「よぉ、あんたも少しは闘えるみたいだけど、残念だったな」 「この村のことはもう既に俺達に任されてるんだぜ」 「というわけで、あんたには関係ない。だろう?」 「この意味が分かるかな〜?」 「俺達に任せとけってそう言ってんの」 わかる〜? 小バカにしたように嘲笑しつつ嫌みったらしく顔を覗き込んでくる男達に、クラウドは反射的に殴り倒したくなるのをぐっと堪えた。 我が背中預けるに足る友よ、ゆえに我は…。(前編)クラウドはヤニと酒臭いその男へ思い切り顔を顰めた。 どう考えても酔っている。 だが、彼らが言うことも一理あるからこそ、余計に腹立たしい。 しかし怒りに任せて『この場』を動くわけにも、気に食わない男達の前から去るわけにもいかなかった。 クラウドの足元には幼い弟妹がギュッと手を握り合い、怯えながらクラウドのズボンにしがみ付いていたからだ。 (まったく…とんだ災難だ) 災難に見舞われたのは当然のことながら、こんなことに巻き込まれてしまった自分自身と、怯えながら自分にしがみ付いている弟妹、いやこの村の人達全員だったり…色々複雑に絡み合っている。 もしも1週間…、いや3日でも早くこの村へ配達の依頼があったなら、あるいはこんなにややこしいことにはなっていないかもしれない。 だがそればかりは致し方ない。 これも運がなかった…ということだろう。 「というわけで、兄ちゃんは引っ込んでな」 「そうそう」 「あ〜、でもよ、どうしても!俺様達の華麗な戦いぶりを見学したいってんなら邪魔にならないよう下がって見学するように」 居丈高にそう言って、まだ若いその男達は哄笑した。 大口を開けて笑う自称『ガーディアン』達に、クラウドは苛立ちと同時に呆れも感じた。 一方で、クラウドにしがみ付いている弟妹は勿論だが、こっそり窓や家の軒先などから村人達が不安げに窺っている。 誰も彼もが、自称ガーディアンなる『用心棒』を信じきることが出来ていない。 クラウドは村人達の視線と不安げな空気を正確に感じ取っている。 だからこそ目の前で哄笑しているバカに対し、憤りも感じるしこの場を彼らに任せるきることが出来ないため、去ることすら出来ない。 (やれやれ、本当にとんだ災難だな…) 心から村人達に同情すると共に『信じ切れない』彼らの判断に同感だった。 クラウドもガーディアンと称する彼らの腕に不安を感じずにはいられなかった。 勿論『用心棒』を生業としているだけあって一般人よりは腕が立つようなくらいの『気迫』と『闘気』は感じる。 だがしかし、それもジェノバ戦役の英雄から見たら、非常に微々たるものでしかなく、彼ら5人で本当に大丈夫だろうか…?と思ってしまうのだ。 この小さな村は世界地図にすら載っていない。 まぁもっとも、元々は神羅が数年前まえ牛耳っており、正確な世界地図は全て神羅が握っていて、一般庶民達には詳しい地図など手に入らないようになっていた。 だから、地図に載っていない村というのは実はそんなに珍しくない。 だが、ここ最近ではようやっと星の復興があちこちで進んでくれているお陰で、小さな村の人達も近くのちょっとした町との行き来が出来るくらいにはなってきた。 そうなると、勿論村を出て出稼ぎに出ている人や、嫁いだ人等々、地図に載っていない村の出身者達が自分達の村を地図に載せたい、という気持ちが出てきて当たり前だ。 それに…。 『ウータイから南南西に行ったところの村』だとか『ゴンガガ村から東に15キロくらいにある村』という、酷く曖昧な表現で自分達の出身地を述べていた。 だがこれからの生活を考えると地図に載っていないという生活は非常に不自由になっていく。 配達する手段が増えてきたからだ。 当然、物資の流通のためにはどうしても地図は不可欠だ。 というわけで、今、世界は非常に良い方向へと成長していっている。 