「うわっ!くっさ〜い!」
「うぇ〜、何このにおい…」
 温泉の香りを初めて嗅いだデンゼルとマリンが、顔をクシャクシャに歪めて鼻をつまんだ。
 その表情に、クラウドとティファは顔を見合わせ、思わず吹き出した。


幸せのかたち1



「これが温泉の臭いよ。硫黄って言うの」
「いおう…?」
「そう。確かに良い香りじゃないけど、お風呂とは違って、色々と体に良い効果があるのよ」
「ふ〜ん…」
「あ〜!でも、俺この臭い駄目!!頭に何だかズーンとくるんだもん」
 マリンは少々興味深げに、デンゼルは完全に臭いに当てられた顔で、相槌を打つ。
 クラウドは、そんな子供達に目を細めた。
 そして、顔を上げると「ようこそ、ミディールへ!」と書かれたアーチ状の看板をしげしげと見つめた。

 今、四人はミディールに来ている。
 子供達を伴っての初旅行だ。
 日帰りなら何度も行ったが、他の大陸へ宿泊する大旅行は今回が初めてだった。
 子供達は、この旅行を心から楽しんでおり、そのはしゃぎようにクラウドとティファは終始頬を緩ませっぱなしだった。

 ミディールへの船旅は、クラウドにとっては拷問以外の何ものでもなかった。
 それでも、船の甲板で、遥か彼方まで広がる水平線に、目をキラキラさせる子供達の姿を見る事が出来たのは、とても価値ある事だった。
 辛い船旅も、子供達の輝く笑顔を見る事が出来たのだから、決死で無駄ではなかったと、本気でそう思っている。
 
 確実に待ち受けている、帰りの船酔いも、子供達の喜ぶ顔を見る為だ…。
 そう己に言い聞かせ、乗り切る事を秘かに誓うクラウドであった。

「なあ、ティファ?」
「ん?なぁに?」
「これって前もあったっけ?」
 苦笑しながら指差すクラウドに、ティファはアーチ型の看板を見上げた。
「あったかしら…。無かった気がするけど…」
「……えらく派手になったよな…」
「そうね」

 二人は、苦笑しつつミディールの中心地に向けて歩き出した。

 二年前に吹き出したライフストリームにより、島の大半がその流れに沈んだミディールだったが、森林地帯を開墾して新たに家屋が建てられており、ライフストリームが吹き出す以前よりも若干活気があるように感じられる。
 実際、観光地として力を入れているのだから、それなりに見栄えの良い様に建物が建てられたり、お土産物を売る店が軒を連ねたりしており、なかなかに観光客の入りも良いようだ。
 クラウド達の様に、旅行者と思しき人達が、店を物色したり、記念撮影をする姿がそこかしこで見受けられる。

「本当に、何だかすっかり様変わりしたな…」
「そうね…。あ、でも、あの建物、あれってそのままじゃない?」
「どれ?」
「ほら、あの診療所!」
「え!?あ、本当だ…」
 ティファの指差す方を見て、クラウドは目を丸くした。
 そこには、クラウドが魔晄中毒にかかった折、世話になった小さな診療所があった。
 確か、ライフストリームが吹き出した時に崩壊したはずだったのだが…。
 二人は顔を見合わせると、自分達の先を行く子供達に声をかけ、診療所に寄る事を伝えた。



 ゆっくり診療所への道を歩きながら、クラウドとティファは無言だった。
 それは、決して気まずい雰囲気を伴うものではなく、二年前を思い起こし、何とも言えない感慨深さを感じている為であった。
 特に、ティファはその気持ちが強い。
 よくぞ回復してくれた…そう思う。
 隣を歩く彼が、まさか後遺症も無く回復してくれるとは、あの時は想像出来なかった。
 呻き声を上げる彼を何度も励まし、車椅子を押して散歩に連れ出し、食事の世話をし…。
 本当に、あの時はもしもこのままだったら…!
 そんな恐怖と戦う日々であった。

