」
「!? ザックス……」

 頭の後ろで手を組みながら軽くそう言ったザックスに、クラウドはギョッと目を見開いた。
 思わず立ち止まったクラウドに、
「あ〜、気にすんな。俺的には父上よりもヴィンセントの方が母上にはお似合いだと思ってるし」
 ヒラヒラと軽く手を振りながら笑って見せる。
 クラウドは複雑そうな表情を浮かべながら、数歩先を歩くザックスに並んだ。
「でも…」
「良いんだって。それに、俺はそういうの、全然気にしてないし、むしろあのヴィンセントがこの城で頑張ってくれてる理由が『母上』だと思うと、むしろ納得出来るしな」

 カラカラと笑う王子に、親友であり、付き人であり、護衛人であるクラウドは困ったような顔をするだけだった。



「ザックス、待ちくたびれたぞ」
「遅くなってしまい、申し訳ありません」

 玉座の間に着くと、ザックスは殊勝に頭を下げた。
 玉座に座る銀髪、碧眼の偉丈夫が悠然と足を組みなおす。

「さて、早速だが呼び出した件について…だ」
「はい」
「クラウド、お前もここにいろ」
「え!?あ…はい」

 一礼して背を向けかけた息子の付き人に、王は声をかけると涼やかな笑みを浮かべた。

「これから話すことは、お前にも協力してもらわないといけないからな」
「はっ」

 敬礼しつつ、クラウドの全身からまたもやイヤな汗が噴き出す。
 絶対にろくなことじゃない。
 そうに決まっている!

 そう、クラウドの本能が告げていた。
 出来れば、すぐにでもこの場を去りたい。
 だが、この国でもっとも偉大な存在である王の命令に背けるはずが無い。
 逃げ出したい気持ちをグッと堪えてその場に踏み止まる。

 一方、不吉な気配を感じ取ったのはクラウドだけではなかった。
 ザックスも、実の父親から放たれている不穏な空気に、全身が総毛だっている。
 ある意味、クラウド以上にこの場から逃げ出したかった。
 だが……。
 クラウド同様、そんな事、出来るはずが無い。

 二人の青年の葛藤を知ってか知らずか、王はゆったりと口を開いた。

「一ヵ月後、王子は誕生日だな」

 唐突なその台詞に、二人は半瞬だけ呆気に取られたが、すぐに気を引き締める。

「はい」

 応えたのはザックス。
 クラウドは直立不動の姿勢を保ったままだ。

「そこで、毎年恒例の誕生パーティーを今年も行うのだが…」
「「 ??? 」」

 言葉を切って、手をパンパン、と二回叩く。
 すると、どこに潜んでいたのかこの国の大臣がスッと現れた。
 スルスル…と、玉座の後ろの垂れ幕を上げるため、紐を引く。

『『 ゲッ… 』』

 現れたのは、一人の女性の肖像画。
 整いすぎた顔は王そっくり。

 うっとりとその肖像画を見上げた王に、王子は気付かれないようそっと『ベーッ』と舌を出した。

「ザックス」
「 !? (カリッ ← 舌を噛んだ)〜〜〜!! な、なんでしゅか…?」(← 若干涙目)

 背を向けている父親に、舌を出していることがばれたのではないかと焦ったザックスは、モロに舌を噛んで涙目になりながら必死の思いで応える。
 王は訝しそうな顔で振り返ると、
「なにをやってるんだ…?」
 小首を傾げたものの、すぐにうっとりした顔に戻った。

「私の母上に恥ずかしくないよう、お前にはそれ相応の『花嫁』を誕生パーティーで選んでもらう」


えーーーー!?!?!?


 大きく身を仰け反らせて驚愕する息子を、セフィロス王は軽く溜め息を吐いて見やったのだった…。



 あとがき

 はい、とうとう『童話パロ』にまで手を出してしまったマナフィッシュです。

 これからどうなるのか…。
 どのキャラがどんな役で登場するのか…。

 少しでも楽しんで下さったら嬉しいです♪