*こちらは『シンデレラ』を基にした完全パロディーです。
 ストーリー、キャラ設定、捏造しまくりです。
 苦手な方、嫌悪感を感じられる人は今すぐに回れ右して下さい。

 なんでもどーんと来いや〜〜!!という度胸のある方のみ、お読み下さい。








「おっかえり〜!」
「お帰りなさい、大丈夫だった?」
「うん」
「大丈夫に決まってんじゃん!なにしろ、エアリスには星がついてるんだから〜!」
「うん…分かってるんだけど…」
「ふふ、ティファは心配性ね。大丈夫よ。それに……意外な事実にも突き当たったし、私としてはすっごく良い『お見合い』だったなぁ」
「「 なにそれ? 」」
「ふふふ、内緒vvv」

 戻って来たエアリスの満足そうな笑みに、ユフィとティファは顔を見合わせた。






シンデレラ……もどき? 10







「上手くやってるんだかなぁ…」

 隠し扉の陰に隠れ、バレットは溜め息をついた。
 独り言のようなその言葉に、
「大丈夫だよ。エアリスは星の申し子だから」
 明るい声音が応える。
 光の届かない影に溶け込むように、ナナキがバレットを見上げていた。

「星の申し子ねぇ…。お前には星の声は聞こえないのか?」
「聞けるのはイファルナの一族だけだよ」
「ってことは、やっぱりエアリスの父親は聞えないんだな?」
「うん、だから最初、ガスト博士はイファルナの力を利用しようとしてるのかと思ったんだ」
「おめえが…か?」

 バレットの極々素朴な疑問に、ナナキはちょっと困ったように首をかしげた。

「オイラも…だけど、イファルナの一族みんながねぇ。だから、一時期はガスト博士、殺されそうだったんだよ」

 ギョッと目を見開く巨漢に、ナナキは苦笑する。

「でも、ガスト博士は本当に諦めが悪くってさぁ。イファルナもそうだけど、すっごく頑固なんだ。あ、勿論良い意味でだよ?んで、長老達を説得って言って良いのか…。とにかく、一緒にいることを認めさせたんだ」
「…なんか…命がけだな…」
「うん、そんな二人の子供だからね、エアリスは良い意味でも悪い意味でもすっごく強いんだ…」
「……おめえも苦労するなぁ…」
「ま、そんなエアリスだから、オイラも大好きなんだけどね」
「そっか…」
「うん。だから、エアリスには幸せになってもらいたいんだ」
「…そっか…」
「うん!」
「おめぇ……良い奴だなぁ…」
「えっ!?バレット、泣いてるの!?」
「ば、ばっかやろう!泣いてなんかねぇっつうの!!」
「え…でも…」
「うるせぇ!!」

 バレットが照れ隠しに思わず大声を上げたその直後。


「おい、なんか声がしなかったか?」


 見回りの兵士の声が二人の耳(特にナナキの聴覚)を直撃した。

 心臓が一瞬凍りつく。


「…ちょっと調べるか…」


 心臓が荒々しく不規則なダンスを始める。
 二人は一瞬、目を合わせると…。



「「 誰だ!! 」」



 兵士の鋭い声を背に受けながら、猛然と走り出した。






「では、次の方〜」

 お見合いは順調に……かは不明だが、とにかく続いていた。
 そっと壇上を見ると、心ここにあらず、といった風の青年と、憮然とした顔の青年がソファーに並んで座っている。
 その前には綺麗に着飾りすぎた女性が、見事なプロポーションをひけらかすように、主に『心ここにあらず』とはなっていない方の青年に迫っていた。

 エアリスと対面してから、令嬢達の関心はもっぱら一人の青年のみに向けられていた。
 恐らく、『赤い獣と会ったことがある』と口にしたのが決定的だったのだろう。
 エアリスと一緒にいる自分達も、どこか遠巻きに、胡散臭そうに見られている。
 もしも兵士に『招待状』を出すよう要求されていたら、即刻つまみ出されるだろうが、今のところそのような要求にはあっていない。
 それがまた、ティファには不気味だった。
 だが、
「大丈夫みたい。王子様がちゃんと108番までは会ってみたいから、あんまり大事にはしないでくれって言ってくれたみたいよ」
 あっさりとそう言ったエアリスに、ユフィは軽く口笛を吹いた。