 そう。
 彼が回復してくれたのは、全部ライフストリームに眠る親友のお陰…。
 改めて、ティファは彼女に感謝するのであった。

 目の前で子供達がはしゃぎながら駆けている。
 そして、隣には寡黙だが、誰よりも自分と子供達の事を気に掛け、想ってくれている彼がいる。
 こんなにも幸せな現実が待っているなど、あの時、どうして想像する事が出来ただろう?
 しみじみそう感じるティファの胸に、ふいに熱いものが込上げてきた。
 歪みそうになる視界に少々焦りながら、クラウドに気付かれないよう、わざと明るく子供達に声を掛ける。
「ホラ、二人共はしゃぎ過ぎて転ばないようにね」
「はぁ〜い!」
 マリンは素直にくるりと振り向いてティファ達が追いつくのを待ったが、デンゼルはそのまま立ち止まらず、少々口を尖らせた。

「大丈夫だって!俺達そんなに子供じゃないん…ッダァ!!」
「「「デンゼル!!」」」
 ティファの言葉に、立ち止まる事無く振り返ったデンゼルは、前方から歩いて来た女性とまともにぶつかり、女性もろとも派手に転倒した。

 クラウドとティファ、それにマリンは、大慌てで駆け寄ると、地面に倒れこんでいる女性と、女性の上に重なるようにして転倒したデンゼルを助け起こした。
「すみません!大丈夫ですか?」
 慌てふためきながら、女性の服に着いた土や埃を払い落とす。
「デンゼル、お前は大丈夫か?」
「アタタ…。肘すりむいたけど大丈夫…」
 クラウドに助け起こされて、デンゼルは少々顔をしかめたが、元気良く笑って見せた。
 そんなデンゼルに安心したマリンが、安心した反動からか、キッと睨みつける。
「もう、デンゼルったら!この人にちゃんと謝らないと!」
「あ…、そうだった…。えと、本当に御免なさい!」

 マリンに言われ、デンゼルはティファに助け起こされた女性にペコリと頭を下げた。
 しかし、彼女は何も言わない。
「本当に申し訳ない。その、大丈夫…ですか?」
 クラウドがそっと女性の様子を窺うが、それでも彼女は何も言わない。
「あの、どこか痛いところ、とか…?」
 ティファが恐る恐る声をかけるが、やはりそれでも彼女は何も言わない。

 クラウド達は無言のまま少々ふらふらしている女性に、大いに戸惑った。
 もしかして、今の転倒のショックで頭を打つなどしてしまったのでは!?
 それまでの楽しい雰囲気は微塵も無く、強い不安と混乱に四人は叩き落された。
 
 ところが、女性はそんな四人に全く見向きもせず、突然、無言のままふらふらと立ち上がると、何もなかったかの様に歩き出した。

 子供達はびっくりして呆然としていたが、彼女の異様な様子にクラウドとティファは顔を見合わせた。
 よく見れば、彼女の服装はただのワンピースではなく、まるで病院着そのものだ。
 おまけに、履いているサンダルは、お洒落とはほど遠い、まさに病院で履くような物…。
 ティファは、慌てて女性の腕を軽く掴んで引き止めた。
「あの、すみません。ちょっとだけ、待って……!?」
「どうした、ティファ!?」
 女性の顔を覗き込んだティファが息を呑む。
 クラウドは、ティファが小刻みに震えているのを見てサッと顔色を変えた。
 そして、ティファの視線の先にある、女性の顔を覗き込む。

「……あ」

 クラウドの目に、彼女の瞳の色が飛び込んできた。

 自分と同じ瞳の色…。

 魔晄を浴びた者の証の色…。

 強い衝撃に言葉もない二人の目の前では、虚ろな瞳をした女性が頼りなげにふらふらと体を揺らしていた。



「やぁ、あの時の!!」
「はい、あの時はお世話になりました」

 女性を診療所に連れて行くと、丁度彼女の事を探しに飛び出して来た医師と看護師に出くわした。
 そして現在、診療所の一室で医師と看護師に椅子とお茶を勧められ、四人は寛いでいるところだった。
 
