ベッド脇に置かれているローチェスト。 その上には置時計とサングラス、そしてスティックタイプの黒い金属がぽつねんと置かれていた。 光沢のあるそれは、室内に入り込む外からの僅かな明りを受け、鈍く光っている。 それを見るとはなしに見つめながら、クラウドはぼんやりと横になったままだらしなく四肢を伸ばしていた。 手を伸ばせば届くその距離。 だが、とてもとても…果てしなく遠い所にあるかのようなその存在に、いまだ手を伸ばせられない自分を心の底から侮蔑する。 『 − クラウド − 』 懐かしい、と言うにはまだ時はそれほど過ぎていない。 たかだか3週間と少ししか経っていないのだから。 それなのに。 『 − クラウド − 』 もう、こんなにも苦しい。 今、こうして普通に息をして、温かく感じるベッドに横になっていられることが信じられないほど、胸の中は空っぽだ。 ただただ、触れたい、声が聴きたい。 会いたくて、会いたくて、空っぽになったはずの心が苦く軋んで血を流す。 だが、もうそれは叶わない。 永遠に叶うことはない。 いや、死ねば会えるだろう、星の中で。 だが、そのために自分で自分を死に追いやっても恐らく願いは叶わないだろう。 自殺した人間が、人生を全うした人たちと同じように星を巡れるとは思えない。 そんなの、勝手すぎるし公平ではないだろう。 あぁ、だけど。 今生(こんじょう)で会うことが出来なくとも”声”は聴ける。 今すぐにでも聴くことが出来る。 簡単だ。手を伸ばし、スイッチを入れれば良い。 それだけで、あの日途中で遮った続きが聴けるだろう。 だけど。 どうしてもどうしても。 どうしてもそれが出来ない。 それを聴いてしまうということは、認めてしまうということなのだと無意識に知っているから。 ティファの死を受け入れる。 それは、時を永遠に止めてしまった彼女を置き去りに、完全に彼女と分断された人生を歩むことを認めてしまうということ。 永遠に24歳の彼女を置き去りに、自分の人生を死が訪れるその時まで歩み続けるということ。 もう2度と、この先の人生で”彼女の時”が交わることはないと認めてしまうということ。 「ティファ」 囁き声で名を呼ぶと、冷え切った寝室の空気が悲しげに揺れた気がした。 時の剥落 12「クラウド、この建物のことだが腕の良い解体工事の請負業者をリーブが紹介してくれた。今日の午後、来てくれることになっている。それまでに必要なものがないか今のうちに見ておいてくれ」 朝食の席。 ヴィンセントの唐突過ぎるその話しにクラウドはトーストを齧ろうとしていた動きをピタリと止め、呆然とした顔をした。 何を言われたのかさっぱり分からず、ポカンとしたまま視線を送り続けると寡黙なはずのガンマンは「ちゃんと聞こえたのか?」と淡々と問うた。 「いや…聞こえたが…なんのことだ?」 「だから、この1階部分の解体工事の話だ」 さも当然と語るヴィンセントにクラウドは停止していた思考をゆっくり活動させた。 1階部分の解体工事、ということは即ち店舗部分、セブンスヘブンのことだ。 店主であったティファが亡くなり、その跡を継ぐ者がいないのだから解体して新たに部屋を作った方が良いのは分かっている。 分かっているのだが…。 「冗談だろ?」 「何故私がそんなくだらない冗談を言わなくてはならない?」 「俺は認めた記憶はない」 「だろうな。私もお前に許可をもらった覚えはない」 「だったら!」 「ティファの遺志だ。子供たちとの生活をもっとゆとりのある空間で過ごしてやって欲しい…と」 ぐっ、と反論の言葉が喉の奥で止まる。 ティファの遺志、と言われては反論のしようがない。 だがそれでも、思い出の詰まったこの1階店舗部分を解体(消す)などとてもじゃないが容認出来ない。 