「やったね、ティファ!さっすがエアリス!!王子様にちゃんと108番って印象を植え付けてくれたんだ〜♪」
「でも……本当に……?」

 はしゃぐユフィとは対照的に、ティファは落ち着かない。
 エアリスがそう言うなら、本当なのだろう。
 きっと、星からこれも聞いたに違いないのだから。
 だが、どうにも胸騒ぎがする。
 このまま。
 本当にこのまま、自分は王子様の前に立つことが出来るだろうか?
 周りの人間を巻き込んで、忍び込んでしまった。
 招待状など持ってない人を…巻き込んで…。
 それに、今も隠し扉の中に不法侵入という罪を負いながら、逃げ道を確保すべく待ってくれている人がいる。
 これがもしも、この城の人間にバレたら…?

 罪を負うのは自分だけだったらまだ良い。
 だが、確実にエアリス、バレット、ナナキは処罰されるだろう。
 もっとも、ナナキが普通の獣のフリをしてくれたら免れるだろうが、エアリスを残して自分だけ保身に走れるような子ではない。
 会ってからまだほとんど時間が経っていないのに、それでもナナキとエアリスの間に結ばれた強い絆を感じずはいられられなかった。
 だから…、きっとナナキは一緒に処罰される。
 バレットとエアリスと一緒に…。
 それに…。

「ティファ、大丈夫だよ」

 明るくのほほんとそういうユフィに、ティファは悲しそうな顔をした。

「ティファ…大丈夫だって〜!」
「そうよ、大丈夫」

 ニッコリと笑ってそう言ってくれるエアリス、ユフィに申し訳なさが募る。
 これがバレた時、招待状を持っているユフィも、処罰されるだろう。
 エアリスがここにいるのは…ユフィのおかげだから。
 ユフィが、遠くの大陸にまで出向き、連れてきてくれたから…。
 だから……処罰される。
 今回の王子誕生パーティーの招待状は、他国には名のある姫や令嬢にしか送られていない。
 だから…。
 不法侵入に手を貸したことになる…。

 ティファの表情がまた一段と曇った。

 ユフィは打ち沈むティファに、すっかり困り果てた。
 お調子者ではあるが、それなりに物事は考えているタイプなのだ…意外にも。
 だから、今回、星の声が聞えるというエアリスが来てくれるのを歓迎した。
 星の声を道標に突き進んでいったら良いのだから。
 だから、エアリスが大丈夫だと言っているなら、本当に大丈夫なのだと思うわけだが、そこまでティファはもしかしたらエアリスを信じてないのかもしれない。

『…まぁ…そうだとしても仕方ないか…』

 ティファはつい小一時間ほど前に初めて会ったばかりなのだから。

 ユフィが、エアリスと一緒にここに戻ってくるまでの間の話をしようか、と考えた時。

「41番、42番の方、どうぞお願いします」
「あ……」
「ユフィの番ね」
「頑張って〜!きっと、面白ことになると思うわ」
「…面白いこと…?」

 意味深に笑うエアリスに、ユフィは首を捻りながら壇上へと向かった。
 41番の女性が、ユフィの姿を見て、ニヤッと笑う。
 完全にユフィよりも自分が上だ!と思っているのだろう…。
 ユフィはムッとしながら、自分に宛がわれた席に腰をかけた。

「では、どうぞお始め下さい」

 大臣の一言で、隣に座っている女性が捲くし立てるように自己紹介を始めた。
 勿論、名乗ることはタブーなので名乗りはしないが、実家がどう事業をしているのかを雄弁に語り始めた。