 医師と看護師は、二年前のクラウドとティファの事を良く覚えており、思い出話に花が咲いた。
「あの時は、まさかここまで何の後遺症もなく回復するとは思ってなかったよ」
「フフ、本当に!ティファさんの看病は見ていて本当に頭の下がる思いだったわ」
「そ、そんな事ないですよ」
「いや、本当にティファには感謝してる」
「そうよ!ティファさんにはこれからも頑張って恩返ししないと、罰が当たるわよ」
 楽しそうに笑う医師と看護師の話しに、マリンとデンゼルは興味津々な面持ちで聞き入っている。
 そんな中、ティファは診療所のベッドに横になっている女性を気に掛けずにはいられなかった。

「あの、彼女は…やっぱり…?」
 恐る恐る訊ねるティファに、医師と看護師は顔を曇らせた。
 そっと、ベッドに横になる女性を見つめ、悲しそうに頷いてみせる。
「ああ、魔晄中毒なんだ…」
「可哀想に…。もう十年にもなるのよ…」
「え!?」
「十年も!?」
 看護師の言葉に、クラウドとティファは思わず声を上げた。

 そんな皆の前では、女性が虚ろな瞳を診療所の天井に向け、横たわっている。

「彼女も、クラウド君の様に回復してくれれば良いのだが…」
 重い口調で語る医師の言葉には、言外に望みがないと語っていた。

「十年…」

 思わず口にし、ティファはぞっとした。
 もしも、クラウドが彼女と同じ様に回復しなかったら、今頃まだクラウドは車椅子の上で呻き声を上げていたのだ…!

「治らないの…?」
 悲しそうな顔をして、マリンが医師を見る。
 医師は、淡く微笑むとマリンの頭を優しく撫でた。
「マリンちゃん…だっけ?君は優しい良い子だね…」
「これでも、良くなった方なのよ…」
「え!?これで!?」
 看護師の言葉に、デンゼルがギョッとする。
 デンゼルの気持ちは、クラウドとティファも同様だった。
 無言で目を見開き、ベッドの彼女を見る。
「初めは、歩く事はおろか、椅子に座る事も出来なかったんだよ。体がふらふらしてね…。支えがないとずり落ちてしまってたんだ…」
「そんな…」

 医師の言葉に、マリンが涙ぐむ。
 クラウドとティファは、改めて魔晄中毒の恐ろしさを思い知った気がした。
 クラウドは良くなった。
 そう、それが当たり前では決してないのだ。
 こうして、長年にわたり、苦しめられている人がいる。
 いや、ほとんどの人達が、こうして回復の見込みもなく、ただ寿命が尽きるのを待ち、時を過ごさなくてはならないのだ…。

「彼女は何故、魔晄中毒に…?」
 もしかしたら、神羅の魔手によるものなのか…?
 そう思ったクラウドに、医師は少し考える素振りを見せた。
「これは、非常にプライベートな話に関わるのだが…。まぁ、少しなら良いかな…?」
 隣に座る看護師に視線を移す。
 看護師も苦笑しつつ黙って頷いて見せた。

「彼女が魔晄中毒にかかったのは、本当に運が悪かったとしか言いようがないんだよ。ほら、このミディール一帯は、昔からライフストリームが吹き出すだろう?もちろん、二年前のような大規模のものはこれまでにあまりなかったけど、それでも小さなものは時々あったんだ。それで、彼女はその被害にあったって言うわけさ…」
「では、彼女はライフストリームに落ちたって言うんですか!?」
「ああ」

 クラウドとティファは、絶句して言葉もなく、ベッドに横たわっている虚ろな瞳の女性を見つめた。

 二年前に自分達がライフストリームに落ちた時の事をまざまざと思い出す。
 あの、無数の意識の渦に放り込まれ、気が狂いそうになった恐ろしい経験を…。
 それを、彼女は十二年も前に経験したのだ。
 見た感じ、今の彼女の年齢は、自分達よりも少々若く見える。
 そう、ウータイのお元気娘と同じ年頃ではないだろうか…?