咄嗟に子供たちへ視線を向けると、信じられないことに2人とも全く動じてはいなかった。 それどころか、動揺するクラウドに訝しげな顔を向けている。 「クラウド、覚えてないの?」 「ティファが遺言でお店を壊して広めのリビングを作ってくれる工事の会社を紹介してほしい、ってリーブのおっちゃんに言ってたじゃないか」 クラウドは目を見開き、そうして気まずそうに視線を逸らした。 覚えていなかった。 あの時。 ティファの葬儀を終えた翌日。 皆が揃っている場でリーブが持ち出したボイスレコーダー。 流れてきたティファの声に心が締め付けられ、大声をあげそうで、泣き叫んでしまいそうで、それを堪えるので精いっぱいだった。 だから、彼女の声を聴きながらも言葉は全く聴こえなかった。 聴きたくなかった…。 「クラウド、今日の14時に業者が来るからそれまでに必要な物と不必要な物を選り分けておいてくれ、とリーブから今朝連絡があった」 ちゃんと伝えたぞ?と念を押すヴィンセントに、だがクラウドは素直に頷くことは出来なかった。 むしろ、淡々と当然のようにティファの思い出が詰まった場所を壊すことに同意を示す仲間に苛立ちが募った。 「認めない」 項垂れるように顔を伏せ、ポツリ、とこぼした言葉にしかし誰も反応しない。 子供たちも、床の上で朝食を摂っているナナキも、言うだけ言って用は済んだかのように黙々とコーヒーを口に運ぶヴィンセントも、クラウドを見ようとすらしない。 それどころか、子供たちとナナキは工事後に出来るであろう広めのリビングの話をしている。 ティファが生きている時に出来れば良かったね、とか、でも工事の音って絶対にうるさくて大変だからやっぱり生きている時には無理だったよね、とか、だけどやっぱりティファにも綺麗になったリビングを見せてあげたかったな、とか言っている。 きっと、広いリビングを見たら嬉々として色々な家具とかを置いて家の中を綺麗にしていくことを楽しんだだろうと、話をしている。 その周りの反応に、クラウドはこの数週間忘れていた”感情”を爆発させた。 「ふざけるな!」 立ち上がり、テーブルを激しく叩く。 怒りは言葉となって腹の底から飛び出し、楽しげですらあったその場の雰囲気をあっという間に吹き飛ばした。 目を丸くして見つめる子供たちやナナキのその姿にすら迸(ほとばし)る怒りが煽られる。 「ティファが亡くなってまだ1か月も経っていない。それなのに、店を壊す?新しい物に作り替える?ふざけるな、俺は絶対に認めないからな!」 激しい語調、放たれる怒気は和やかな朝の雰囲気を強い緊張を強いた殺伐とした空気へ豹変させた。 クラウドは怒った。 とてつもなく怒った。 その怒りは重大なことをさも当然のことのように淡々と言ってのけたヴィンセントに向けられただけでなく、子供たちやナナキ、更にはこの場にいない仲間たちにまで向けられていた。 ティファがどれほどこの店を大事にしていたかを知っていたくせに。 彼女の遺志というだけで彼女の思い出が詰まっているこの店を消すと言うのか? まだ。 まだティファを思い出に変えるには時間が足りな過ぎるというのに。 それなのに、もうみんな、ティファを思い出の住人に変えてしまったというのか? だから、こんな暴挙に出られるのか? 認めない。 認めない、認めない、許さない! ティファを過去の人にしてしまうなど、絶対に許さない! 「クラウド、お前に止める権利はない」 「なに!?」 「未(いま)だにティファの最期の願いを聴くことすら出来ていないお前にティファの遺志を止める権利はない」 いつの間にか自分でも気づかないうちにヴィンセントの胸ぐらを掴んでいたクラウドは、振り上げた拳をそのままに硬直した。 一方、あわや殴り飛ばされる寸前だった当の本人は、表情のない顔を全くそのままに、冷めた目でクラウドを見返している。 