「ワタクシの実家は主に書物を取り扱っておりますの。その方面での学者の方には時々我が家にお招きして、色々とご鞭撻をとってもらいますのよ」
 彼女も、やはり一人の青年ばかりにアピールしている。
『赤い獣』の話題に触れたほうが、『近衛兵』だと思い込んでいるのだ。


『別に、王子が『赤い獣』の事を言ったって良いじゃん!』


 ユフィはイライラした。
 実際、自分もナナキに会ってから、『不吉な象徴』というものがくだらないデマだと知り、心優しいナナキが不名誉な『不吉な象徴』と言われている事に理不尽な怒りを感じてもいた。
 フッと顔を上げて、王子と思われている青年を見る。

『 ? 』

 何かが…引っかかった。
 そう…彼を見たとき……何かが…。


「あの……」

 思わず声をかけると、うんざりした紺碧の瞳にかち合った。
 41番の女性が眦を上げ、
「あら、分からないかしら?王子様は今、私と話しているのよ。あなたは近衛兵の方とでもおしゃべりなさったら?」
 その小バカにした言い方にムッとする。
「まだどっちが王子でどっちが近衛兵か分かんないじゃん!」
「あ〜ら、『赤い獣』を怖くない…という部分は勇敢で王子様らしく素敵でしたけど、『昔会ったことがある』だなんて、王子様が仰るはず無いわ。あんな不吉なものに不用意に近寄られるだなんて……正常な人なら絶対にするはず無いもの」

 ムッカーーー!!!!

 ユフィの怒りのゲージがマックスになる。

「は!?なにそれ!!」

 思わず上がった大声に、それまでうんざりした顔をしていた青年と、無視される形になっていた青年が同時にビックリして振り仰ぐ。
 ユフィはいつの間にか、仁王立ちに立っていた。

「あのね、そんなもの『偏見』っていうのよ。人と人が接する中、やっちゃいけないことだよ!それを、まぁ惜しげもなく披露してくれて、ほんっとうにありがと!これでティ…っとと、もとい!!108番が報われるわ!!」

「「 …108番? 」」

 首を傾げる青年二人に、ユフィはハッと我に返った。
 ストン…、と腰掛けて気まずそうにスカートをモジモジ触る。

「あ、もしかして…42番の人?」
 今まで令嬢に無視をされていた青年が興味深そうに真っ直ぐ見つめる。
 ユフィは一瞬キョトンとしたが、すぐにエアリスが自分とティファの番号をバッチリ言っていたのだ…ということを思い出し、ククッと笑った。

「そうです。私が42番!よろしくね」
「こちらこそ、よろしく!」

 自然と握手を交わしてニッコリと笑い合う。
 それを端で見ていた41番の女性は、怒鳴られたショックから立ち直り、鼻先で笑うと、クラウドの方へ身を寄せ、
「アレで王子様の振りをするだなんて…。こう申し上げてはなんですが、もう少しマシな方はおられなかったのですか?」
 クラウドは静かな怒りを目に宿した。
 必要以上に密着してくる女性を真っ直ぐ睨む。
「アンタ……最低だな…」
「え…!?」
「人を外見だけで判断し、あまつさえ陰口を本人の前でするなんて…」
「あ……」

 冷たいアイスブルー。
 女性が自分が失敗したことを知った。

「あ、でも、素直で素敵な人では」
「大臣、このご婦人にはもうお帰り頂いて結構です」
「…こちらの女性は?」
「興味があるので、もう少しだけお話をさせて頂きたい」

 楽しそうにザックスが笑っているのを見て、大臣は一礼した。

「では、41番の方のみご退場下さい」
「あ、あの!王子様!!」
「では、ごきげんよう…レディー」

 クラウドは冷たい視線で一瞥し、それ以上彼女の事を見ることはしなかった。
 41番が悔しそうに壇上から去る。
 それを待っていたかのように、42番が興味津々でクラウドを覗き込む。
「ねね、私に見覚えない…?」
「え……?」
 戸惑うクラウドに、ユフィはニッと悪戯っぽく笑うと、
「ジョニーって知ってる?」
「え!?」

 思わぬその人物の名前にギョッとする。
 ユフィは満面の笑みを浮かべた。

「やっぱり!!あんた
クラウド(←小声)でしょ!?」

 ドッキーン!!