星に共に生きる人間なのだ、どの大陸にどのくらいの村があって、町があるのか興味を持つ者も多いし、『自分達はちゃんとここで生きている』という証みたいなものが欲しいと思う者も多い。 ただ単純に、商売を拡張していきたいと思っている商人達の独自の行動であったり、あるいは『地図』を売り物にする者まで出てきていて、今では非常に正確な地図が手軽に手に入るようになっている。 そうして、クラウドの仕事は確実にスピーディー且つ正確に届けられるようにもなっていた。 だから、いまだに地図にも載っていないこの小さな村が今、小さな危機に直面しているとは思いもよらなかった。 クラウドが初めてこの村に到着した時、クラウドは村人達から熱烈な歓迎を受けた。 動ける大人全員が包丁やナイフ、鍬(くわ)や鋤(すき)、はては猟銃まで持ち出して完全包囲したのだ。 クラウドは目を丸くしながら、手に手に武器を持ち、かすかに震えて腰の引けている村人達を見渡したのだった。 結局、クラウドの配達先の人間がこの村の村長であり、村長の一人娘が父に宛てた『ウータイの地酒』と彼女の手紙によって、クラウドはめでたく無罪放免となったのだ。 やれやれ。 軽く息を吐き出して無罪放免されたクラウドは、自分以上に全身から安堵の溜め息を吐き出し、疲れきった顔をしている村人達に首を傾げた。 「いやぁ…本当に申し訳ない…」 「あ…いや別に」 平身低頭。 頭を再三下げて詫びる村長に、クラウドはかえって申し訳なくなった。 どう考えても自分の方が被害者なのに、疲れきった村人達を見ていると何事かにこの村が見舞われていることなど容易に想像がつく。 というわけで、クラウドは頭を下げ続ける村長に理由を聞いた。 何が起こっているかわからないが犯人扱いされたのだ。 少しくらい聞く権利はあるだろう。 そう言うと、村長は重い口を開いた。 数週間前からこの村はモンスターに教われるようになったという。 ファングタイプのモンスターだそうだ。 地区的にもファングタイプのモンスターが現れてもおかしくはない。 そう頭の中で敵の分布図を思い描きながらクラウドは黙って頷いた。 村長は深くて重い溜め息を吐き出しながら、「しかし、それだけではないんです」と、物憂げに言った。 無言で続きを促すクラウドに、村長は自然と低くなる声を押し出した。 「モンスターを操っている人間がいるんです」 紺碧の瞳を見開き、クラウドは息を呑んだ。 村長はクラウドの驚きを分かっている…と言わんばかりに苦々しい表情を浮かべた。 「操っている人間を見た者がいるわけではありません。しかし、あんなに統率され、まるで1つの意志の下で村を襲うファングをこの目で見たワシらにはそう思えて仕方ないんですよ」 クラウドは言葉もなく黙ったまま村長から視線を逸らした。 ようやっと自分が殺気立った村人達に包囲されたのが分かった。 見ず知らずの…、しかも化け物みたいなバイクを操る人間が現れたら、誰だって真の黒幕が現れたと疑うだろう…。 クラウドは言いようのない憤りを感じながら村長の家の外で物々しく集まっている村人達を見た。 彼らの顔にも疲労の色が濃い。 その中に、まだ幼い弟妹がいた。 デンゼルとマリンよりも幼い。 初めてクラウドがセブンスヘブンで会った時のマリンくらいではないだろうか? 今ではすっかりティファの次にセブンスヘブンを切り盛りして頑張っているマリンを思い出しながら、ふと頬が緩む。 「あそこの幼子、見えますかな?」 クラウドの視線の先に気づいたのだろうか? 村長がそう言った。 クラウドは黙って頷きながら、腰の曲がっている村長を見下ろした。 村長の表情が暗い。 クラウドはイヤな可能性を頭に浮かべて顔をしかめた。 村長はクラウドの表情の機微を視線を追わずして察したのだろう。 ゆっくりと頷いて、 「…一週間前でした。ファングの大群が押し寄せてきましてな」 「…そうか……」 何も言えない。 言うべき言葉が見つからない。 