*こちらは『シンデレラ』を基にした完全パロディーです。
 ストーリー、キャラ設定、捏造しまくりです。
 苦手な方、嫌悪感を感じられる人は今すぐに回れ右して下さい。

 なんでもどーんと来いや〜〜!!という度胸のある方のみ、お読み下さい。









シンデレラ……もどき? 6





 ユフィは思った。

 世の中、不思議なことがあるものだ……と。

 バレットもまた思った。

 こんな珍妙な生き物がこの世にあるとは……神様もビックリだ…と。


 二人は今、森の奥深くにある一軒の可愛らしい小屋の中にいる。
 全て木で出来ているその小屋とテーブル類の家具は非常に綺麗で、温もりに溢れていた。

「はい、どうぞ」

 差し出された木のカップには、白いミルクが湯気を立てていた。

「あ……」
「ど、どうもすまねぇな…」
「ふふ、遠慮しないでどうぞ。ヤギのミルクに蜂蜜が入ってるからとっても美味しいし栄養があるわよ」

 聖母のような微笑を浮かべて向かい合って座ったのは、赤い獣を従えると噂されている…魔女。

 ユフィとバレットはチラリ…と視線を交わしたが、結局彼女から全く悪意が無いことと、湯気を立てているミルクが非常に魅力的に感じたことから、素直にカップを口に運んだ。
 途端。

「美味しい〜!!」「うめぇ〜!!」

 上がった歓声。
 顔を輝かせて喜ぶ二人の珍客に、女性は嬉しそうに微笑んだ。

「美味しいでしょう?ふふ、良かったわ。私のイチオシなんだけど、気に入られなかったらショックだもの」

 クスクス。

 笑いを絶やさないで二人を見つめるその眼差しはとても穏やかだ。

 生き物全部を愛している。

 もしも彼女がそう言ったら、『うそ臭い』とは絶対に思わないだろう。
 むしろ、妙に納得しそうだ。

 穏やかな空気を纏う彼女が『恐ろしい魔女』とは…到底思えない。
 人の心を錯乱させる…非情な魔女とは…どうしても…。


「え〜っと…それで…ですね…」


 ミルクをあっという間に空にして、一息ついたユフィは、ためらいながらも口を開いた。
「あの……この土地の地元の人達が…その…」
 常の彼女からは想像出来ないほどしどろもどろ、言葉を探す。
 隣に座っている用心棒もそうだ。
 彼女が本当に地元の人間に恐れられている魔女とは…思えない。
 しかし、彼女が魔女でなければそもそもこの大陸まできた意味が無い。
 だがしかし…、魔女でなければ良いな…とも思ってしまう。
 なんとも複雑で相反する感情。
 それらがごちゃごちゃになって二人の胸の中でせめぎ合う。

 女性はおかしそうに口元をほころばせたまま、足元で寛いでいる赤い獣……、ナナキと言ったか、その毛並みを優しく撫でながら、
「ええ。私が『赤い獣の魔女』よ」
 軽い口調でさらりと言った。

 ギクッと身体を少し震わせ、チラリと顔を見合わせ、
「あの…じゃあさ、それ相応の物を差し出したら願いを叶えてくれる…っていうのは…」
 宝石商の娘が恐る恐る質問する。