 バクバクと心臓が跳ね上がる。
 冷や汗がダラダラと流れる。
 ユフィはニッと笑うと、
「分かんない?私、ユフィだよ♪」
「…え!?ま………まさか!!」
「そ、あの孤児院に寄付してるキサラギのお嬢様〜♪どう?似合う??」
 クルリ…。
 ファッションショーするようにくるりと回って見せた。
 クラウドはあまりにも突然に現れた旧知の間柄の人間に、完全にパニックになっている。
 いやいや、なんだって『お嬢様』らしい格好を!?

 クラウドの知っているキサラギ家の令嬢は、おおよそ令嬢らしからぬ軽装でいつもいきなりやって来ていた。
 だから、クラウドはロックハート家の令嬢よりもキサラギ家の令嬢の方が親しみを覚えていた。
 それなのに!!
 本人に言われるまで全く気づかない程、今夜のユフィは綺麗にお嬢様らしく……。

『…それなりの格好したら…やっぱりお嬢様なんだな…』

 マジマジと驚きの対象を観察し、いささか失礼なことを思ったのだった…。

 そんなクラウドに、ユフィはおちゃらけた表情から真剣な顔をした。

「お願い、クラウド!あんたがティファの事、あんまり気に入らないって思ってるのは知ってる。でも、助けてあげて?本当に酷い扱いうけてるの!!」
「あ………そう言う目に合ってるって…ジョニーから聞いてた……」
「そうなの!?」
「ああ……」
「ねぇ、お願い!王子様も、お願いだからわたしの大切な友達を助けて!」
「今…来てるの、その子?」

 声を落として訊ねた王子に、ユフィは目頭が熱くなった。

「うん……ティファ、108番…」

 途切れ途切れにそう言うだけで精一杯だ。
「あ…もしかしてさっきの…34番の子はティファさん…だったっけ?を助けたいから…ここに…?」
「うん…。もうこうなったら、お城のエライさんとかに見初められて、今の生活から抜け出してもらう手助けをしてもらわないと…一生あの子、奴隷働きだよ…!!」

 涙ぐみながら必死に懇願するユフィに、クラウドは驚いたまま、カチンと固まっていた。
 こんなにも必死になって助けてやりたいと思われてしまう…ティファ。
 どんなに辛い生活をしているんだろう…。

 幼い頃、高い服に身を包みながら、明るく…幸せそうに笑っていた少女。
 その少女が、両親を失ったばかりか、周りの人間がこうして必死になってしまうほど、辛い目に合っている。


 胸が……苦しい…。


「分かった、悪いようにはしない。なんとかなるよう、このパーティーが終ったら考えてみるから…」
「!! ……ありがとう…」
「それにしても…」
「 ? 」

 王子はニッと笑うと、沈痛な面持ちになっているクラウドの肩をグイッと抱き寄せた。

「やっぱさ、お前、好きな子いるんだろ?」

 耳元で小声で囁く。

「は!?」

 思わず上がった大声に、壇上を食い入るようにして注目していた令嬢達がギョッと身を仰け反らせた。
 突き刺さる視線に、ハッと我に返り、憮然とソファーに身を沈める。

 目の前のユフィには囁き声だったので聞かれていないようだ。
 キョトンとした顔が徐々に興味深そうな……悪戯大好きな本来の彼女のものに変わっていく。

「なに、なに?」
「あ〜…なんでも…」
「お?知りたい?」

 軽く身を乗り出してワクワクしているユフィに、ザックスがニッと笑う。
 クラウドは静かに肘鉄をわき腹にお見舞いした。


「では次の方…」

 わき腹を押さえて悶絶する王子を尻目に、大臣に催促する。
 ユフィはちょっと唇を尖らせたが、フッと肩の力を抜いて微笑んだ。


「それにしてもさ…」
「…なんだよ」
「…カッコよくなったじゃん!」
「 !! 」

 去り際にユフィのくれた一言。
 クラウドは驚き、そうして真っ赤になった。
 旧知の人間に褒められたのは初めてのことだ。
 ユフィはクスクス笑いながら、
「108番もビックリするくらい見違えてるから…よろしくね」
「………分かってる…」

