エッジの街にあるセブンスヘブン。
 この店は大変な人気店の一つ。
 連日連夜大盛況なその店のドアノブに…。

【臨時休業】

 今夜は珍しくそんな看板が風に吹かれて揺れていた。
 滅多に休む事をしないこの店の突然の休業に、訪れた馴染み客達が寂しそうな顔をすると共に、訝しそうに立ち去っていく。
 その数は十人や二十人ではないことから、この店の人気振りが分かると言うもの…。
 そして、その人気店の中では…。
 やつれた顔をした六人と一頭の獣の姿があった…。



ミーハー振りはそこそこにする事こそが長生きの秘訣(前編)




「「………」」
「「………」」
「「………」」

 むっつりとしてカウンターに横一列に並ぶ大人と一頭の赤い獣の姿に…。
 子供達はそっと目配せするとそそくさと子供部屋に引き上げた。
 子供達がコソコソッと引き上げる姿を視界の端に写し、ティファは目の前の状況に苦笑しつつ、唯一自分と同じ状態を保っているWROの局長へ視線を流した。
 リーブは、自分の手の中にあるグラスをじっと見つめたまま、その頬には苦笑とも微笑ともつかない表情を浮かべている。
 ティファは一つ軽い溜め息を吐くと、シェイカーを取り出してシャカシャカとカクテルを作り始めた。
 手馴れたその技は、結局誰の注目を浴びる事無く全員分のカクテルを作り、役目を終えた。

「まぁ……悩んでても仕方ないし…乾杯しない?」

 気を取り直すようにそう言うセブンスヘブンの女店長に、ノロノロと仲間達が顔を上げる。
 一様に、その表情は『一体何に乾杯なんだ?』と言っているが、さりとて反対する理由がないらしく、むっつりとしたまま各自グラスを手に取った。


「「「「「「………カンパーイ………」」」」」」


 ティファの年齢を考えると、一般的な店主達に比べ、結構な年月を店主として過ごしている。
 が!!
 こんなに覇気の無い『乾杯』はこれまで一度たりとて聞いたことが無い…。
 ティファは、チラリと自分へ視線を投げてきたリーブに気付き、そっと苦笑し合った…。


 そもそものきっかけは、数週間前に遡る。
 バレットが故郷のコレル地帯で耳にした実にくだらない噂。
 その噂を巡って少々事件が起き掛けたのだが、無事にそれを回避(?)した後、彼の愛娘が無邪気にこう提案した。



【WROの広報誌にジェノバ戦役の英雄達の写真を載せたら良いのよ】



 最初は乗り気でなかった……というか、本気にしなかったバレット以下数名のジェノバ戦役の英雄達は、自分達の拙い想像力を呪い、子供達の力を看破出来なかった己の見る目の無さを呪ったのだった…。
 子供達の勧めを中途半端に受け、
『おう!それは良いじゃねぇか!!』
『そうなったら、俺様は一躍有名人だ!』
『どうしよう!!求婚者が続出だよ〜〜!!』
『おいら、旅の途中でご飯に困る事なくなるかな…』
 などなど、実に自分本位のくだらない想像を口にするだけで、まともな案として取り上げてないくせに、子供達を煽るような言葉を口にするという、愚行に出てしまったのだ。

 子供達は非常に素直で純粋だった。
 後日、仲間達がその事件を酒の肴にセブンスヘブンで宴会を開いた時にも、子供達の情熱は冷めていなかった。
 それどころか飛空挺で大人達が煽った言葉を逐一覚えており、すっかり乗り気になっていたのだ。

『ねぇ、本当に広報誌に写真を載せるんでしょう?』
『俺、めちゃくちゃ楽しみなんだ〜!』
『うんうん!だって、これでクラウドの偽者が出る事なくなるだろうし!』
『それに、顔写真の下って普通はコメント欄があるだろ?それを読むのがすっごく楽しみなんだ〜!!』
『うんうん!!父ちゃんはなんて書かれるのかなぁ?』
『クラウドとティファはなんて書かれるだろう…?』
『『ああ!楽しみ〜〜!!』』