「あの…、彼女っていくつなんですか…?」
「年齢かい?今年で確か十九歳になるんじゃなかったっけ…」
「十九!?」
「って、言う事は九歳の時に…?」
「…ああ、そうなるね…」

 丁度デンゼルと同じ年頃にライフストリームに落ちてしまった彼女…。
 その事実に四人は何も言えず、黙り込んでしまった。

 たった九歳でライフストリームに落ちた彼女。
 そんな幼少時に、あの無数の意識が存在する渦に巻き込まて無事で済むはずなどない。
 たった九歳で人生を終えてしまったかのような彼女に、クラウド達は同情を禁じえなかった。

 その時、彼女が何の前触れもなく体を起こし、ふらふらと部屋の入り口に向けて歩き出した。

「あ、駄目よ」
 看護師がそう言って、彼女の腕を掴む。
 女性は、糸の切れたマリオネットのように、ふらふらと頼りなく体を揺らし、特に抵抗らしい事は何もしなかったが、その虚ろな瞳はじっとドアの付近を彷徨っていた。

「外に行きたいのかな…?」
 マリンが医師に訊ねる。
 医師と看護師は顔を見合わせると、苦い笑いを浮かべた。
「確かに、外に行きたがってはいると思うんだが…」
「違うの?」
 デンゼルの問いに、看護師が悲しそうに微笑んだ。
「外は外でも、船着場に行きたいんだと思うの…」
「え?」
「船?」
「ああ…」

 医師は悲しそうに微笑むと、立ち上がって女性に近づき、そっと彼女の頭を撫でた。
 その仕草は、我が子を愛おしむ父親の様だった。

「きっと、帰りたいんだろう…」
「帰りたい…?」
「ああ。実は彼女がここに入院するようになったのは、ジェノバ戦役に決着がついた直後なんだ。それまで、彼女はここではない所に住んでいてね。私は定期的に往診していただけなんだよ」
 医師の言葉に、クラウドとティファは、二年前を思い出した。
 確かに、クラウドが入院している時には彼女はいなかった。
「では、彼女の家族はここではない場所に住んでいるんですか?」
 クラウドの言葉に、医師と看護師は揃って困ったような顔をした。

 そして、女性をベッドに優しく戻すと、溜め息を吐いた。
「いや、彼女に家族はいないんだ」
「「「「え!?」」」」
「どうも、彼女はストリートチルドレンだったようでね。身寄りが無いんだ。だから、彼女はずっと孤児院で過ごしていたんだよ…」
「身寄りが…?」
「ええ、そうなの。でも、彼女は本当に孤児院で愛されててね。もっと中毒症状の激しい時には、孤児院の人達がそれはそれは献身的に看護されてたのよ…」

 看護師はそう言って、彼女の髪を優しく撫でた。
 クラウド達は、次々と耳にするあまりにも暗い事実に、ただ言葉もなく虚ろな目をしている女性を見つめるしか出来なかった。

