あとがき。

 長らく続けてしまった『時の剥落』ですが、これで終了です。
 こんなに長くなるとは思いもしませんでした。

 クラウドにとってティファが死んでしまう、自分の存在理由を喪ってしまう、そこからの再生、というよりもむしろ、ティファをいう絶対的な存在を喪う確定した未来をどう足掻くか、を描きたかった今回のお話。
 もう少し、お話の途中でクラウドの苦悩とかを描きたかったのですが、これ以上くどくなるものなぁ、と割愛しました。
 でも、本当に家族や愛している人が死を迎えるその姿を間近で見守るというのは、信じられないほどの精神力を使います。
 それに伴って、自分の中でも大切なものが摩耗していくのを味わうこともあります。

 わざわざそれをリアルにお話に起こすのも、私自身がきつくなりましたのでかなり美しく表現してみましたが、実際は…ね。

 ラスト。
 クラウドはどうしようかなぁって思ったんです。
 天寿を全うさせようかしら?とか。
 でも、やっぱりごめんなさい、今回の道を選びました。
 なんか、クラウドが穏やかな老後を迎えるとかちょっと想像出来なかったので。

 最愛の人に死に別れ、自身も事故に巻き込まれて他界ってなると、ちょっと不幸な人生に思われそうですが、でも幸せの定義はその人によりにけり…ですからね。
 クラウドは決して不幸な人生ではなかったのですから。

 ダラダラとあとがきを続けるのもおかしな話だと思いますので、まだまだ言いたいことはありますがこの辺で。

 最後に。
 ここまでお付き合いくださった皆様に心からの感謝を…。