「あの子達はあれからすっかり心を塞いでおりましてな。唯一、あの子達を支えたのは年の離れた兄でして。今はエッジに住んどります」 クラウドは眉間にしわを寄せた。 両親がモンスターに殺された。 幼い弟妹は生き残っている。 なら何故、兄はエッジから帰って来ない? 自分1人、のうのうとエッジで生活しているというのか? クラウドの心を読んだように、村長は「いやいや、違うんですよ」と前置きをして苦い笑みを浮かべた。 「携帯電話という便利なものは、コミュニケーションをとるには素晴らしいですな。じゃが、携帯電話が運んでくれるのは声と音だけ。人間の体までもは運んでくれません」 その言葉で、クラウドは得心した。 クラウドは自分がどのようにして世界を駆けているのか失念していた。 クラウドのように荒野を走り回る人間はあまりいない。 腕の立つ者でなくては、この星の移動は長距離になればなるほど命がけとなる。 交通手段は増えた。 だが、だからと言ってエッジに住む幼い弟妹の兄がこの村に辿り着くには1週間以上はかかって当たり前なのだ。 船を乗り継ぎ、村から町へ、町からまた村へ。 その停留した村や町から一番近いところへまでしか交通網はない。 1つ飛ばしくらいならなんとかなるかもしれないが、この小さな地図にも載っていない村に帰ってくるのはとんでもなく大変だろう。 旅費もかかる。 一般庶民には、この星の情勢はまだまだ優しくない。 それをリーブは分かっているから、WROの基盤をもっともっと、力強いものにしたいと考えている。 それもなるべく早く。 クラウドは改めて自分達ジェノバ戦役の英雄は交通手段に恵まれていることを感じた…。 そうやってクラウドがしみじみ感じ入っている時、突如として警鐘が鳴り響いた。 村の中心に立てられた見張り台。 そこから見張り役の村人が青くなって警鐘を鳴らしている。 村長の家の前に集まっていた村人達に緊張が走った。 「来たー!!来たぞーー!!」 一気に場が騒然となる。 クラウドは腰のソードホルスターに手を伸ばそうとした。 が、それを止めたのは村長の一言だった。 「さぁ、ガーディアンの方々を今こそ!」 「はい!!」 誰かが素早く答え、一軒の家に駆け込んだ。 クラウドがじっと見ていると、慌てたように駆け込んだ村人が、これまた慌て気味に、しかし精一杯腰を低くして、 「さぁ、皆さん、どうかお願いします!」 現れたのが、冒頭の若い5人組みだった。 クラウドよりは年は上だろうが、それでも30歳になってるかどうか…。 そんな若い青年5人をこの村が一体どういう契約で雇っているのか不明だが、彼らは出てきた時から酒とヤニの臭いをぷんぷんさせていた。 だがしかし、流石に『自称ガーディアン』を名乗って用心棒を買って出ていることはある、足取りはしっかりしていた。 酒に酔って気持ちが尊大になっているが、『騙し取ってやる』とか『モンスターを操る人間の仲間で、わざと村を襲わせて用心棒を名乗る自分達が村を助け、報酬をピンはねするような最低な人間ではないようだ。まぁ、これは直感なのだが…。 だがしかしそんな危険要素よりも…。 (あの調子で大丈夫なのか…?) 元々の実力は分からないが、ちょっとした立ち居振る舞い、身のこなしは只者ではないことが分かる。 だが…。 「あのぉ。本当に大丈夫なんでしょうか…?」 村人の気持ちを代表して村長が恐る恐る訊ねる。 途端、ガーディアン達は一斉に振り返った。 村長がビクリ、と身体を震わせた。 彼らの怒りを買ったのでは?と恐れたのだろう。 クラウドはその反応にも引っかかった。 本当に彼らはどういう契約でこの村にいるのだろう? いつから? 村長の怯えた様子に男達は満足したのか、にやにや笑いながら村長の細くもろそうな肩をポンポン叩いた。 「まぁまぁ、村長。俺達に任せとけって」 「それにしてもラッキーだよなぁ、この村は。