子供たちもナナキも思わず腰を上げていたが、決定的な一言を口にして動きを封じて見せたヴィンセントに…、封じられたクラウドに…、ただただ目を向け続けた。 視線を受けながらヴィンセントは胸ぐらを掴まれたままの状態で口を開く。 「クラウド、いつまで立ち止まっているつもりだ?皆、辛いのは同じことだ。お前には平気そうに見えているかもしれないが、それは見かけだけのこと。お前と何ら変わりはない」 クラウドは唇を食い破らんばかりに噛み締め、握りしめた拳を開くことも、ヴィンセントから手を離すことも出来ず、語られる言葉をただただ無理やり受け取らされている。 「立ち止まり、ティファのいない現実を否定し、自分1人が辛いと勘違いしているお前に私たちの決定に対してどうこう言う権利はない。口を挟みたければ、自分らしく走り抜いたティファの最期の頼みくらい耳にしてからにしろ」 その一言は、なによりもクラウドの心を貫いた。 『自分らしく走り抜いた』 まさにその通り。 ティファは最期の最後までティファ・ロックハートだった。 自分のことよりも人を優先し、寂しがり屋でちょっぴり甘えん坊で。 そうして、どこまでもどこまでも愛情深い人だった。 そんな彼女の最期の頼みであろう遺言をいまだに聴くことが出来ていない自分が口を挟む権利など確かにない。 だがしかし、それでもやはり彼女の思い出が色濃く残っているセブンスヘブンを失くしてしまいたくはないと言う気持ちを抑えることなど出来ない。 それに、やはりヴィンセントの言い分には怒りを覚える。 それも激しい怒りだ。 正論をぶつけることで反論を封じ、ティファを喪った現実を必要以上に突き付け、深手を負った心をさらに痛めつける彼の言い分は、クラウドにとってどれもこれも容認出来ないことばかりだった。 だがそれを論を持って抗うことが出来ない自分にこそ問題があるのだと分かるからこそ、尚のこと心の中が荒れ狂うほど強く激しい怒りを覚えるのだろう。 口下手だとか、そういうのではなくヴィンセントが言っていることがすべて正しいともう認めているからだ。 そう、自分は逃げている。 ティファを喪った喪失感と言う隠れ蓑を手にして、現実と向き合うことから。 子供たちの保護者としての立場から。 成人した1人の人間としての最低限の義務から。 だがどうしたら良い? ティファが生きている時はただただ彼女を一番に考えて我武者羅に頑張れば良かった。 ティファの病気を知って約半年、ずっとそうして過ごしてきた。 それが無くなってしまった今、何を寄る辺として過ごせば良いのかがクラウドには分からない。 分からないから立ち止まり、思い出に縋り、現在(いま)を否定する。 それを、もうやめろとヴィンセントは言っているのだとクラウドにはもう分かった。 深い悲しみにある中、それでも皆、彼女に恥じないよう、彼女の遺志を継いで歩いている。まだ幼いデンゼルやマリンですら…。 それなのに、お前は一体何をしている?とヴィンセントは問うている。 立ち止まり、自分の殻に閉じこもり、ティファがいなくなったという現実から目を背け、傷つきながら懸命に生きようとしている子供たちの姿から目を瞑り、そうして彼女の最期の言葉すら聴こうとせずに耳を塞いでいる。 だから。 ちゃんとティファの最期の声(遺言)を聴け、と。 逃げず、立ち止まらず、最期の最後まで戦い続けた彼女に倣ってお前も戦え、と。 あぁ。 これほど残酷な言葉があるだろうか? 未だ、彼女の死を受け入れきれていないクラウドにとって、これ以上残酷な勧めはない。 残酷で、情け容赦のない正論をぶつけてきたヴィンセントに、クラウドはこれ以上ないほど打ちのめされていた。 