 キラキラと顔を輝かせて期待で溢れんばかりになっている子供達に目尻を下げたバレット以下、お調子者の忍と軽いノリを売りにしてるような艦長、そしてティファの料理にご機嫌な赤い獣は、飛空挺の時と同じ様に実に軽く考えていた。

『そりゃあ、リーブがしっかりした部下を担当にしてくれるだろうから、良い事沢山書いてくれるはずだな〜!』
『そうだぜ〜。全てはリーブの采配しだいだなぁ〜!』
『あっはっは〜。こんなに可愛いユフィちゃんをけなすようなコメント、書けるはず無いから問題ないね〜!』
『おいら、【星を旅してます】…って書いてもらおうかな。そしたら、行く先々で出迎えてもらえるかも…』

 ケラケラ笑いながらそう言うだけで、決して本気にしていなかった。

 しかし、子供達の親代わりである二人の英雄と、WROの局長、そして仲間の中で一番寡黙なガンマンはそうではなかった…。

『お、お前達……』
『ちょっと、いい加減な事言わないで!!』
『……私は知りませんよ……』
『………旅に出る……』
『ヴィンセント…』
『一人だけ逃げるつもりですか!?』
『ダメよ、私達の列車は途中下車出来ないんだから!』

 などなど、実に弱腰な英雄達にバレット以下のお暢気仲間達がヘラリと笑って高みの見物を決め込んでいる。
 しかし、彼らの笑みもここまで…。

『二年半前の旅ならそうかもしれん。だが、この一件に関しては全く関係ないはずだ…!』
『え?何言ってるの、ヴィンセントさん。ヴィンセントさんも『英雄』だから、ちゃんとしっかり関係ありますよ〜?』
『マリン……』
『そうそう!あ、なんなら俺とマリンがコメントをバッチリ考えてやるから、安心してくれよ!』
『デンゼル……』
『『あ〜、楽しみ〜〜』』
『……………』

 こうして英雄の中でも一番冷静で寡黙で、こういった仲間ごとや面倒ごとが大嫌いなガンマンをあっという間に言いくるめてしまい、更には益々ハイテンションになってあれこれ楽しそうに話をしている子供達の姿に…。
 漸くお気楽英雄達も焦りだした。
 しかし。
 当然それは遅すぎたわけで…。

『『それで、いつ撮影するの???』』

 無邪気にリーブを見つめる子供達に、一体誰が『その話はホンの軽いジョークで、本当にするつもりじゃなかったんだよぉ…』など言えるだろうか……?


 言えるはずが無い…。


 引き攣った笑顔を親代わりの二人に向けたWROの局長が、結局誰の助けも得られないまま、子供達の期待に満ち溢れた笑顔に流されてWROの広報課の人間に連絡を取る羽目になった…。
 そうして…。
 ポカンと口を開けてその現状についていけないお暢気グループと…。
 子供達の力量をほぼ正確に把握している冷静沈着グループが見守る中。
 リーブが広報課の人間にアポを取り付けるのに要した時間。


 それは、子供達が期待にこめた眼差しをリーブに向けてからたったの五分だけだったとかなんとか…。
 おまけに、アポを取り付けたその時日は…。


『『『『『『明日〜〜〜!?!?!?』』』』』』
『……………何故…』
『明日を逃したら……来月まで予定が一杯なんですよ…』
 仰天して目を剥く面々、そしていつもよりも一層その顔から表情が無くなって何やら遠い目をしているガンマンに、リーブが心の底から申し訳なさそうな顔をして事情を簡潔に説明した。
 そう、たった一言で済んでしまう簡単明瞭な説明……。
 その説明を聞いて小躍りしたのは子供達。
 自分達を取り巻く事情が激動している事に全くついていけず、いやむしろ、現実逃避を試みていたり、呆然としている大人達を尻目に、
『やった〜!!』
『善は急げ……って言うしな!』
『明日だったら、皆こうして勢ぞろいしてるし、むしろ好都合だよね!!』
『そうだよな!やっぱり皆揃っていっぺんに済ませた方が良いしな!!』
『うんうん!一人一人、別々に載せるんじゃなくて一気にババーンと載せた方が目立つし!!』
『その方が、世間じゃインパクト強いしな!』
『うん!!やったね、これでもう、変な心配しなくて済むね!』
『そうだな!!』
 などなど言い合い、実に嬉しそうに笑い合ったのだった…。