 照れ隠しでそっぽを向く青年に、ユフィは満足そうに壇上を去った。


 ユフィが満足感と今回の計画が成功することを信じて疑わず、幸せ一杯に壇上を降りた時…。
 エアリスがハッと顔を上げた。
「どうしたの?」
「 ……… 」
 問いかけるティファに何も答えず遠い目をしてどこかを見る。
 その表情が徐々に強張ってきた。

「エアリス…?」
「まずいわ…」
「え…?」

 小さく漏らした一言に、ティファの心臓がキュッと縮まる。
 そこへ…。

「ただいま〜♪」

 上機嫌にユフィが帰って来た。

「ティ…じゃない108番!すっごくビックリするようなことがあったんだよ〜!」

 嬉しそうに先ほどの事を報告しようとして……只ならぬ気配を感じ、眉を寄せる。

「どうしたの、エアリス…」
「……ナナキとバレットが兵士に見つかった…」
「「 え!? 」」

 大声を上げ、慌てて扇で口元を隠した二人に、エアリスは自分も扇で口元を隠しながら早口で話し始めた。

「隠し扉が兵士に発見されたの。今、兵士をまいて………うん、無事にやり過ごせたみたい。でも、まだ捜されてる…。ティファの乗ってきた馬車までは……無理ね、見張りが警戒してる…」

 バクバクバクバク。

 ティファの心臓が駆け足で脈を打つ。
 自分のせいで彼らが捕まったら…!?
 血の気が引いていく。

「ナナキは星の声が聞えない。だから、私が何をしようとしているのかは星経由では分からない…」
「そんな……」

 ユフィが愕然とした声で呟く。
 ティファは声すら出ない。
 エアリスは真っ直ぐ二人を見た。

「私はここからまだ出られない。招待状が無いから正面からは出られないから…」

 言葉を切ってちょっと考える。

「でも……うん、何とかなったみたい…。うん………そのままそこにいてくれたら…」

 状況は刻々と変化している様だ。
 まるで何かを目の前で見ているように、一人で頷いて……ニッコリ笑った。

「良かった。誰か知り合いの人に匿ってもらったみたい。私が犬笛を吹くまでそこで隠れてるつもりみたいね」

 はっきり言い切ったエアリスに、二人は安堵の溜め息を吐き出し、身体に入っていた力をドーッと抜いた。
「本当にもう……」
「………ごめんなさい」

 深々と頭を下げたティファに、二人は固まった。

「私のせいで……本当にごめんなさい」
「ティファ、違うよ、私が勝手に…」

 オロオロと言葉を探すユフィとは対照的に、エアリスはクスッと笑った。

「私、ティファにお礼を言わなくちゃいけないわ」
「「 え…!? 」」

 ビックリして顔を上げる。
 ユフィも驚いて振り向いた。

 エアリスはほんのりと頬を赤らめながらも、とても嬉しそうに笑っていた。

「ティファのお蔭でユフィが私に会いに来てくれた。私をここに連れてきてくれた。だから……私ね……」



「初恋の人に会えたのよ」



 ティファとユフィは顔を見合わせると、驚き過ぎて言葉を失ったまま、エアリスを見た。




 その頃…。

「王。お耳に入れたいことが…」
「なんだ?今、折角面白いものが見られたところなのに…」

 不機嫌そうにそう言うセフィロス王に、近衛隊長のヴィンセントは恐縮する………ことなく小声で一言。

「侵入者です」
「………………………………………なに!?」

 たっぷりと間を空けた王は、あまりにも淡々と簡潔に言ってのけた近衛隊長に目を剥いた。



 あとがきは最後にまとめて書きますね。