 その質問に対し、『魔女』と言ってのけた女性は困ったように笑った。

「ん〜…残念だけどそれは無理なの」
「え!?ど、どうして…」

 落胆の色を隠せずに身を乗り出す。
 バレットもショックを隠しもしないでテーブルに手を付いた。

「こうしてお宝でもある『マテリア』をこんなに持ってきたんだ!頼むからなんとかしてくれよ!」
 でないと、ここまでの道のりが全てパーだ。

 だが、二人の必死のお願いを前に、女性は困ったように眉尻を下げた。

「あのね、本当に申し訳ないんだけど私が『魔女』って名乗ってるのはこの子達を守るためなの…」

 そっと視線を下にずらしてナナキを見る。
 意味が分からず首を傾げる二人の前で、ナナキはちょっと居心地悪そうにもじもじとした。

「ほら…オイラってしゃべれるだろ?それに…」

 尾を軽く振る。
 尾の先の炎がチロチロと揺れて二人の視線を誘った。

「オイラ達一族は珍しいから、『狩り』が盛んに行われた時があって…」

 悲しそうに項垂れる赤い獣に、二人は納得がいった。
 優しくナナキを撫でる女性を見る。
 ナナキ達を守るために、彼女はここで『魔女』という忌み嫌われる役を演じているのだ。

 その姿が、ティファと重なって見えてユフィはグッと胸に熱いものが込上げた。

「ふふ、でもそれだけじゃないの。この子達以外にもこの森にはあんまり人が入って欲しくないのよ」
「なんで?」

 女性はフッと窓の外へ視線を流した。
 森の奥を見つめている深緑の瞳に釣られ、二人も窓の外を見る。

「この森の奥にはね、強力なモンスターが眠ってるの」
「「 モンスター!? 」」

 ギョッとする二人に、軽く肩を竦める。
「そう。この星が危険な目に合ったときに目覚めるモンスター。私達は『ウェポン』って呼んでるんだけど、そのモンスターを刺激して欲しくないのよ。うっかり目が覚めちゃったら大変だもの」
「「 …… 」」

 ゴクリ。

 二人の喉が緊張で鳴る。
 なるほど。
 彼女はこの森の『番人』というわけだ。
 ナナキという不思議な生き物を守りつつ、森の奥に眠っているモンスターの眠りを妨げる輩を遠ざける。
 その為に彼女はここにいる。

 たった一人で…。


「でも……一人でここにいるのは……寂しくない…?」

 おずおずとお元気娘が訊ねる。
 バレットもその隣で神妙な面持ちをしている。
 二人の憐憫の眼差しに、女性はキョトンとした。

「え…、一人…?」
「「 …え??? 」」

 ポカン…と復唱され、バレットとユフィもポカンとする。
 ナナキもテーブルの下で目をクリクリさせてポカンとしていた。

 暫しの沈黙。
 その沈黙を破ったのは…。



「ただいま〜」
「エアリス、ただいま……、と……お客様?」

 小屋の奥からドアの開く音と共に男性と女性の声がし、ひょっこりと声の主が現れた。
 二人共、ユフィとバレットの姿に目を丸くしている。
 ユフィとバレットは慌てて立ち上がると、

「お、お邪魔してます!」
「は、初めますて…、じゃなく、初めまして!!」

 ガバリ、と頭を下げた。






「へぇ、お友達の為に…」

 ここに来た理由を簡単に話した二人に、エアリスの両親は感嘆のため息を漏らした。
 心なしか父親の目がウルウルしている様に見える。

「でも……魔女じゃないんですよね……」

 ガックリと肩を落とすユフィに、エアリスと両親が困った顔をした。

「本当に申し訳ない」
「この森に珍獣を求めてやって来るハンターを遠ざけるために流した噂が、まさかこんなことになるなんて…」
「困ったわね。もしかしてこれからもこのお二人みたいに『魔女』に会いに…って人が増えるかしら…」

 はぁ…。

 ため息が五つこぼれる。
 ユフィの落胆は大きかった。
 折角、ティファをあの地獄から救い出せると思ったのに…。

「で、でもよぉ。地元の奴らが『魔女』に会ったら魂が抜けたみたいに…って言ってたんだが…」

 一縷の望みから出た疑問。
 もしかしたら何かしらの力を持っているのでは?という淡い期待。
 だが、
「あ〜…それは……」
 困ったように笑いながら父親がゴソゴソと胸ポケットを漁った。
 取り出されたのは小さな小瓶。
 中には茶色い粉末。