 とまぁ…。
 そんなこんなで…。
 英雄達をあっという間にまとめ上げて【広報誌】に顔写真を載せる事に成功した子供達は、それはそれはご機嫌だった。
 最後の最後まで渋っていたヴィンセントですら、その時の子供達の様子に苦笑しつつ、
『まぁ…これでこの件に関してデンゼルとマリンに恨まれる事は無いだろう…』
 そう言って、エッジを去っていったのだった。
 クラウドとティファも、勿論最初から最後まで【広報誌】というやつには抵抗があったのだが、それでも自分達を心配してくれている子供達の気持ちを一番に考え、【広報誌】の掲載にあたる、全ての事柄において頑張った。

【広報誌】

 一言で言ってしまえばただ『写真撮影と簡単なプロフィール』になるのだが、それを実際に形にして作り上げるのは非常に大変だ。
 写真撮影だけでも、十枚以上は軽く撮る。
 それはそれはうんざりするような作業だ。
 撮られれば撮られるほど良い表情とポーズをきめられるモデルではないのだから…。
 ジェノバ戦役の英雄達は、戦闘に関しては超一流だがことこういう『自分を売り出す』という事に関してはド素人だ。
 お調子者ののユフィですら、撮影の最後の方では、
『もう勘弁してよ〜!!』
 と、情けない声を上げ、同じく撮影所の傍らでグッタリしているリーブに懇願したくらいだ。

 というわけで…。

 英雄達にとって、この【広報誌作成】というのは、人生においてワースト7に入る苦い思い出となったのだった。
 とりわけ、その中でも寡黙な英雄二人にとってはこの【広報誌作成】というものが、自分にとっていかに性に合わない作業であるかが判明した。
 それでも…。
 何度も繰り返される広報誌のカメラマンからの要求に、クラウドとヴィンセントは実に良く耐えた…。

『あ、すいません、もう少し肩の力を抜いて下さい』
『あ、その銃ですがもう少し顔から離してくれませんか?でないと、顔に銃の影が入っちゃいますから』
『あ、クラウドさんももう少し眉間のシワを何とかしてくださ〜い』

 などなど、自分達ではいささかどうしようもない様な注文をつけられながらも、最後までやり通したのだから。
 勿論…。
 途中で何度も『さっきので良いんじゃないのか…!?』とささやかな抵抗を試みる事は忘れなかったのだが…。

『でも、やっぱり世の中の沢山の人達が目にしますから…。妥協は許されません』

 その一言の元に、無残にも一蹴してのけた【広報誌】のカメラマンと編集者に、クラウドとヴィンセントはなす術が無かっただけ……という見かたも出来たりするが、それについて、ティファ達は何も言わない…。
 クラウドとヴィンセントが短気を起こして撮影所から遁走する……という選択肢を選ばなかっただけで充分ではないか。
 そう仲間達は生温かい目で悟りの境地に至ったのである……。



 そうして。
 散々な目に合いながらも無事に撮影等の作業を終え、英雄達は心の底から安堵の溜め息を吐き、それぞれの生活に戻ったのだった。
 そんなクラウド達の努力が実ったのは撮影からおおよそ三週間後。

【ジェノバ戦役の英雄】という実にシンプルな見出しが表紙を飾ったWROの広報誌。
 中身は、モデル顔負けの恥ずかしいポーズを取らされた英雄達の強張った顔と引き攣った笑顔。
 そして、簡単なプロフィールと世間に向けての一言コメント。


 クラウド:……………(ノーコメント)

 ティファ:今は辛い思いをされている方が多いと思います。でも、きっといつかは報われる日が来る……、私はそう信じて今を頑張ってます。だから、後悔しないよう、今を一生懸命生きる道を選んで欲しいと思います。

 バレット:(緊張するな)まぁ、あれだ。魔晄エネルギーは使えないが、その代わりになるものを探してる最中だからな。だから、皆も今、不便でしんどいと思うが、頑張って待っててくれ!絶対に見つけてみせるぜ!!