だから、子供たちがどれほど辛そうな顔をしているのか、ナナキがどれだけ苦しそうに顔を歪めているのか、全く気付かなかったし、そもそもこの場に自分とヴィンセント以外の人間がいるということすらこれっぽっちも意識が向いていなかった。 人前でこんな姿を晒すのは恥以外の何物でもないと普通なら恥じ入るばかりであろうに、追い詰められていたクラウドは全く気付かない。 クラウドは小刻みに震えながら胸中で荒れ狂っている憤怒と、それに混じる羞恥にただただ突っ立っていた。 相変わらず手は拳を握り、反対の手は仲間の胸ぐらを掴んでいる。 両の手を開くことも、拳を繰り出すことも出来ず、ただ突っ立って悔しげに唇を噛み締めているだけ。 そしてヴィンセントは攻撃の手を緩めなかった。 どこまでも情け容赦なく、クラウドを追い詰めた。 「聴くことが出来ない、というのなら今すぐボイスレコーダーを持って来い。私がティファの墓に入れてきてやる」 そうして、どこまでも冷たい眼差しを向けながら、硬直して動けないクラウドの手首を掴むと未だ胸元を掴んでいる手を解いた。 振り払うのではなくじっくりと力を込めて、己の胸ぐらから手を離させた後も逆に青年の手首を掴んだまま、クラウドの傷ついた目を、己が傷つけたその双眸を真正面から見つめ返し、しつこいくらいに言葉を口にする。 「それすら拒否するというのなら私が取りに行こう。お前は何もせず、自らの負うべき責任を放棄し、ただただ黙って事の成り行きを見ていれば良い。邪魔さえしなければ私たちはお前が過去に縋って鬱々と過ごすことに口を挟まないと約束してやる」 「ティファの遺志は私たちが継いでやるから心配するな」 どこまでも無情で冷たい冷たい言葉だった。 ティファの遺志を継ぐのはお前には無理だ、と。 お前はそのことに一切かかわるな、と宣告されたも同然だった。 ティファが自分に託したかもしれないモノ全てから手を引けと。 それはクラウドにとって、ヴィンセントが見限った、と言っているに等しい言葉だった。 近しい人から見捨てられて、果たして平然としていられる人間がいるだろうか? 激しい衝撃。 ついで襲ってきたのは深い深い孤独と恐怖。 お前には何も期待しない、と親しい人から言われることほど、ツライものは他にあまりない。 クラウドのアイスブルーの瞳が見開かれる。 強く傷ついたその瞳み気づいた子供たちとナナキが流石に止めようと身を乗り出したが、それを制するようにヴィンセントはそれまで氷のように無表情だったその顔(かんばせ)に微かな微かな温もりの色を浮かべた。 「まあ、そんなことを私が言ったところで肝心のティファが納得しないだろうがな」 「……ヴィンセント…」 弱々しい掠れた声のクラウドにヴィンセントは軽く肩を竦めて見せると、掴んだままの彼の手首を軽く引き、力なく引っ張られるままになったクラウドの背をポンと押しやった。 押し出された先にあるのは居住区への階段。 クラウドはフラリと2・3歩進んで躊躇ったように足を止めた。 だが、結局振り返ることなくゆっくりゆっくり、逃げていた現実へ向き合うために足を踏み出した。 * それに手を伸ばすまでに数分。 更にスイッチを入れるまでに数分。 クラウドは深く息を吸い、破裂しそうなほどに打ち鳴らす鼓動を宥める。 そうして。 『 クラウド 』 彼女の声を耳にした途端。 クラウドの喉がヒュッ、と鳴った。 一気に両目と胸の奥がカッと熱くなり、喉の奥から喘ぐような呼吸音が漏れてくる。 まだ1か月も経っていない。 だが、もう1か月近くも聴いていないティファの…声。 それは、覚悟をした以上の強くて深い感情となってクラウドに襲いかかった。 こみ上げるものを持て余している間にもレコーダーは動いている。 ティファが何かを言いかけ、躊躇っている空気までもが感じられて、そのリアルさに手を伸ばせば触れられるような錯覚すら覚える。 