 一見、ココアパウダーにも見えるソレ。
 不思議そうな顔をする二人に、
「これをちょこっと嗅ぐと、ちょっとした幻覚症状が現れるんだよ」
「少しだけ風に乗せて、森に入って来た人の前に現れる…」
「すごく簡単なカラクリ……だったりして……」
 親子は苦笑しながら説明した。

 ユフィとバレットはガックリと項垂れた。

 だが、ユフィはガバリ!と顔を上げると、
「で、でもさ。富豪の右腕の傷跡を治したっていうのは!?」
 食いつくように最後の望みにかける。

 そう。
 この森に住む『魔女』の噂を耳にしたきっかけ。
 それが『富豪の右腕の傷跡を治した』噂だったのだから。
 バレットも食い入るように親子を見つめた。
 エアリスと母親、そして父親はその言葉に苦笑をスーッと引っ込めた。
 急に神妙な面持ちになった親子に、二人は内心戸惑いながらも期待が沸いてくるのを止められない。

「私とエアリスは傷を癒す魔法だけは使えるの」

 穏やかにそう語った女性に、ユフィとバレットは勢い良く顔を見合わせた。
 そしてすぐにまた顔を戻す。

「それって……」
「どういう意味だ…?」

 困惑する二人に、エアリスが母親の言葉の後を継ぐ。

「私とお母さんは『癒し』の力を星からもらうことが出来るの」



「星の声が聞ける一族の末裔だから」



 ニッコリと微笑んだエアリスとその母親に、ユフィとバレットは目を丸くした。
 驚き過ぎて声も出ない。
 しかし、驚いていたのは二人だけではなかった。
 ナナキと父親も、エアリスとその母親が二人に話したことに目を丸くしている。

「イファルナ…」
「ふふ、この人達は大丈夫よ。星がそう言ってるわ」

 心配そうな顔をする夫に、聖母の微笑を浮かべる女性に、ユフィとバレットは彼女達がウソを言っているのではないことを悟った。

 勘違いでなければ、この森にエアリスとその母イファルナ、そして父親が隠れるようにして住んでいるのは、森の番人という役目の他に、自分達の力を悪用する人間から身を守るためでもあるのだろう。
 だから、赤の他人であるユフィとバレットに秘密を話したことを父親は心配しているのだ。

「大丈夫!絶対に言わない!!」
「おうよ!ぜってぇ言わねぇ!!!」

 ググッと拳を握り締めて叫ぶようにして誓った珍客に、父親はポカン…と口を開けた。
 エアリスとイファルナはプッ!と噴き出す。

「ね、大丈夫でしょ?」
「ふふ、こんな人達ばかりだと良いのにね」

 クスクス笑う妻と娘に、父親も緊張をほぐしたようだ。
 軽く息を吐き出して柔らかな笑みを浮かべた。

「でも…」

 和やかなムードになったというのに、ユフィの表情が再び曇る。
 バレットと親子、そして赤い獣もハッと我に返ってシュンとなった。
 根本的な解決にはなっていない。
 ティファを今の生活から救い出すために魔女に会いに来た。
 それなのに…。


「エアリス、行ってあげなさい」


 静かな口調でそう言った父親に、エアリスは深緑の瞳を丸くした。
 ユフィとバレットも困惑顔を向ける。
 ナナキに至っては隻眼がポロリと落っこちそうだ。
 ただ一人、動じていないのは妻であるイファルナだけ。
 そっと夫の肩に手を置いて娘を慈愛の眼差しで見つめる。

「行ってあげなさい」
「お母さん…」

 戸惑う娘に笑みを浮かべる。

「星の声が聞ける私達の力はきっと、この人達の役に立つわ。それに…」
 言葉を切って悪戯っぽく笑う。
「久しぶりに新婚時代を味わうのも悪くないもの」
「イ、イファルナ!」

 真っ赤な顔をして母を見る父の姿に、エアリスは噴き出した。

「ふふ、そうね。私がいたら二人のお邪魔虫になっちゃうもんね」
「エ、エアリスまで!」
「そうそう」
「イファルナ!」
「ふふ、お父さんはいつまで経っても照れ屋さんね」
「こういう人だからお母さんは大好きなの」
「ふ、二人共!!」