 シド  :人生本当に色々あるけどよ。死んだ後、星に還った時に親友(ダチ)に胸張って会えるように頑張らねぇと…って思ってる。まぁ、俺様の考えを押し付けようとはこれっぽっちも思ってねぇけど、それでも今を後ろ向きに考えてる奴がこれ読んでるなら…、俺様の考えについて考えてみてくれや。

 ユフィ :あ〜、マテリアが使えないのは不便だよねぇ。でもさ、それでもやっぱり、マテリア以上に大切なものがあるって分かったからね。仕方ないから我慢出来てるんだぁ。皆も不便に思ったり他の事で自棄になったりすることあると思うけど、人生山あり谷あり!ま、そのうち良い事あるって!だから、それを励みに一緒に頑張ろう!!

 ナナキ :おいら、只今星を巡る旅をしてるんだ。沢山見て、沢山聞いて、沢山感じて…。それを後世に残す…。それがおいらの使命だと思ってる。だから、もしかしたら皆とも会う事があるかもね。もしもこれを読んだ人がおいらと会ったら、その時は声かけくれたら嬉しいな。

 リーブ :WROの局長を勤めさせて頂いてます。必死に生きている皆さん、どうか現状がお辛くても絶望しないで下さい。きっと、陽の光が差す日がやって来ます。どうかその日が来ることを信じて、今を生きて下さい。微力ながら、皆さんの力になれるよう、これからも私なりに精一杯生きる事を約束します。

 ヴィンセント:………………(ノーコメント)


 これが世界中の注目を浴びないはずがない。
 それまで薄いヴェールに包まれていた英雄達が、こうして世界中にその存在を明らかにしたのだ。
 人々が騒がないはずが無いではないか…。
 それなのに…。
 ここまでの騒ぎになるとは、迂闊にもリーブですら予想出来ていなかった。
 恐らく、英雄の中に自分が含まれていなかったらもう少し冷静に判断できただろう。
 しかし、しっかり、バッチリ自分も英雄の中に入っている。
 という訳で、第三者視点で冷静に先を見通すことが出来なかったのだ。
 そのお蔭で…。
 連日連夜、英雄達が居住している各地区にミーハーな追っかけ軍団が終結する事となってしまった…。
 広報誌には、先のクラウド偽者事件の再発を防止する為に、英雄達がどの大陸に住んでいるのかを簡単に載せていたのだが、それが仇となった…。

 エッジ、カーム、ロケット村、北コレル地方、コスモキャニオン、ウータイ…。

 詳しい住所を伏せていた為、ミーハーな追っかけ軍団は俗に言う『しらみつぶし作戦』を実行した。
 広報誌に載っていた英雄達が住んでいる大陸に関し、徹底的な情報網を張り巡らせたのだ。

 世の中には『コンピューター』という実に便利なものがある。
 勿論、復興に向けて必死に足掻いているこの世情で、そんな高い技術が簡単にほいほい使えるわけではない…。
 わけではないのだが!!
 そこがミーハー軍団の恐ろしい所…。
 顔も知らない、名前も知らない、素性も知らないまったくの垢の他人同士が、何ゆえここまで固い絆で結ばれるのか……!?
 そう英雄達が目を剥くほどの団結力を発揮した。

 お互いに助け合い、英雄達に関する情報を二十四時間連日連夜、休み無く収集し続けた。
 何百、何千という人間が、一斉に英雄達に関する情報を追っかけ軍団の本部ともいえるコンピューターへ情報を提供した。
 そのお蔭で…。
 広報誌発売からたったの三日で、英雄達の正確な住所が世間にバレる事になってしまった……。

 勿論、クラウド達は隠れ住んでいるわけではないのでいずれはバレる事を予想していた。
 しかし、まさかこんなに早い段階でバレるとは誰も考えなかった。
 何故なら…。
 自分達がそこまで注目を集める人間だという自覚が無かったからだ。
 まさかここまで世間の人達の関心を引くとはこれっぽっちも思っていなかった。