地図にも載ってないのにこうして俺達みたいな腕の立つ用心棒を雇うことが出来てよ」 大口を開けて笑う男達に、村人達はソッと自分達の家に入ったり、高い木に登って息を潜めた。 家に戻らず木に登った方が安全と判断したのかもしれないし、用心棒の戦いぶりに興味があるのかもしれない。 村長とのやりとりだが、どうも必要以上に態度がでかい。 クラウドはそっと村の状態を見回した。 どう考えても、そんなに豊かな暮らしぶりはしていないだろう。 だからこそ、ちょっと心配になる。 恐らく、このガーディアン達は沢山の見返りを要求したはずだ。 それに、昼間から酒を飲むとは自分達の役割に対して責任感を持ちえているとは思えない。 必要以上に腰の低い村長を初め村の人達の足元を見ていることは明白だ。 彼らが飲んだ飲食代もタダにしているはず。 そう考えると、 (何て奴らだ。) 憤りを感じずにはいられない 両親を亡くしたばかりの幼い兄妹を知らず知らずのうちに視界に入れていたクラウドは、あのしまりのないニヤニヤした顔を殴りたくなった。 だが、そんなこと出来るはずもない。 男たちへの憤りを…、自分の気を晴らすことよりも幼い弟妹を自然と優先してしまう。 そして、この小さな子供達を残して星に還ってしまった彼らの両親の無念さを思わずにはいられない。 たまらない…! だからつい…。 「大丈夫か…?」 小さな顔が2つ、驚いてクラウドを見上げた。 そっと歩み寄ったクラウドに気づいていなかったのだろう。 兄妹の傍にいた恰幅の良い中年の女性が子供達を守るように背後に隠す。 だが、クラウドは女性を無視したまま(元々眼中になかったのだが)片膝を立てるようにして兄妹の視線に合わせ、もう1度同じ台詞を口にした。 どうにもデンゼルとマリンを想像させるこの幼子が気になって仕方ない。 もしも…。 もしも、自分やティファが目の前で無残にも殺されたりしたら、あの子達はどうなるだろう…? いや、勿論仲間達が責任をもって養ってくれるに違いない。 だがそうではなく、デンゼルとマリンの心には決して消えない深い傷跡が残されるだろう。 そんなことを考えてしまう。 そして考えれば考えるほど、この幼子達を少しでも慰めたくなるし、出来ることなら両親の敵を討ってやりたくなる。 だが、自分にはその役は回ってこない。 既にこの村は用心棒を雇ったのだから…。 そして、もうすぐそこまで元凶であるモンスターの大群がやって来る。 のんびりと大欠伸までしながら、緊張感に欠けるガーディアン達をなるべく意識の外に締め出し、クラウドは少年達を心配することにのみ意識を向けた。 そうしなかったら、不謹慎な態度を取り続ける彼らを再起不能にしてしまいたくなる。 元々が無愛想、口下手なクラウドにとって、幼子に声をかけるなど信じられない快挙だ。 だから、これ以上気のきいた言葉をかけるなど、期待しないでやって欲しい…、と仲間達なら言うだろう。 残念ながらこの場に仲間は1人もいないのだが…。 だからこそ、クラウドのフォローをしてくれる人間がいないため、中年の女性はもとより、村人達が突然しゃしゃり出てきたクラウドに良い顔をしなかった。 子供達を背後に隠す女性に肩入れしようと動く者も少なくない。 彼らにとって、クラウドはあくまで『配達人』なのだ。 時期の悪い時に訪れた『配達人』。 それだけの存在。 少々頼りないが、もう既にこの村を守ると契約した男達がいる。 クラウドの出番はない。 後ろ髪引かれる思いを胸に秘めてクラウドは、「元気で…、きっと大丈夫だから」そう言い残し、背を向けた。 と…。 「…お兄ちゃんは……闘ってくれないの…?」 少年がおずおずと言った。 小さな手はしっかりと妹の手を握り、少女も恐る恐るではあるがクラウドを見つめている。 少年の視線が腰にぶら下げられているソードとクラウドの顔を行き来していることに気づき、少年がクラウドもそれなりに闘える人間だと思ったことが分かった。 