 首筋まで真っ赤になってオロオロする父親に、妻と娘は声を上げて笑った。

 ひとしきり笑った後、表情を改めて父親と母親は呆気に取られているユフィとバレットに向き直った。

「この娘を連れて行ってやって下さい」
「外の世界に触れさせてやりたいと思ってたんです」

 そう言って静かに頭を下げる両親に、ユフィとバレットは慌てて立ち上がった。
「いや、そんな頭上げてください!」
「こっちはそりゃもう、大歓迎って言うかありがたいって言うか…!」

 オタオタとぎこちなく頭を下げる二人に、エアリスは胸に手を当てて静かに目を閉じていた。
 何かを聞こうとしているのか…。
 何かを考えているのか…。

 静かに目を閉じているエアリスに、ナナキが不安そうな目を向けている。

 やがて、何かを決意したのだろう、ゆっくりと瞼を開け、覗いた瞳には強い光が宿っていた。
 そして、そっと立ち上がって頭を下げる。

「よろしくお願いします」

 頭を上げ、ニッコリと笑って手を差し出す。
 ユフィとバレットは顔を見合わせると満面の笑みを浮かべた。

「こっちこそ!」
「よろしくな!!」

 代わる代わる握手をする娘の姿に、両親は嬉しそうに頬を緩めて見つめていた。



 その後。
 すぐに出発!と行きたかったのだがひと悶着あった。
 ナナキが着いて行く!と言ってきかなかったのだ。

「オイラも外の世界を見て見たい!」

 人の年齢で考えるとまだ子供だというその赤い獣は、困った顔をして引き止めようとするエアリス親子に頑として譲らなかった。
 ユフィとバレットにしたら、ナナキがいてくれた方が何かの役に立つかも…という気持ちがあったので別に同行してもらっても構わなかったのだが、何しろ『赤い獣』は『不幸の象徴』だから、気軽にホイホイOKを出すのも難しかった。
 なにしろ、とにかく目立つ。
 見事な深紅の毛並みは勿論だが、尾の先の炎がこれまた目立つ。
 困りきって顔を見合わせるエアリスとイファルナだったが、父親が深いため息をついて、
「仕方ない…ナナキ、こっちにきなさい」
 そう言って小屋の奥に連れて行ってしまった。


 その後。

『ギャーーー!!イヤだ、イヤだ〜〜!!!』
『イヤでも仕方ないでしょう?目立つんだから……』
『ヤダヤダヤダ〜〜!!!』
『はいはい、大人しくしなさい』
『うわーん!エアリス〜!!イファルナ〜〜!!助けて〜〜!!!!』
『こらこら、暴れると上手く塗れませんから大人しくしなさい。まだらになっても知りませんよ』
『わーーん!!臭い、臭い〜!!鼻がツンってする〜〜!!!』
『少しの辛抱だから…我慢して』
『少しじゃないも〜〜ん!!!!』


「な、なにやってんだ…?」
「さぁ……」

 怯えたように二人(?)が消えた奥を窺うユフィとバレットに、エアリスとイファルナは顔を見合わせ苦笑した。

「あの人も結構大胆よね」
「『結構』なんてもんじゃないと思うけど」
「そう?奥手で照れ屋さんなのに」
「照れ屋は合ってると思うけど、奥手じゃないと思うなぁ」
「あら、どうして?」
「だって、本当に奥手だったらお母さんと結婚なんかしないもの」
「…それもそうね」

 母娘の会話に、ユフィが不思議そうな顔をする。
 その視線に気付いたのだろう。

「お父さんは考古学博士なの。それで、さっき話したウェポンのこととか、『星の声が聞ける一族』について調査をしにここに来たのよ」

 クスッと笑いながらエアリスが話し出す。
 イファルナはちょっと照れたようにはにかんだ笑みを浮かべ、
「そうなの。最初、この森の『赤い獣の魔女』は私だったのよ」
「「 え!? 」」
 驚く二人を前に、遠くを見るような瞳になる。