「でも、だったらどうしてここに入院するようになったの?」
 恐る恐る訊ねるマリンに、医師と看護師はいよいよ困った顔をした。
「う〜ん、それこそ本当にプライベートな話になるんだけど…」
「でも先生。もう既にプライベートな事を散々言っちゃいましたよね、私達」
 苦笑する看護師に、医師も苦笑で返した。
 そして、クラウドとティファに視線を投げかける。
 その視線の意味に、二人はハッと顔を見合わせた。
「うん、そうなんだ。クラウド君がこの地で回復した事を耳にした孤児院の人達が、彼女を連れてきたんだよ」
「勿論、私達の力じゃないって説明したんだけどね…。でも、もともと彼女はこのミディール地帯の出身だったそうなの。でも、孤児院は今で言うエッジ近郊にあって、彼女が生まれ育った環境とはほど遠いでしょ?」
 看護師が困った様に微笑みながら医師の言葉を継ぐ。
「だから、彼女が少しでも良くなるのなら生まれ育った環境が一番かもしれない…、いや、彼女の『幸せの為』には生まれ育った海と緑の囲まれた環境が良いのかもしれない…。そう悩んでたらしくてね。それはそれは、散々悩んでたらしいの。なにしろ、さっきも言ったけど、彼女はとっても愛されてたから、皆、別れるのがイヤだったのね。何しろ、ここは孤児院からうんと離れてるでしょ?だから彼女をここに送ったらそう簡単に会えるものじゃないし…。そんな時に、クラウドさんの話を聞きつけてね。それで、思い切って入院する事に決めてしまったの」

 四人は再び黙り込んだ。
 クラウドとティファの心境は複雑だ。
 確かに、同じ病に倒れた人が回復した…と話を聞けば、どんなに小さな事でも縋りたくなるだろう…。
 それが、例え医師や看護師の力で回復したのではないとしても…。
 どうにかして治してやりたい…、そう思うなら彼女の周りの人達が彼女を入院させた気持ちが良く分かる。
 しかし、クラウドとティファの様に、ライフストリームにもろとも落ち、あの精神の渦の中でバラバラになった心を一つにし、そして生還する…。
 そういう体験をしたからこそ、今のクラウドを手にする事が出来たのだ…。
 そんな事が、他の人に出来るとは到底思えない。
 と、言う事は……。

 クラウドとティファは、どちらからともなく互いの手を強く握り締め、悲しそうに、そして哀れみの眼差しを、虚ろな瞳の彼女に向けた。
 ベッドの彼女は、虚ろな眼差しをドアの付近に彷徨わせながら、まるで人形のようにベッドに横になっている。
 何の感情も見せないその顔は、まるでショーウィンドーに並んでいるマネキンの様だ。
 通行人がいくら眺めても、決して動く事無く、すました顔をし、あらぬ方へ視線を投げている、あの人形の様な…。
 しかし、もし医師や看護師の言う様に、『帰りたい』と思っているのなら、少なくとも彼女には感情が残っている事になる。
 『想い』が残っている事になる。
 それを、尊重する事こそが、彼女にとって良い事なのではないだろうか……。

「ねぇ、ところでさ。この姉ちゃんの名前って何?」
 デンゼルの質問に、医師と看護師を含めた全員が「ああ、そう言えば…」と、今まで名前すら知らなかった事に気付いた。
 そして、看護師が苦笑しながら「ええ、彼女の名前は…」と言おうとした時、診療所に誰かがやって来た物音がした。
 診療所のドアがやや乱暴に開けられ、次いで「先生、こんにちは!」という声がする。
 僅かに息を切らした男性の声は、まっすぐに今クラウド達がいる小部屋に届き、すぐに誰かの足音が近づいてきた。
 すると、それを聞いた医師と看護師はパッと顔を輝かせ、嬉しそうな顔をして彼女を見た。
 看護師がいそいそと彼女を起こして、ベッドに座らせる。
「良かったわね、彼が来てくれたみたいよ!」
「「「「彼?」」」」
 クラウド達がキョトンとしている間もなく、小部屋のドアが開かれた。

「先生、アイリ、こんにち……は…?」
「「「「あーーー!!!!」」」」

 ドアを開けた人物が、中にいるクラウド達を見て紫色の瞳を大きく見開き固まった。
 クラウド達も同じく、その人を見て思わず声を上げる。

 そんな両者を、医師と看護師が目を丸くして見つめた。


 プライアデス・バルト。
 予想もしなかった人の登場に、クラウド達は目を丸くして、同じ様にびっくりしている青年を凝視した。