幼いながらも、村が雇った用心棒へ不信感を持っているのだろう…。 いや、村の大人達が心の片隅で感じている不安を子供だからこそストレートに表情に出したのだ。 クラウドは少し言葉につまった。 なんと言って取り繕うべきか暫し迷う。 クラウドはなけなしの言葉で言い訳しようと口を開いた。 だが、クラウドと少年のやり取りを実は聞いていたガーディアンの1人がからんできた。 「あん?俺達だけじゃボクちゃんには不満なわけ〜?」 「大丈夫だって、俺達に任せておけば、殺された村の人達の仇なんかすぐに討てるから」 「そうそう。あ、でも小さい子には刺激が強すぎるから、ちゃ〜んとママと一緒に家に入ってるんだよ?」 へらへら笑いながら、フラフラと寄ってくる。 少年は咄嗟にクラウドのズボンを握り締めた。 クラウドは身体を引いて少年をガーディアンに晒すなど出来るはずもなく、そのまま黙って立ちはだかることとなった。 そうして冒頭に戻るのだ。 クラウドはいつの間にか自分と対峙しているこのガーディアンに『用心棒たる心構え』が全く出来ていない事を悟った。 もう目の前までモンスターが迫っている。 その気配が刻一刻と濃厚になっていく。 今すぐこの村の前衛に出て応戦する必要があるくらいだ。 なのに、この男達は全くそういう行動に出ようとしない。 (まさか…、この村の中で大立ち回りをやるつもりか!?) 脳裏に浮かんだそのサイアクな結論に、クラウドはそのままストレートに男達にぶつけた。 途端に上がる哄笑。 「なぁに言ってんだよ」 「そんなわけないだろう?」 「俺達、これでもちゃんと報酬分くらいは働くぜ〜」 へらへらとどこまでも人をバカにした笑いをするばかり…。 クラウドは男達への怒りが沸点を突破しようとするギリギリ手前で踏み止まった。 「なら、今すぐにでもファング駆除に出かけろ。もう目の前まで迫ってる」 クラウドの怒りのこもった低い声に、男達は哄笑を引っ込めた。 怒気がとって変わる。 「あん?」 「俺たちのやり方にけちつけるのかよ!」 酒で濁った目がクラウドをねめつける。 クラウドの足にしっかりしがみ付いていた弟妹がますます小さくなってしがみ付く手にギュッと力を込めた。 布越しに子供達が震えているのが分かる。 やりきれない。 こんな小さな子供達をこんなに怯えさせている存在がこの世にあるということも。 人の足元を見てふんぞり返って『用心棒』をしているこの男達。 その男達に縋るしか助かる術を持たないこの小さな村。 その全部がやりきれない気持ちにクラウドを追い立てた。 「ちょっと顔が良いからって調子に乗ってんじゃねぇよ!」 「ならなにか?アンタならバッチリ駆除できるってのか?」 「少しくらいソードが使えるからって調子に乗ってんじゃねぇの?」 「大した腕も持ってない人間はな、こんな危険なことは出来ないんだよ!」 「俺達には俺達のやり方がある、間合いの取り方、呼吸の合わせ方、そういうのがあるんだよ」 「分からない奴はすっこんでろ!」 クラウドに散々からみはじめる。 その間にも、刻一刻とモンスターの気配が濃厚になっていく。 クラウドは自分なんぞに絡むばかりでそんな気配に気づいてすらいない様子の彼らに焦燥感に駆られた。 早くしないと、村人の肉眼でも十分過ぎるほどにまで接近されてしまう。 そんなことになったら、この幼子達は一体どうなる?! だが、クラウドの焦りなど微塵も気づくことなくとうとう男の1人がクラウドへ向かって腕を伸ばした。 クラウドが不快気に眉を寄せ、その無礼者の手を払おうとしたその時。 「モンスターが!!」 村人の悲鳴のような一言、同時にモンスターの赤い瞳が村の境界線でもある高い塀を飛び越えて次々進入してくるのを見た。 幼い弟妹が、小さく悲鳴を上げ、クラウドの足に力一杯しがみ付く。 村は大パニックに陥った。 あとがきは最後でvv |