「あの人が初めてだったわ…。ナナキの事を全く怖がらなかったのは」
「お父さん、すっごく喜んだんだって。普通、赤い獣は魔の象徴とか色々言われてるから、出会ったりしたら不吉だ〜!って皆イヤな顔するのにね」
「ふふ、そうなの。それで、一緒にいる私に対しても、すごく紳士だったのよ。こう、丁寧に頭を下げて『ガストと申します。初めまして』って…ね」

 その時の父親の仕草を真似るように、イファルナは立ち上がると片手を胸に添えながらゆっくり頭を下げた。
 その動作がとても優雅で、思わず二人共目を見張る。

「本当に…初めてだったわ。私達一族の事を調べに来たってバカ正直に言っちゃうし」
「それで、おじいちゃんとか怒っちゃったんだよね」
「そう!もう、すごかったんだから。でも…」
「めげなかったんだよね」
「ふふ。あの人の考古学に対する情熱は半端じゃないもの」
「その情熱がお母さんへの愛情にそっくりそのまんま変わるのに時間はほとんどかからなかったんだよね〜?」

 からかうように笑う娘に、
「こら。親をからかうなんて」
 照れたように笑いながら額をツン、と突く。
 仲の良い親子ぶりに、ユフィとバレットの胸がポッ…、と温かくなる。
 と…。


「はぁ…お待たせ。やっと終りましたよ」
 一仕事終えたという充実感のため息を吐きつつ、ガストが戻ってきた。

 四人の視線がガストに向けられ、そして…。

「「「「 !? 」」」」

 目が丸くなる。
 ガストの足元には漆黒の獣。
 尾の先には黒い布がフンワリと巻かれている。

「ナナキ!?」
「 ……… 」

 驚きの声を上げたエアリスに対し、ナナキは不貞腐れてそっぽを向いた。

「あなた…、毛染めしたのね…」
「ええ。だって仕方ないでしょう?外の世界では『赤い獣は不吉の象徴』とか『魔の象徴』とか色々言われてますからね。実際はそんなことないんですけどねぇ…」
 苦笑する妻に、ふぅ…とため息を漏らしてしゃがみ込む。
 ナナキはすっかり不貞腐れて視線を合わせようとしない。

「ナナキ、これなら外の世界に出ても大丈夫だよ」
「 ……… 」
「我慢して…ね?」
「 ……… 」
「エアリスのこと、よろしく頼むよ」
「!! ……うん」

 そっぽを向いていたナナキが、最後のお願いの所でハッとし、コックリと頷いたのを見て、ガストはニッコリ微笑んだ。
 ガシガシと黒く染めた頭を撫で、ゆっくりと立ち上がった。


「では、娘とナナキをよろしくお願いします」

 深々と頭を下げたガストに、ユフィとバレットも慌てて頭を下げた。

「本当に、本当にありがとう!」
「お嬢さんとこの犬は俺が絶対に守って見せるぜ!」
「オイラは犬じゃないやい!!」

 ムキッ!と怒るナナキに笑いを誘われる。
 そうして。



「行って来ます!」

 森の外れまで見送りに来てくれた両親に、エアリスが元気に手を振る。
 その足元ではナナキが頭を昂然と上げて、エアリスのボディーガードたるように…と、張り切っている姿。

 四人が小さくなるまで両親は手を振り続けた。


「ティファ…待ってて」


 結局魔女ではなかった。
 だが、星の声が聞けるというこの女性と、世にも珍しいしゃべる獣。
 この二人が力を貸してくれるという。
 魔女以上に嬉しい結果になったのではないだろうか?

 ユフィはティファ救出作戦に、俄然闘志を燃やしたのだった。

 王子の誕生日パーティーまで…あと五日。



 あとがきは最後にまとめて書きますね。