 世の中は必死に復興に向けて走っている。
 それこそ、脇目も振らず……といった人達が多い。
 だから、そんな風に忙しく、必死に生きている人達の関心をこれ程までに強く引くとは予想出来なかった。
 とっくの昔に、『ジェノバ戦役の英雄』という存在は、人々の記憶の中で風化している…そうたかを括っていたのだ。

 ところが!!
 現実はそんなに甘くなかった…。
 人々の記憶の中で風化しつつあった『ジェノバ戦役の英雄』という存在が、今回の広報誌のお蔭で一気に甦ったのだ。
 それはもう、逆巻く炎の中から翼を広げて大空に飛び立つ不死鳥のように…!!

 そして、その事実に気付いた時には当然手遅れなわけで…。

 セブンスヘブンには、これまで以上に人が押し寄せ…。
 デリバリーサービスにはありえないほどの予約申し込みが入り…。
 デンゼルとマリンは迂闊に遊びに行けなくなり…。
 バレットの油田発掘場には、その場に似つかわしくないめかしこんだ女性が出現し…。
 ロケット村の宿屋は連日満床で…。
 シエラは気軽に買い物に行けなくなり…。
 シドはシエラをWROの飛空挺の建造工場に慌てて避難させた…。
 ナナキは星を巡る旅をする最中、街や町や村に一歩入る度、どこからとも無く黄色い歓声とフラッシュに歓迎され…。
 ユフィはこれまでのようにフラフラ歩き回る事が出来なくなり…。
 WROにはこれまで以上の入隊希望者が続出した…。

 ヴィンセントだけは住所不定な為、どの大陸に住んでいるのか載せる事は出来なかったので、初めのうちは難を逃れていたが、クラウド達のような被害に合うのに時間はかからなかった…。

 ミーハー追っかけ軍団の力を侮ってはいけない。

 ヴィンセントはうっかりルクレツィアの洞窟を訪れる事が出来なくなってしまった……。



 そうして…。
 精根尽き果てた英雄達は、悲鳴を上げながらこうして今夜、セブンスヘブンに集結した…。
 開店していない為、店の窓はカーテンで覆われている…。
 が!!
 そこかしこに人の気配がするのは……。
 英雄達の気のせいか、はたまた自意識過剰すぎるのか……?
 いや、断じて気のせいでも自意識過剰なのでもない。
 確実に、店はミーハー追っかけ軍団によって包囲されている。

 だからと言って、彼らが店に踏み込んでくることはない。
 逆に、踏み込んでくれたら『不法侵入』として警察に突き出し、世の中に『バカな真似はするな!!』と警告する事が出来るのだが、ミーハー追っかけ軍団は純粋な追っかけしかしない。
 ある意味『ストーカー』とも呼べる行為であるが、だからと言って警察に突き出す…というところまで英雄達の気持ちは傾かなかった。
 何しろ、せいぜい陰から写真を撮られるか、黄色い声援を浴びせられるか、好奇の視線を突き刺されるか……。(しっかり警察に突き出せるような状況にあるのだが、それでも英雄達はそれに気づいていない…)
 実害が出ていないので(セブンスヘブンとデリバリーサービスは大被害に合っているが…)、誰もが必死にこの『ブーム』が過ぎ去るのをじっと待っている状況だった。
 何より…。
 今回の広報誌による被害で一番『とばっちり』を受けているはずの子供達とシエラが、文句も言わずに、
『ま、そのうち熱も冷めちゃうよ』
『クラウドとティファってやっぱり有名人で凄いんだな!俺、感動した!!』
『フフ…。シド、貴方がそんなに私の事を心配してくれるだなんて…。ちょっと得した気分です』
 むしろ、嬉しそうに…実にあっさりと現実を受け止めているのに、格好の悪いことなど出来るはずが無い…というのが本音だったりする。


「それにしてもよぉ…」
「やっぱ、キツイって〜…」

 ガックリと項垂れながらシドとユフィが溜め息を吐いた。
 それをきっかけに、英雄達の被害報告が始まったのだった…。




 あとがきは最後にまとめて書きますね。