リーブ、と何故かティファはクラウドへの言葉の途中で仲間を呼んだ。 『ごめんなさい…ちょっと出ててもらっても…?』 『はい、勿論ですよ。やっぱりクラウドさんへの言葉は他の人の前では言いにくいですよねぇ』 『もぉ、リーブ』 リーブのからかうような声にティファが照れたように笑って答える。 そうして、がさごそとノイズの様な音やリーブが操作を説明し、それに応えるティファが短く礼を言うのが聞こえた。 それらの音が落ち着いて、一呼吸するほどの間の後…。 『クラウド』 改めて名を呼ぶティファの声。 静かな静かなその声音に胸が震える。 ティファは小さく笑みを含ませた声で『ちょっと…恥ずかしいな』と呟くようにこぼした。 『本当は…もっと素敵な、というかカッコいい言葉を遺せたら良いんだろうけど…。色々考えてたのにな、ちょっと言葉にならないな…』 そうして、ん〜〜、と考え込む声が流れた。 クラウドはベッドに腰掛けたまま、目を閉じる。 ティファが何を伝えようか真剣に、でもちょっぴり照れながら考えている姿が瞼に浮かぶ。 薄ら口元に笑みを浮かべ、少し小首を傾げるようにして考えているティファの姿が。 それだけでもう胸が締め付けられる。 『クラウド。今まで本当に沢山沢山、ありがとう。本当に…私の我儘を沢山聞いてくれて、私を一番に考えてくれて。 病気が分かってからずっと、自分のことも、お仕事も放り出させちゃってごめんなさい。 私がごめんね、とか、ありがとう、って言うと、いつも『気にするな』って言ってくれて…。 私、そう言われるたびに申し訳ないなって思ってたんだけど、それ以上にすごくすごく幸せで、嬉しくて。 本当は、もっともっと、沢山一緒にいたかったけど、でも、やっぱり私以上に幸せな女はいないって胸張って言えるわ』 『だって』 『大好きな人にこんなに大切にされてるんだもの』 『ねえ、だから』 『クラウド。どうかどうか、これからはクラウドらしく、クラウドの時を歩いて欲しい』 『私が最期まで私として歩けたように、クラウドはクラウドらしく、歩いて欲しい』 『ぶっきらぼうで、無愛想で、でも本当はとても優しくて』 『ほんの少しの笑顔で私を幸せにしてくれる素敵な人…』 『ちょっと寂しがり屋で、意外と繊細で』 『色々なものをすぐにズルズル引きずっちゃうんだけど、でも、ちゃんとそういうのをちゃんと自分の中で片を付けて、前を向いて歩ける人』 『クラウド』 『今日までアナタが私を守ってくれたように、これからは私がアナタの傍にずっといるわ』 『見えなくても、触れられなくても』 『私は…クラウドと共にずっといるから』 『だからクラウド』 『クラウドは…1人じゃないよ』 『魂は星を巡るのが命あるものの掟なら、私はそれに従わなくてはならないかもだけど』 『心は…あなたのところに置いて逝くから』 『私の心だけは…アナタのもの』 『だから、これからはアナタの苦しみも、痛みも、辛さも、寂しさも全部全部、私の心も負っていくわ』 『クラウド、アナタが味わうツライ思いが半分で済むように』 『そして、いつか。いつの日か、アナタに”その時”がやって来たら、私、星の中を巡る旅を途中で放り出してアナタを一番に迎えに行ってあげる』 『エアリスやザックスよりも早く、アナタを迎えに行くわ』 『ねぇ、そしたらクラウド。沢山沢山、お土産話を聞かせてね?』 『だから、出来るだけその日が遅くなるように頑張って…、頑張って生きて』 『沢山沢山、色々なものを見て、聞いて、触れて、感じて…』 『私に沢山聞かせて欲しい』 『クラウド』 『本当に…本当に、沢山、沢山…ありがとう』 『大好き』 『大好き』 『大好き』 『………愛してるよ、クラウド』 そうして、嗚咽交じりのティファの遺言(最期のラブレター)は終わった。 |